（株）チヨダ

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オフィス全般のソリューションを新たな成長戦略に

（写真上）山口進社長（左）と山口剛弘常務

強固な顧客基盤を強みに、ユニフォーム納入を主軸としたオフィス全般のソリューションを見据え事業拡大を進めている。3月には「オフィスサポート事業部」も発足。取引先とのアライアンスも活用し事業の可能性を見出すことで、新たな成長戦略の足掛かりを作っている。

独自の納入システムと顧客基盤を強みに

創業60年を超える業界屈指の企業ユニフォーム総合商社として、これまで1万社以上に企業ユニフォームを納入してきた。事務服、医療、サービス、建設、運輸など様々な業種に対応した豊富なレンタルユニフォームを取り扱うだけでなく、刺繍や補正などの加工業務、クリーニング、期間保管機能の全てを自社完結するワンストップサービスの提供、それに仕入れ先との強固なネットワークや長年築いた営業ノウハウ、経験値を強みに安定した顧客基盤を構築してきたチヨダ。ネット通販が台頭する中、あくまで対面営業にこだわり続けるのも、「売って終わり」ではなく、密な関係性から派生する新たな顧客ニーズを掘り起こすため。ユニフォーム納入事業を軸とした「快適で安全な職場環境の創造に貢献する企業」への進化を目指す同社にとって、法人顧客との良好な関係性の維持はいわば生命線とも言えよう。

オフィスコンサルから不動産仲介までトータルサポート

最近は、事業承継などによる経営トップの代替わりに伴い、レガシーシステムからの脱却、そして働き方改革や福利厚生、経営効率化を目指す企業の動きが活発化。それに伴うオフィス全般の課題解決を相談されるケースが増えている。
これを受け3月には「オフィスサポート事業部」を発足。ユニフォーム事業で培った様々なリソースや顧客基盤、またグループ企業である㈱チヨダネットワーク（山口剛弘社長）の事業基盤を生かし、既存顧客の経営効率化やコスト削減、オフィスの最適化に向けたコンサルティングサービスを本格化させている。また新規事業や店舗立ち上げ時のオフィス・テナント物件の紹介から、会社が福利厚生として利用できる賃貸マンションや一軒家の紹介まで、状況に応じた不動産仲介も行うなど、顧客の要望や課題に応じたトータルサポートの展開で、新たな付加価値を生み出そうとしている。

ユニフォームの「良さ」を啓発することも使命に

近年はデザイン性に加え、抗菌・ウィルス対策、さらに空調服やアシストスーツなど、作業服を中心に働く環境に応じた高機能なユニフォームが続々と登場している。ユニフォームには、着る人を「プロ」として自覚させる働きがあるだけでなく、着用することでメンバーの連帯感を高め、仕事へのモチベーションを上げる効果や安心感（帰属意識）をもたらすことが実証されている。そしてユニフォームによって統一された職場は、「規律とやる気」が自然に生まれ、活気に満ちた団体に映ることから、企業ブランドのイメージを変えたり、企業の認知を拡大したりする際に、企業がユニフォームを導入、あるいは刷新することも多い。
一方でテレワークの普及やジェンダー平等への観点から、制服廃止やカジュアル化を推進するケースもでてくるなど、企業ユニフォームに対する価値観の多様化で市場を取り巻く環境は大きく変化している。そんな中、対面営業を通してユニフォームの持つ意味やメリットをしっかり伝えていくことも、市場の活性化に向けて今後チヨダが果たすべき使命だと言えるだろう。

（図）チヨダグループ拠点一覧

【ＤＡＴＡ】
所在地／ 〒815-0032福岡市南区塩原2-7-5
ＴＥＬ／ 092-562-1221
ＦＡＸ／ 092-562-2511
創業／1961年8月
設立／1972年10月
資本金／1,000万円
事業内容／企業ユニフォームの卸売、小売、レンタル
年商／ 18億5,000円（21年7月期）
従業員／47人
出先／（支店）北九州、久留米、飯塚、（物流センター）本社別館、北九州、嘉麻、春日
関連会社／㈱チヨダファクトリー、㈱チヨダネットワーク
ＵＲＬ／ http://www.chiyoda-jp.com/

（ふくおか経済EX2023年）