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「豊かな海づくりに関する連携協定」締結 高田工業所など4者
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週刊経済2022年7月12日発行
第一弾は駆除ウニの陸上養殖
プラント建設の㈱高田工業所(北九州市八幡西区築地町、髙田寿一郎社長)は5月27日、国立大学法人九州大学(石橋達朗総長)、宗像市(伊豆美沙子市長)、宗像漁業協同組合(桑村勝士代表理事組合長)の4者で「宗像市SDGs 豊かな海づくりに関する連携協定」を締結した。
4者がそれぞれの資源を活用しながら、SDGsが定める目標達成の要素となる「経済成長・社会的包摂・環境保護」の側面から地域課題解決を図り、海洋資源を守ることを目的とする。取り組みの第一弾として、磯焼け海域に生息する駆除対象ウニの陸上養殖「宗像ウニプロジェクト」を開始した。「磯焼け」とは、藻場の海藻が減少・消失する現象のことで、ウニ類などが過剰に増加し、藻場の再生を妨げていることも原因とされる。そうした海域で育ったウニは身が付いていないため売り物にならず、捕獲されないためさらに増えるという悪循環が課題とされていた。そこで、同プロジェクトでは宗像漁協が駆除対象のウニを捕獲し、高田工業所のプラント技術・ノウハウと九州大学の養殖技術を掛け合わせた陸上養殖で身を付ける「畜養」を経て販売することを目指す。九州大学水産実験所(福津市津屋崎)で実施している陸上養殖試験では、4者のほかにパートナーとしてレストランを展開する㈱グラノ24K(遠賀郡岡垣町、小役丸秀一社長)、うどん店を展開する㈱資さん(北九州市小倉南区、佐藤崇史社長)、合馬観光たけのこ園(同市小倉南区大字合馬、冨岡修代表)が参画し、ウニの飼料となる廃棄食材を提供。廃棄されていた昆布や野菜類、たけのこを与えて、身の付き方や味などを検証する。将来的にはブランドウニとしての販売を目指し、販売利益で駆除ウニの捕獲費用を捻出するという循環モデルを目指していく。
高田工業所の横山禮士執行役員は「駆除ウニの畜養は他の地域でも取り組まれているが、自治体や企業が地域ぐるみで連携していることが『宗像ウニプロジェクト』の大きな特徴。まずは量産化を目指し、持続的な取り組みで漁場を守っていきたい」と話している。