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(株)タカラ薬局
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薬剤師の専門性と人間力、町内密着型店舗で福岡№1の薬局へ
4月からの診療報酬改定が従来にない厳しさを呈すなか、かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局の評価もフォーカスされている。その中で㈱タカラ薬局は、薬剤師のスキル育成と町内密着型の薬局づくりに力を入れる。専門性と人間力を兼ね備えた薬剤師を柱に、福岡№1の薬局を目指す。
この4月から医療サービスの公定価格、診療報酬が改定された。2025年以降を見据えた「地域包括ケアシステム」構築に向けた事実上最後の介護報酬との同時改定となった節目のタイミング。その内容について、岡村由紀子社長は薬局を取り巻く環境を「小泉政権時代の2002年改定と06年改定を上回る厳しさだ」と指摘する。ただ、その中でも、かかりつけ薬剤師・健康サポート薬局の評価や、ならびに薬学管理や在宅医療等への貢献度による評価・対物業務の適正化などが示された。これは「16年度改定以降、薬剤師の個人能力が発揮できるフィールドが出現してきた」あらわれであり、タカラ薬局でもそれらの制度変更への対応を図っている。
独自研修で薬剤師の専門性高める
そのひとつが「専門性の高い薬剤師育成」。
同社では認定薬剤師の資格取得を基本とし、専門薬剤師資格の取得を奨励。日頃から独自に社内研修を実施しているほか、薬剤師団体が主催する勉強会や研修会への参加を促している。昨年からは東京からのライブ配信による研修も取り入れた。
加えて、学会発表にも積極的に取り組んでおり、社内で公募した複数の薬剤師がチームを組み、例年数題の学会発表をしている。学会発表は元々、岡村社長が現場時代に取り組みだしたものを後輩たちが受け継ぎ、積極的に演題応募が続けられている。
これら自社の薬剤師のスキルアップへの意欲を受けて、岡村社長も「専門性を高めることで、患者さんから信頼されるかかりつけ薬剤師を目指してほしい」と期待を込める。
薬剤師による「健康サポート出張講座」
同時に、岡村社長が強化しているのが自社薬剤師の「町内密着」だ。
「薬剤師一人ひとりが患者さん、地域の方々と繋がりを強く持たねばならない時代になる」との思いから、岡村社長自身が数年前からボランティアなどの形で地域活動に参加。そこで高齢者などから生活に密着した健康相談に応じていた。それがヒントになって今では全社で「健康サポート出張講座」として、同社薬剤師が各地域に出向く活動が活発化している。公民館や集会所に始まり、最近では地域のランドマークとなるような商業施設内でも出張講座を実施するまでになった。岡村社長は「地域の方々から頼られる、親しんでもらえる薬局・薬剤師でありたい」と力を込める。
企業主導型保育園と提携
自社薬剤師に活躍してもらうためにも、就労労働の改善にも注力する。岡村社長は2年前の社長就任以来、店舗訪問を続けており、毎月スタッフの誕生日会も開催。そこで親密な意見交換を行っている。また、60歳以上でも継続勤務ができるよう調整するほか、病気や介護などの事情があった際も柔軟に雇用体系変更を図る。特に女性スタッフに対しては企業主導型保育園と提携するなど環境整備を図っている。
今年度、新規出店2店が決定
一方、店舗展開については、引き続き地域の医療を支える「タウンホスピタル構想」のもと福岡都市圏を中心にエリアをしぼったドミナント出店戦略を継続。今年も既に2店舗の新規出店が決まっている。
新店舗、既存店ともあわせて、薬剤師の人間力と高い専門性を強みとしながら、福岡における№1の「THE タカラ薬局」を目指す。
岡村 由紀子 社長 おかむら・ゆきこ/薬剤師。1969年7月11日生まれ。第一薬科大学卒。趣味は旅行、陶芸、わんこのトリミング。97年にタカラ薬局入社。エリアマネージャー、人事教育部長、取締役、常務などを経て16年4月から現職。地元企業の女性幹部でつくる交流会メンバーでもある |
【DATA】
所在地/〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-25-21 博多駅前ビジネスセンター3F
TEL/092-436-2900
FAX/092-436-2901
創業/1980年5月
資本金/7,700万円
事業内容/薬局、薬店の経営
年商/67億円
従業員/約330人(グループ)
関連会社/㈱タカラメディカル、㈱幸陽堂薬品
URL/http://www.takarapharmacy.co.jp/
【採用情報】
募集職種/薬剤師
応募資格/薬剤師免許取得者、薬科大学卒業予定者
採用実績/2018年度17人
採用予定/2019年度20人
問合せ先/TEL.092-436-2900
担 当/末次
(ふくおか経済EX2018年)