NEWS

「空港大作戦」始動、第一弾はアクセス強化 北九州市


週刊経済2024年3月12日発行号

24年度中にバス増便、編成見直しへ

北九州市は2月20日、北九州空港の発展に向けた中長期的なプロジェクト「北九州空港大作戦」を始動すると発表し、第一弾として空港のアクセス強化に向けた施策を打ち出した。
九州・中国で唯一の24時間空港である点など、武内市長は就任当初から北九州空港の「ポテンシャル」と、さらなる成長の必要性を強調しており、今回その戦略を政策パッケージとして打ち出した。プロジェクトのテーマには、「空港のアクセス強化」「空港の魅力向上」「路線の維持・拡充」の三つを掲げ、まずは空港のアクセス強化に向けた施策を発表。空港への「バスアクセス」に関しては小倉線ノンストップ便を1・5倍に増便、朽網線を1・9倍に増便する方針を示したほか、インバウンド旅客向けにタッチ決済導入の計画も明らかにした。これらの施策は、2024年度の実現に向けて取り組んでいくという。「鉄道アクセス」については、鉄道乗り換え時間短縮のため、2024年度中に鉄道ダイヤに対応したバス編成に改善していくほか、福岡、大分方面の高速アクセスに向け、最寄り駅への「特急停車」を目指していく方針を示した。鉄道の空港乗り入れの検討も再開する方針という。さらに新たなモビリティやイノベーションを活用したアクセス強化に向けて、自動運転バスの社会実装を検討するのに加え、実用化に向けて技術開発が進む「空飛ぶクルマ」など新技術の導入に向けた検討にも着手するという。
北九州空港では、2027年に3千mに延伸した滑走路が供用開始する計画で、これを弾みに機能強化・利用促進に向けた議論が本格化している。武内市長は「空港のプロジェクトを強力に推進するために、今年4月に空港機能強化アクセス担当ラインの増強を予定しており、予算に関しても対前年度比35%増となる16億円を確保している」と説明している。