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「シェアサイクル」実施事業者にメルカリ選定 福岡市


8月までに都心部「ポート」130カ所以上へ

福岡市は6月22日、都心部への自動車流入抑制や回遊性向上を目的に「福岡スマートシェアサイクル実証実験」を開始し、スマホ向けフリマアプリを運営する㈱メルカリ(東京都港区、山田進太郎代表取締役会長兼CEO)を実施事業者に選定した。
交通渋滞が深刻化しつつある市都心部で、自動車の流入を減らしつつ、中央区、博多区、ウォーターフロント地区の回遊性を強化する交通手段として、自転車利用を活性化するのが狙い。メルカリはすでに今年2月から、シェアサイクルを事業化した「メルチャリ」を福岡市都心部でスタートしており、今後は市と協働で自転車を駐輪する「ポート」の拡大や、利用を促す情報発信などに取り組んでいく。
「メルチャリ」は、専用のスマートフォンアプリを登録すれば、誰でも自転車のレンタル・返却が可能になり、スマホをシェアサイクルの鍵に近づけて開錠する。利用料金は1分4円。借りた場所に自転車を返す必要はなく、目的地に近い専用ポートならば、どこでも駐輪できる。鍵にはGPSが内蔵されており、放置自転車などが発生した際は、市が回収して対応する。また、利用者が放置自転車を見つけた際、専用ポートまで運んで駐輪すれば、無料でシェアサイクルを利用する時間が貰える「インセンティブ」も設けた。2月の事業開始時点では、都心部半径2㎞圏内のポート数50カ所でスタートしたが、6月末までに市の公共ポートなどが追加され90カ所以上に拡大しており、8月末の予定数は130カ所以上を見込む。
メルカリは昨年、国内3拠点目の地域に福岡市を選び、現在までに2カ所のカスタマーセンターを開設している。発表会見に出席した小泉文明取締役社長兼COOは「今後は福岡からエンジニアを採用し、テクノロジーベースのモノづくり拠点としていきたい」と展望を語り、「スタートアップ企業をはじめ、幅広い地元企業と連携していければ」と期待を寄せた。髙島市長は「平坦な道が多い福岡市には自転車が非常にマッチしている」と自転車の利用拡大へ意欲を見せた。

2018年7月10日発行