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「世界から選ばれる」福岡県へ 服部誠太郎福岡県知事


週刊経済2021年11月30日発行

「表紙の人」インタビュー抜粋

福岡県の服部誠太郎知事は10月29日、本誌12月号「表紙の人」インタビューに応じ、今年4月の就任以降取り組んできた新型コロナ対策や災害対策、新産業創出などの成長戦略について語った。主なやり取りは次の通り。
―就任から半年を振り返って。
服部 就任以降、コロナ対策関連では4598億円に上る補正予算を計上した。第5波への対応では、第4波が収束した段階で抽出・整理した課題を反映した「福岡方式」に取り組み、重症化や病床使用率を抑え、医療提供体制のひっ迫を回避することができた。
―今後に向けた新型コロナ対策は。
服部 コロナ対応病床について、医療関係者の皆さんや保健所設置市(北九州市、福岡市、久留米市)と協議を重ねながら、現在の病床確保計画などを「保健・医療提供体制確保計画」として見直し、充実させる。現時点で数が不足しているわけではないが、感染再拡大への備えとして、現在の1482床からのさらなる上積みを目指して協議を進めていく。宿泊療養施設や酸素投与ステーションについても、さらなる拡充を図る。
―ワクチン接種の進ちょく状況は。
服部 10月末時点では2回接種率が県民の7割に達しており、希望者への接種は11月中に完了する見通し。
―飲食店向けの「福岡県感染防止認証制度」の認証状況は。
服部 10月25日時点では申請店舗数が1万5759件、認証店舗数が1万1267件。県の特設サイトに認証店を検索できる機能を追加した。
―今後の重点施策は。
服部 まずは事業者支援の強化。9月補正予算では、飲食店に対する時短協力金だけでなく「中小企業者等月次支援金」により事業者支援を拡充した。国の「月次支援金」の対象とならない中小企業を県独自で支援するもの。
産業振興の取り組みでは、将来に向けての新しい産業の種として「先端バイオ」や「宇宙ビジネス」、「脱炭素」や「カーボンニュートラル」などに注力していく。自動車産業についても、自動運転や電動化などの変革に対応しなければならない。県の優位性を生かした輸出拡大や企業誘致、観光誘客、国際記入都市づくりなどの取り組みを強力に進め、九州のリーダー県たるにふさわしい「世界から選ばれる」福岡県を目指す。
―今後の地域経済回復の見通しについて。
服部 ワクチン接種や治療法・治療薬の開発も進んできており、まずは「ウィズコロナ」の社会を考えていかなければならない。実証に参加している「ワクチン/検査パッケージ」なども活用しながら、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていくことが重要。