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「価格転嫁と賃上げで、経済好循環の歯車をさらに前進」 北九州商工会議所


週刊経済2024年1月16日発行号

新年賀詞交換会に約1千人

北九州商工会議所(小倉北区紺屋町、津田純嗣会頭)は1月9日、同区浅野2丁目のリーガロイヤルホテル小倉で新年賀詞交歓会を開き、服部誠太郎知事や武内和久市長をはじめ、政財界から前年並みの約1千人が参加した。
津田会頭は「今年は元旦から能登半島地震、羽田空港での航空機事故、鳥町食堂街での火災と、痛ましい災いが続いた。鳥町食堂街の火災については、事業者の方々に寄り添ってお支えすべく、特別相談窓口を設置した」と対応を話した。昨年については「コロナ収束による人流再開で、社会活動は私の予想以上のスピードで回復した。一方で、円安が進む中物価が高騰。物価高に呼応する形に加えて、経済好転による人手不足も重なり、賃上げの動きが広がった。半歩ではあるが、経済の好循環の歯車が回り出した」と振り返り、その上で「今年最大の目標は、回り始めた経済好循環の歯車を、さらに前進、加速させること。目標達成には、第一に適度な価格転嫁と、確実な賃上げが必須。また、働く人を大切にする企業でなければ存続できない時代になる。値上げ、賃上げ、従業員の働きがいを向上させることを意識して、意欲的に生産性向上の取り組みを進めてほしい」と呼びかけた。
服部知事も震災や事故、火災について触れたあと「県としてもできる限りの支援を行っていく。鳥町食堂街の火災については、商工会議所と北九州市と連携しながら、1日も早く事業が再開、継続できるように取り組みを進めていきたい」と話した。今年を表す漢字としては「実」を挙げ「さまざまな施策を強力に『実』行し、その『実』りを挙げていく。このことによって県民の皆さんの期待に対し、誠『実』に答えていくという思いを込めている。今年は辰年。天をかけのぼる龍のごとく、福岡県、北九州商工会議所の皆さんと力を合わせて成長、発展、飛躍させていきたい」とあいさつ。武内市長は、能登半島地震への対応として「被災地応急給水活動応援部隊として、1月6日から8人の職員を派遣している。市営住宅の無償提供、災害義援金の募集や人的支援に関しても、迅速に対応すべく体制を整えているところ」と説明。鳥町食堂街火災についても「相談窓口を設置し、利用できる制度のご案内などに対応している。今後も被災された方の声を伺いながら、寄り添った支援をしていきたい」と話した。市政については「市長就任から10カ月あまり。新たなビジョンづくりを進めており、つながりと情熱と技術で、『一歩先の価値観』を実現するグローバル挑戦都市・北九州市を掲げている。政府は、24年度に名目GDP600兆円超を見込んでいる。北九州市においても、新ビジョンの素案で10年以内に市内総生産額名目4兆円を目指す。来年度はこの動きを踏まえ、新しいビジョンや産業戦略など、北九州市ならではの政策を本格的にスタートする」と抱負を語った。