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SQディスカバリー㈱
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中国で“カニ”市場開拓へ!!貿易仲介業務も本格始動
輸入カニの卸・小売りのSQディスカバリー㈱。アラスカやロシアからタラバガニやズワイガニを輸入し、加工して卸売りするほか、一般消費者向けには通信販売を展開。また11年10月には上海に現地法人を設立するなど、無限の可能性を秘める中国市場に挑戦している。
卸に加え通販事業も好調
06年の設立以来、確かな商品力と信頼を強みに事業拡大中の同社。輸入したカニは提携工場で食べやすく加工し、業務用や化粧箱を付けた贈答用として卸販売を手がけている。
09年からは通信販売を開始し、ネットショップの「楽天」と「YAHOO!ショッピング」に「かに仁」を出店。卸業者ならではの“おいしく”“ボリューム”のあるカニを“安く”購入できると好評だ。売上も順調に推移中で、11年12月には両サイト合わせた月商が2億円を突破した。「YAHOO!ショッピング」単体では、同年12月に総合デイリーランキングで最高2位を獲得し、12月の月商は1億円を突破。ヤフー㈱のコンシューマ事業部統括部長が記念トロフィーを持って直々に来福するなど、実績を高く評価されている。
また講談社が発行する情報誌「おとなの週末11年12月号」では“お取り寄せ絶品のカニ”として紹介されるなど、全国的な注目度も抜群だ。牛之浜社長は「今後は自社サイトに加え、各県の特産品を紹介する通販サイトも運営していきたい」と語る。
さらに11年12月には、海の中道のイーストマリーナ前に「元祖!!蟹小屋かに仁」をオープン。同社の新鮮なカニを、炭火を使いBBQスタイルで楽しむ新感覚の“カニ小屋”だ。カニ商品の直売も実施し、海の中道の新スポットとして期待される。
海の中道イーストマリーナ前に出店した「元祖!!蟹小屋かに仁」(左)。中国の旗艦店と位置付ける「蟹亭」(右) |
上海で卸と飲食店をスタート
そして11年10月には新たなチャレンジとして、上海に現地法人「牛浜貿易(上海)有限公司」を設立。中国での“カニ”市場の開拓をスタートした。「現在カニの消費量は、日本とアメリカで約8割を占めている。中国での消費量はまだ少ないが、富裕層を中心に好評いただいている。無限の可能性を秘める市場へ、先手を打つべく進出した」と意欲を見せる。まずは中国の日系商社と提携し共同で市場開拓を進める計画で、上海の飲食店向けに卸事業を強化。また同時に、日系デパートなど小売店への卸も開拓する考えだ。
さらに現地でのマーケティングとカニ文化普及を目的に、上海のショッピングモールにカニ料理専門店「蟹亭」をオープン。ミドル・アッパー層がターゲットで、明るく和モダンな雰囲気の店内に80席を準備。カニを使用した一品料理や鍋など和食メニューを中心に取り揃える。確かな味と日本食人気も後押しして客足は好調。来店客の9割が現地のお客さまであり、家族連れも多いという。「今後店舗を使って試食会を開催するなど、中国での旗艦店と位置付けている」と説明する。
同店では日本人スタッフに加え現地スタッフ約20人が勤務 |
中国進出の一括支援を開始
卸・飲食店の展開に加え、今後中国での事業として「貿易仲介業務」を本格始動する。現在魚類をはじめ、洋服、酒類、薬類などの貿易業務の許可を取得。自社でのノウハウを生かし、日本からのコンテナ輸送、検査や手続き関係、中国での配送ルート構築などを進め、さまざまな企業の中国進出を支援する考えだ。「九州という地の利も生かし、中国展開を一括で支援できる体制を整えていく」と牛之浜社長。同社の挑戦はまだ始まったばかりだ。
牛之浜 圭一 社長 うしのはま・けいいち/福岡市出身。1973年2月4日生まれ。福岡水産高校卒。趣味はマリンスポーツ |
企業DATA
所在地 〒812-0007 福岡市博多区東比恵2-12-12
TEL 092-477-8200
FAX 092-477-8040
URL http://www.kanijin.jp
設立 2006年7月
資本金 300万円
事業内容 輸入カニの卸・小売り、飲食店の経営、貿易仲介業務
年商 16億3900万円(11年6月期)
従業員 7人
関連会社 ㈱S.Q.D(通販サイトの管理運営)、牛浜貿易(上海)有限公司
(ふくおか経済EX2012年)