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(株)オーレック
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農業機械メーカーの枠を超え 農業新時代をつくる
(写真)OREC green lab福岡(福岡市中央区赤坂1丁目)
「世の中に役立つものを誰よりも先に創る」精神でオンリーワン・ナンバーワンのものづくりを続けてきた農業機械メーカー。卓越したアイデアとそれをカタチにする技術力で、農業や緑地管理分野において業界初製品の開発を続けている。近年は農業を軸とした新領域を開拓し、持続可能な農業構造を実現する。
持続可能な農業の実現へ
農業現場では高齢化と後継者不足という2つの課題に長らく直面している。国による対策も進められるが、地域側、企業側からの協力がなければ抜本的な対策は実現しないだろう。
オーレックはこれらの課題解決にものづくり分野で貢献する。産学連携で取り組む「My IoTプロジェクト」に参画し、テクノロジー技術を活用し、農家の負担を軽減するため草刈機の自動運転化に向けた研究開発を進めている。
これまでも斜面用草刈機「スパイダーモアー」、あぜ道を刈る二面草刈機「ウイングモアー」、乗用草刈機「ラビットモアー」、水田用除草機「ウィードマン」など業界にない革新的な製品を生み出してきた。「開発には現場体感重視」という今村健二社長の強い思いがあり、農業体験で得た現場の声を製品開発に反映、潜在的なニーズをつかむことによって従来にない領域を開拓し、今日の市場創造に繋がっている。「世界的な食糧危機と言われる中、安全な水が豊富にある日本農業が果たす役割はますます大きくなっている。近年の技術革新が農業就労人口減や高齢化など課題解決の一つになる」と今村社長。旧知技術と融合した製品開発とともに、農業機械メーカーの枠を超えた新たな活動を模索する。
(写真上)農家さんとの交流を通して製品化に反映 (下)250冊の書籍を揃えるライブラリー |
生産者と消費者をつなぐ
農と食を発信する都市型ブランド発信拠点として2019年10月、福岡市中央区赤坂に「OREC green lab福岡」を開設した。
農薬不使用のお米を用いた「お米ラテ」など素材からこだわったオリジナルドリンクを提供するカフェを併設し、2階のライブラリーには農や食、ものづくりに関する書籍約250冊を揃える。3階はワークショップイベントなどを開催。コロナ禍で自粛していたイベントは徐々に再開し、この春には地元農家の農薬不使用野菜を販売するマルシェの開催などを企画し、農を通じて食を見つめなおす機会を提供する。
OREC green lab福岡の開設と同時期に有機農業の普及を目指し、社内に「有機ワーキンググループ」を立ち上げた。ここでも現場体感を重視し、現場の労力、作物の品質、売り先を解決するための有機農業を研究しながら、OREC green lab福岡を通して生産者と消費者を繋ぐ交流の場を創出している。
さらに、CSR活動の一環として、中山間地の耕作放棄地を活用するプロジェクトや地元小学校の農業体験授業、絶滅危惧Ⅱ類に指定されているエツの生態系保護と河川の景観維持を目的とする「筑後川河川敷ヨシ刈りボランティア」に参加するなど、環境負荷の少ない農業を通じて持続可能な社会づくりを支援する。
コロナ禍で対面に制限がある中でもeラーニングによる研修、教育体制を充実させ、今後は地域や就活生向けにもオンライン工場見学など新様式にも対応する。どんな領域においても、常に変化と進化を問いかけ、食や健康、環境、ITという農に関するステージで挑戦を続ける。
今村健二 社長 いまむら・たけじ/久留米市出身、1952年7月5日生まれの68歳。明治大学工学部機械科卒。座右の銘は「百見は一感に如かず」 |
【DATA】
所在地/〒834-0195 八女郡広川町日吉548-22
TEL/0943-32-5002
FAX/0943-32-6551
創 業/1948年10月
設 立/1957年7月
資本金/9,500万円
事業内容/緑地管理機 農業機械製造販売
年 商/136億円(2020年6月期)
従業員/385人
関連会社/Orec America, Inc.
URL/http://www.orec-jp.com/
採用情報
募集職種/開発職、営業職、社内SE職
応募資格/2022年卒業見込み
採用実績/2021年度13人
採用予定/9人
インターンシップ/随時開催
年間休日/120日
問合せ先/TEL.0943-32-5072
担 当/経営総合部人事グループ
※中途採用有、HP上の採用情報をご覧ください
(ふくおか経済EX2021年)