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西日本プラント工業㈱
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創業55周年を新たな人材育成の年に
電力供給には不可欠である火力・原子力・地熱発電所の建設や保全を手がける、九州電力グループ会社の西日本プラント工業㈱。
同社の事業は、電力会社からの付託工事が全体の約80%を占めており、創業以来半世紀にわたり、エネルギー産業の一躍を担う中核企業として、電気の安全供給を支え続けている。また、今日では、企業の自家発電設備や新エネルギー、環境設備の分野にも積極的に進出しており、昨年3月、独自の防錆コーティング(溶射)を本格的に展開するため100%出資の専門会社「㈱プラズワイヤー工法」を設立。従来のメッキや塗装に対して数倍の耐久性、防錆効果を実現した環境に優しい溶射技術の開発などで、新しい分野への業務を拡大している。
福岡市中央区高砂1丁目の9階建て本社
大型発電所建設計画に伴い人材確保を強化
発電所を中心としたプラント事業は堅調に推移しており、同社の09年3月期売上高は、前年並みの500億円を見込んでいる。同社では、今後計画されている大型発電所の建設に対応するため、中長期的な視野で、人材の確保に注力する。要員については、全社員数の1割にあたる200人以上の増加を見込んでおり、08年度から積極採用を進めている。発電プラントの発電機・電動機・受配電設備や、それらを制御する各種装置の据付・保全工事を行う「電気技術者」、発電プラントのボイラー・タービン・周辺機器や、それらを結ぶ配管の据付・保全工事を行う「機械技術者」、そのほか溶接・放射線管理など「専門技術者」、「事務職」の計100人を毎年採用していく方針だ。メキシコ・ベトナム・ヨーロッパ・中東などへの技術指導者として、積極的に社員の派遣を実施しており、九州を基盤として日本全国から海外まで活躍の舞台は幅広い。
同社を牽引する石井拓社長は「成長と発展を続けていくためには、“人材”が最も大切な資産であり、すべての経営活動の源泉となる。安心して働ける環境づくりを推進して、充実した福利厚生制度を整えていく」と生涯福祉のビジョンを掲げる。昨年7月には、「人財開発部」を設立し、教育推進の組織体制を充実している。さらに、同日付で9条から成る教育憲章を制定し、「人を生かし、人を伸ばし、人を育てる」企業であり続ける理念に基づいた教育システムを構築。技術の進展や成長に合わせた教育を提供するほか、資格取得に向けたサポート体制を整え、社員個人の能力を高める。経営層をはじめ全社員が、教育の目的や教育成果の活用法などを明確にして、安定性、成長性のある人材登用を確立している。
みやま市高田町の社員研修所
福岡県みやま市に社員研修所を建設
また、ハード面では、昨年9月、福岡県みやま市高田町に約6億円かけ建設していた社員研修所が完成し、今後見込まれる要員の拡大や技術力向上のニーズに応えている。研修所は3階建てで、延床面積約2700㎡。設備は、機械系・電気系それぞれの研修室や、大中講義室、PC教室、溶接・ループ配管・足場解体などの屋内実習エリアを完備。社員100人規模の集合教育や、社員や協力会社を対象とした技術基本教育(電気・機械・溶接)が可能なり、より一層の技量アップを図り、一級品のエンジニアを養成していく。
創業55周年を迎え、今年を「新たな人材育成元年」と位置づける西日本プラント工業㈱。09年度はOJT(職場指導)を実施するため、具体的な教育・訓練計画を策定するほか、5Sの徹底に積極的に取り組んでいく。同社の社員を大切にする姿勢は、企業の力となる優秀な人材を育て、将来にわたり、電力の安定供給になくてはならない重要な役割を果たしている。
石井 拓 社長 大分県日田市出身、1942年2月15日生まれの67歳、上智大学経済学部卒、65年、九州電力入社、97年大分支店長、00年経営企画室長、03年常務、05年6月西日本プラント工業㈱社長に就任、趣味は日舞、小唄、読書、ゴルフ、音楽鑑賞 |
企業DATA
【所在地】〒810-8540福岡市中央区高砂1-10-1
【TEL】092-533-1702
【FAX】092-533-1750
【創業】1954年5月
【設立】1954年5月
【資本金】1億5000万円
【事業内容】火力・原子力発電所の建設・各種プラント設置・メンテナンス
【年商】497億1000万円(20年3月期)
【代表者】石井拓
【従業員】2030人
【出先】(支店)東京関西九州(営業所)長崎沖縄(事業所)小倉新大分玄海原子力川内原子力他19
【関連会社】(出資)九州電力<85%>九電工<15%>
【URL】http://www.npc21.jp
採用情報
●募集要項:技術系、事務職
●採用実績:08年度約100人、09年度約100人
●問合先:TEL092-533-1702
●担当:採用係
(ふくおか経済EX2009年)