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遠隔みまもり看護(株)
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「見守り」から「看護り」へ。あなただけのプライベート看護師
24時間の遠隔看護りサービスを展開する遠隔みまもり看護㈱では、IoTを駆使して約50人の看護師、助産師、保健師が在宅勤務で看護るしくみを構築している。昨年9月にはアメリカにも看護師チームを発足するなど飛躍を続ける同社。「あなただけのプライベート看護師」をコンセプトに挑戦を続けている。
遠隔モニタリングで看護師が24時間みまもり
超高齢化社会を支える医療の中心となった在宅医療だが、看取り先の確保や医師・看護師の不足、訪問看護師の労働の限界など課題は山積みだ。「少子高齢化により、今後医療を提供する側の人材が足りなくなっていくのは確実。危機感を持ち、いち早く対策をとる必要がある」と青木比登美社長は話す。
同社では、在宅で働く約50人の看護師、助産師、保健師がネットワークを構築し、オンライン体制での看護りサービスを展開している。療養者の自宅に生体センサーやテレビ電話付きロボットなどを設置。遠隔モニタリングの仕組みで24時看護り、異常があった際には迅速に訪問看護師に連絡する。青木社長は「デバイスはあくまでもツール。『現場でしかできないこと』と『遠隔からサポートできること』に役割分担し、当社にしかできないサービスを提供していく。『あなただけのプライベート看護師』として患者の人生に寄り添いたい」と思いを語る。
(写真)看護師、助産師、保健師の在宅のネットワーク |
ライフステージに合わせて切れ目なくサポート
オンライン対応の専門チームは幅広く、看取りを含む在宅療養者や新型コロナウイルス感染者の療養サポートを手掛ける「看護師チーム」、不妊相談や妊娠、出産、育児まで寄り添う「助産師チーム」、成人病予防、健康寿命延伸に関する相談アドバイスを手掛ける「保健師チーム」と、ライフステージに合わせたサポートを切れ目なく提供。また、受診などの際に患者に付き添い、医療者と患者や家族の思いの橋渡し役となる「メッセンジャーナース」の認定資格取得者も増えており、相談対応に応じている。
さらに、ITリテラシーの知識やコーチングスキルの教育など徹底した人材育成にも取り組んでおり、青木社長は「サービスの要を担うのは人。新規採用の基準も高く設定し、看護りのプロ集団としてサービスを提供していく」と語る。
アメリカに海外支部を設立多様な働き方を提供
また、オンラインで働ける仕組みを活用し、昨年9月にはアメリカオレゴン州を中心に看護師チームを発足。海外にいながらも日本の看護師資格を生かした働き方ができるという、「国境を越えた働き方改革」を実現している。日本とアメリカの16時間の時差を生かし、日本の夜勤帯をアメリカチームが補うことで、24時間対応の体制をさらに強化。また、多言語対応になったことで外国人へのサービス提供も可能にした。
青木社長自身も、九州大学医学部付属病院での勤務のほか、透析・内科クリニックで看護部長の経験がある医療従事者だ。日本には、医療現場を離れた潜在看護師が70万人以上いると言われており、「この潜在看護師が在宅医療業界を救うカギを握る。多様な在宅の働き方を提供し、2025年までには200人のチーム体制を目指したい」と意気込みを語る。
今後は、医療従事者の確保が厳しい限界集落や離島、また老人ホームなどの施設との連携も強化し、さらなる展開拡大を計画する同社。現場の訪問看護師を支える「第二のナースステーション」として、在宅医療業界に革新をもたらす。
青木比登美 社長 あおき・ひとみ/福岡市出身。1966年9月9日生まれの56歳。九州大学医療技術短期大学部看護学科卒業後、九州大学医学部付属病院に勤務。専業主婦を経て、2010年市内の透析・内科クリニックの開院に看護部長として携わる。11年コールセンター管理職に転職。16年に起業、22年7月遠隔みまもり看護㈱社長就任 |
【DATA】
所在地/ 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東1-12-17 オフィスニューガイア博多駅前3階
TEL/ 050-5443-1448
設立/2021年3月
資本金/650万円
事業内容/「遠隔みまもり看護」サービス、「かかりつけ助産師」サービス、「かかりつけ保健師」サービス、「メッセンジャーナース」事業、新型コロナウイルス感染症陽性者の自宅療養サポート
従業員/49人(パート含む)
URL/ https://m-kango.jp/
採用情報
募集職種/システムオペレーター(看護りスタッフ)
応募資格/看護師免許取得者
問合せ先/TEL.050-5443-1448
担 当/山内
(ふくおか経済EX2023年)