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「がんペプチドワクチンに問い合わせ殺到」  久留米大学の薬師寺学長    全国から早期創薬化に期待.


 久留米大学(久留米市旭町)の薬師寺道明学長は、ふくおか経済新年号の取材で、同大学が取り組む「がんペプチドワクチン」の開発研究について、「進行がんの新治療法として注目度が高く、全国から問い合わせが殺到している」と語った。インタビューの内容は次の通り。
 ―09年の抱負を。
 薬師寺 今年は質の高い教育・研究・診療を目指し、本学創立90周年、100周年に向けて新たなスタートを切ります。
 ―教育面の取り組みは。
 薬師寺 近年、全国的に医師が不足しており、国も地域や診療科の医師確保の観点から医師養成を推進しています。本学も、4月入学の医学科の定員を10人増の110人とし、地域医療への貢献を果たしていきます。
また、商学部の「医療分野の経営管理者育成プログラム」が文科省の20年度の「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」に選定されました。医学部を有するバックグラウンドを生かし、学部間の壁を越えた質の高い教育が評価されたと考えています。
 ―昨年4月に認定看護師教育センターを開設されましたね。
 薬師寺 九州では初の「がん化学療法看護」と「緩和ケア」の認定看護師教育課程を開講しました。全国から各30人計60人を受け入れ、昨年11月に第一期生の修了式を行いました。現在、新たに「がん放射線療法看護」の設置に向けて許可申請の準備中です。
 ―「がんペプチドワクチン」の開発研究が注目されています。
 薬師寺 これは、21世紀COEプログラム「先端的な癌治療研究の拠点」に選定以来、本学の先端癌治療研究センターを中心に進めてきました。この度、国の「先端医療開発特区(スーパー特区)」に東京大学医科学研究所、札幌医科大学、国立がんセンター東病院とともに「迅速な創薬化を目指したがんペプチドワクチン療法の開発」として採択されました。
 福岡・佐賀県は全国でもがんの死亡率が高い地域です。同研究は、県のバイオバレープロジェクトにも組み込まれ、早期の創薬化が期待されています。特に進行がんの新たな治療法として注目度が高く、全国から問い合わせが殺到しています。 (詳細はふくおか経済2009年1月号に掲載)