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「オンデマンド調査報道」に手応え 西日本新聞社
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柴田社長インタビュー抜粋
㈱西日本新聞社(福岡市中央区天神)の柴田建哉社長は本誌1月号「新年トップインタビュー」に応え、新企画への手応えや新年の重点方針などについて語った。以下、インタビューを抜粋。
―新聞業界では購読部数と広告の減少が続いている。
柴田 本紙も中間決算では減収増益となった。購読部数は約61万部とピーク時から3割ほど減少している。ただ、中期経営計画で推進している構造改革の成果が表れており、費用は圧縮できた。特に、宮崎県・鹿児島県での発行を休止したことにより、印刷コストや輸送費を大幅に削減できた。
―紙上で反響があった記事やコーナーは。
柴田 昨年元旦からスタートした「あなたの特命取材班」が大きな反響を呼んでいる。読者から取材すべきテーマを募集する「オンデマンド調査報道」のスタイルを採用しており、SNSを活用したことで若年層の声を数多く取り込むことができた。従来とは読者が求めるニュースの価値基準も異なっており、読者の知りたい情報にフォーカスすることの大切さを再認識できた。同様の企画が他紙にも伝播しており、新しい報道のやり方として人気を集め始めている。
―経営面のトピックスについては。
柴田 昨年10月から、広告局を「メディアビジネス局」に改称し、デジタル分野に強い新局長を配置した。新聞広告以外、特にデジタルマーケティングを強化するのが狙い。またグループ会社では、㈱西日本新聞会館と西日本エルガーラビルを統合し、㈱西日本新聞ビルディングを設立した。いずれもグループの不動産管理会社で業務が重なる部分も多かったので、業務効率化と不動産事業の強化につなげていく。
―19年の重点方針は。
柴田 「コンテンツファースト」を目指し、紙面とデジタルの統合編集体制への変革を進める1年にしたい。またグループ経営については、中期経営計画で定めてきた単体ベースの目標に加え、連結ベースの目標も設定するようにするつもり。さらに、4月には罰則付きの「時間外労働の上限規制」が施行される。夜討ち朝駆けをはじめ、長時間労働が染みついた業界ではあるが、一社員当たりの労働時間の「持ち時間」をきっちり定める体制に変えていきたい。
2019年1月8日発行