FEATURE

ふくおか経済EX 2018

(株)太平環境科学センター


分析業務の自動化で働き方改革を推進

設立から45年、飲料水・環境水の水質分析や大気測定、土壌・底質分析など、幅広い分野の分析試験を通じ、快適な生活環境の保全に貢献してきた。長年培った豊富な知識とノウハウは、九州トップクラスの実績を誇る高い信用力、そして先進的な分析技術の開発に生かすことで成長の原動力としてきた。

正確さ、スピードへの探求心が生んだ自動分析装置

「働き方改革」が叫ばれている昨今。その課題に正面から向き合い、労働環境の改善にも早くから取り組んできた。その実現に大きく寄与しているのが分析業務の自動化だ。
緻密な作業と知識を必要とするなど、人の技術に頼ることの多い分析業務。その上で「正確さ」と「スピード」という成果要求が存在するだけに、分析従事者が長時間労働を強いられるケースも少なくない。そういった実情を背景に、生産性向上と省力化を目指すべく、いち早く自動分析装置の開発に着手。2011年完成の「検査水分注装置」を皮切りに、「細菌検査装置」、水の汚染数値を測定する「BOD分析装置」を相次ぎ開発し、注目を集めた。
そして17年12月には自動化が困難とされた水質の大腸菌(MPN)検査装置も稼働。6軸多関節ロボット2台を組み込んだ同装置は、すでに稼働済みの3軸ロボットによる検査方法より自動化の範囲が拡大したことでより複雑な動きも可能に。その上カスタマイズ性にも優れるため、他の検査項目をはじめ、幅広い分析業務への応用展開も期待されている。
さらに18年5月には、これも極めて自動化が困難とされる「ろ過」装置の稼働も控える同社。これらの先進的な装置を考案する高い技術力は、取得した3件の特許でも実証されており、また14年7月には水道水質検査における優良試験所規範(水道GLP)、15年2月には製造元の自動装置メーカー㈱テラシステム(熊本市)とともに九州経済産業局から「自動細菌検査装置及び関連装置の開発・事業化」における新連携支援事業にも認定されるなど、同社への信頼性、事業姿勢への評価が高いことは言うまでもない。


従業員の半数を占める女性スタッフ

福利厚生の充実と女性活躍を推進

「単純作業は、速さ、正確さに優れるロボットに任せ、社員はお客様へのサービス提供など、人間らしい仕事ができる体制づくりにシフトしていく。そうすることこそ従業員が安心して働ける職場環境づくりにもつながる」。
常日頃からそう口にしてきた坂本社長。近年では分析業務の自動化で短縮できた労働時間を活用し、外部講師による社員教育を強化しているほか、週2日のノー残業デーや最大9日間のリフレッシュ休暇、年1回の社員旅行なども福利厚生として定着しており、社員の結束力とモチベーションのアップにつながる職場環境づくりが急速に進んでいる。
また3月には女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進に関する状況等が優良な企業について、厚生労働大臣の認定を受けることができる「えるぼし」も取得。女性社員の活躍も全面的にバックアップしていく方針だ。
目指すは「完全無人ラボ」―。絶え間ない努力と熱いチャレンジ精神で、その実現に向けた歩みは着実に進んでいる。

 

【DATA】
所在地/〒812-0863 福岡市博多区金の隈2-2-31
TEL/092-504-1220
FAX/092-504-1523
設立/1973年7月
資本金/4,000万円
事業内容/飲料水検査、水質・土壌・大気分析、ダイオキシン類分析、土壌汚染状況調査
年商/6億1,700万円(17年6月期)
代表者/坂本雅俊
従業員/65人
出先/(事業所)長崎試験所(営業所)佐賀、大分、熊本、北九州
URL/http://www.taihei-esc.com/

【採用情報】
募集職種/営業系、技術系
応募資格/大学院、大学、高専、短大の理系卒者(特に「化学系」を専攻された方を歓迎)経験者歓迎、特に環境計量士で管理経験者優遇、業界未経験OK
担  当/(管理部)龍

(ふくおか経済EX2018年)