FEATURE

TheFace2024

welzo


金尾 佳文
㈱welzo 社長

かなお・よしふみ/鹿児島市出身。1964年10月26日生まれの60歳。横浜国立大学工学部卒業後、87年4月伊藤萬㈱(現日鉄物産㈱)入社。2006年㈱ニチリウ(現welzo)に鹿児島営業所長として入社。07年10月関連会社で用土肥料メーカーのエンゼル㈱(現㈱サンアンドホープ関西工場)に異動。16年3月サンアンドホープ取締役、17年5月代表取締役専務、同年7月代取専務兼ニチリウ永瀬営業本部長補佐、18年1月ニチリウ永瀬営業本部長、同年4月同専務取締役営業本部長、19年4月副社長を経て、20年4月社長就任。趣味は読書、釣り

「プラズマグリーン農業技術」で持続可能な農業へ

農園芸のイノベーションカンパニーを目指し、農業に関する先端的な研究を推進。今年に入り、九州大学プラズマナノ界面工学センターと共同でプラズマ技術を活用して農業生産性を向上させる「プラズマグリーン農業」に関する研究を開始した。
具体的には、プラズマ技術を応用し農業の三大栄養素の一つで植物の成長に欠かせない窒素の新しい製造方法を確立するもの。窒素肥料(尿素)は国内流通の97%を輸入に依存している状況で、かつ生成する際に大量のエネルギーを消費し、大量のCОが発生するため、金尾社長は「窒素の国内自給率の向上と環境負荷を軽減した持続可能な農業を目指したい」と意気込む。
現在、西区今津の「welzo研究農場」で、プラズマ技術で空気中の窒素を吸着させたたい肥による農作物の実証栽培試験を進行中。最終的にプラズマ技術を活用した肥料や培土の製品化、それらを製造する機械装置の開発に繋げる構えだ。「世界的な人口増で、8千億円と言われる世界の有機肥料市場のさらなる拡大が予想される。国際的な肥料争奪戦に備え、国内で生産拡大を図り、市場を獲得したい」と将来を見据え、研究農場内へのハウス増設も進めるなど、ウェルゾの新たな挑戦が始まった。

 

DATA
所在地/〒812-0013 福岡市博多区博多駅東1-14-3
TEL/092-433-4456
創業/1921年8月
設立/1952年8月
資本金/4億7,016万円
事業内容/園芸資材・農業用肥料・飼肥料原料ほかの卸売
従業員/214人
売上高/495億4,000万円(2023年12月期)

https://www.welzo.co.jp/

(ふくおか経済2024年11月号FACE)