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(株)テノックス九州
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競争力の高い独自工法と磨いた技術で海外展開加速へ
基礎工事の分野で30年以上にわたり実績を重ねてきた㈱テノックス九州。地盤の性質や軟弱さから取り扱いが難しいとされる九州でノウハウと技術力を培い、活躍の場を海外にも広げている。さらなる成長を目指し、新工法開発や新規事業創出に力を注いでいる。
韓国支店開設 海外売り上げ拡大へ
建築・土木の現場で構造物を支えるために欠かせない基礎工事。30年以上にわたって九州・沖縄地区でさまざまな地盤と向き合ってきた㈱テノックス九州は基礎工事の専門集団として活躍の場を広げている。
同社では昨年9月に韓国支店を開設。これまでも東南アジアを中心に現地法人や支店を設置して海外展開を進めてきた。地震の影響などから地盤改良による建築基礎工事の需要が高まっているという韓国では、現地企業と協力しながら地盤改良工事のコンサルティングや技術指導を実施。「将来的に自社で工事の受注ができるよう体制を整えたい」と意欲を見せる。今後は売上高の3割ほどを海外売り上げが占めるようウエートの引き上げに取り組んでいく。また、海外展開には「日本式の施工管理技術で海外での基礎工事普及や技術者育成に貢献したい」という思いも込める。昨年11月にはベトナムから技能実習生を受け入れた。「日本と同じ工法や機械が扱える海外人材が将来的に活躍してくれたら」と期待している。
東南アジアでも地盤改良工事でインフラ整備に貢献 |
「テノコラム工法」活躍
同社の主力工法である「テノコラム工法」は攪拌装置で土とセメントを混ぜて固化体を築造することで地盤を改良するもので、建物の基礎としての用途のほか、地質中の有害物質拡散防止など幅広く用いられる。防災意識の高まりから液状化対策として利用する案件も増加。独自技術を生かして軟弱で取り扱いが難しいとされる九州の地盤で実績を重ね、技術力・機械力を強化してきた。
また、「テノコラム工法」は運搬しやすい小型機械と現地調達のセメントでも実施可能で、他の工法と比較すると輸送コストが削減できることから、昨年は離島での工事も増加。このコスト面でのメリットは韓国をはじめ、海外でも優位に立つことができ、国内外問わず競争に対応できる点が強みだ。過去にはシンガポールでの工事で同工法を用い、その後シンガポール国内の開発で施工基準として浸透したことで、海外での適応力に手ごたえを感じたという。
地盤改良工事関連の機械保有台数は九州トップクラス |
環境整備し新たな挑戦へ
最近では、大牟田の炭鉱の岩盤掘削技術からヒントを得て開発した新工法「CCC(チェーンコンベアカッター)工法」についても、営業を強化している。また、昨年からドローンを用いた施工現場支援をスタート。ドローン活用は若手社員の発案によるもので「将来を担う若手の挑戦を積極的に支援。自由な発想と意欲を伝えやすい環境にできたら」と語る。新工法・新事業などの創出にあたっては「会社の柱となり、売り上げにもつながるよう基盤を構築する必要がある」と気を引き締めつつも「新たな試みを抜きに成長は期待できない。常に新しい視点を持てるよう情報収集に取り組む」とする。
社内では働き方改革への対応も急ぐ。現場書類をクラウド管理し、データを一元化。ペーパーレス化により工事部とその他部署とがデータ共有しやすくなり作業効率アップを図る。現在模索しているのが現場のIT化。施工現場をリアルタイムで「見える化」することやテクノロジーを活用した管理体制構築に意欲を示す。時代に合わせた環境整備とともに、新たなチャレンジを積極的に受け入れて実現すべく、努力を続けている。
松尾 弘二 社長
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【DATA】
所在地/〒810-0001 福岡市中央区天神4-1-11 久原本家天神ビル5F
T E L/092-722-1790
F A X/092-722-1794
設 立/1987年12月
資本金/2,000万円
事業内容/ 地盤改良工事、各種杭基礎工事
年 商/46億円(2018年12月期)
従業員/150人
出 先/ 大牟田機材センター、(支店)大分、熊本、 宮崎、鹿児島、沖縄、シンガポール、韓国 関連会社/ ㈱テノックス九州佐賀、テノックス九 州ベトナム、テノックス九州カンボジ ア、テノックス九州ミャンマー
U R L/http://www.tnx.co.jp/
採用情報
募集職種/技術系正社員
応募資格/大学・大学院卒、高専卒、高校卒
採用実績/2019年度3人
採用予定/若干名
問合せ先/TEL.092-722-1793
担当/江島
(ふくおか経済EX2019年)