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(株)アキラホールディングス
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創業105周年、〝顧客第一主義〟の気持ち新たに
アキラグループの中核を担う㈱アキラ水産が今年「創業105周年」を迎えた。ホールディングス制を導入して今年4年目を迎えた㈱アキラホールディングスだが、グループ6社の特性を生かした多角的事業を積極的に展開。新たな魚食ツールの在り方と「福岡発ブランド水産物」の付加価値向上に努めている。
福岡の台所「福岡市中央卸売市場」を舞台に、鮮魚仲卸地場トップの地位を確立してきた㈱アキラ水産(上田浩祐社長)。今年で「創業105周年」を迎えた同社のルーツは、現在も「博多の台所」として人気の高い柳橋連合市場の前身「明市場」(1918年開設)から由来している。
安部泰宏代表取締役CEOの祖父・栄次郎氏が創業し、連日多くの客が市場を埋め尽くし、ごった返していた記憶が今も鮮明に残っているという。「喧噪の中にあって、客は次々と風呂敷を差し出してくる。祖父たち仲買人たちはトロ箱から魚をスコップですくい、直接風呂敷に移す。〝はい、〇〇銭!〟と言われた客は代金を支払い、風呂敷を受け取る。実に豪快なやり取りで、店内は瞬く間にカラのトロ箱が積みあがっていった」と安部代表取締役CEOは当時の光景を笑顔で説明する。
原価に近い値段の魚は、客からも大好評だった。これは「箱儲け」(積み上がったカラ箱の買取賃分だけの儲け)として、その後も息づいていく。実は、この手法がアキラ水産グループの原点であり、経営DNA「顧客第一主義」「薄利多売」の始まりでもあった。
時代は昭和から平成、令和へと移り変わり、消費者ニーズも多様化する中、2020年1月には仲卸地場大手の㈱アキラ水産を中心に、仲卸の㈱コウトク物産と㈱安部水産、塩干物販売の㈱一心、仲卸・加工販売の㈱アキラ・トータルプランニング、仲卸・冷凍物販売を手掛ける㈱四季海 のグループ6社持ち株会社として「㈱アキラホールディングス」を設立。以降、グループ体制強化から4年目を迎え、さらなる〝海産物のエキスパート〟として鮮魚介類の仲買や加工・販売など多角的な事業を展開しており、グループ各社の特性を生かした新たなビジネスモデル構築を追求し続けている。
(写真)同社の通販サイト「アキラ市場」で販売する「天然真鯛の鯛茶漬け」。「アキラ市場」ではこのほか、ギフトセットや明太子、一夜干しセットも購入できる(https://www.akirasuisan.co.jp/shop/) |
ISO・FSSC22000認証取得でブランド強化
その流れで2021年9月、㈱アキラ水産を含む㈱コウトク水産、㈱安部水産、㈱一心、㈱四季海 のグループ5社が食品安全マネジメントシステムの国際規格「ISO22000」認証を取得。さらに、22年には食品衛生管理システムの国際規格「HACCP」の上位版に位置付けられる「FSSC22000」認証取得に向けた取り組みを行っている。
認証取得は今年5月を予定しており、「FSSC22000認証を取得することで、鮮魚および水産加工品に対するブランド化戦略の強化、取引先に対する信頼度向上を図っていく。将来的には博多から直接〝福岡ブランド〟の水産物を輸出していくことが目標。食品安全の取り組みは当然ながら、独自の販路開拓など新たな魚食ツールの在り方と付加価値を創造していきたい」と安部代表取締役CEOは意気込む。
2008年から開催され、今や地元市民に愛されている魚市場開放イベント「市民感謝デー」も定着。近年では外国人客の姿も見られるなど話題にも事欠かない。また、16年秋に開設した通販サイト「アキラ市場」も好評を維持。主力商品「アキラの鯛茶」や「あきらめんたい」をはじめ、一夜干し、ギフトセットなどを取り揃えている。創業以来、一貫して「顧客第一主義」を掲げ、〝鮮度と安心安全〟を追求するアキラグループ。今も昔も変わりなく、「九州・福岡」の食ライフを支え続ける。
安部 泰宏 代表取締役CEO あべ・やすひろ/福岡市中央区出身。1939年3月29日生まれの84歳。福岡大学付属大濠高校卒。全国水産物卸組合連合会副会長および九州地区水産物卸組合連合会会長、福岡市鮮魚仲卸協同組合理事長、福岡魚食普及推進協議会会長を兼務。地場経済界に広く交流を持ち、2004年7月に福岡城西ロータリークラブ会長。05年4月に藍綬褒章、11年6月には旭日双光章を受章。福岡商工会議所では14年11月から6年間副会長を務めた。趣味はゴルフ |
【DATA】
所在地/〒810-0072 福岡市中央区長浜3-11-3-701
TEL/092-711-6601
FAX/092-715-3293
創 業/1918(大正7)年
設 立/2020年1月
資本金/4,850万円
事業内容/アキラグループ各社への経営指導、不動産賃貸
売上高/126億円(グループ)
従業員/107人(グループ)
関連会社/㈱アキラ水産、㈱コウトク水産、㈱安部水産、㈱一心、㈱アキラ・トータルプランニング、㈱四季海鱻
URL/https://www.akirasuisan.co.jp
(ふくおか経済EX2023年)