FEATURE

ふくおか経済EX 2012

福岡県NPO・ボランティアセンター


企業とNPOをつなぐ協働のキーステーション

企業とNPOが互いの知恵やノウハウを提供し合う「協働」。そのキーステーションとして企業の社会貢献活動をサポートし、福岡の「新しい共助社会づくり」をけん引している。

協働のきっかけづくりを

福岡県では、2008年4月に「新社会推進部」を設立し、NPO・ボランティアと企業、行政などが一体となって地域の課題に対し知恵や力を出し合い協働により、地域力を向上させる「新しい共助社会づくり」を積極的に進めている。協働への理解を深めるための情報発信や、社会貢献活動にかかわる相談に応じる福岡県NPO・ボランティアセンターでは、これまで多くの協働を創出してきた。企業の社会貢献意欲が高まる中、NPOとの協働の周知を図ることが同センターの使命として、現在は企業へのアプローチに注力している。12年1月に県内4地域で「ふくおか協働キャラバン」を、2月には「ふくおか協働フォーラム」を福岡市と北九州市で開催した。さらに情報誌「Con te」、NPOと企業や行政が相互交流できるWEBサイト「ふくおか協働ひろば」、そしてフォーラムなどのイベント、これらの企画や活用により、これまで手掛けてきた協働の活動経緯や内容、今後の展開について当事者の経験談を交え紹介することで、協働のきっかけづくりに取り組んでいる。また実際に企業とNPOが出会う場を提供するため、面談会の開催や、案件ごとの仲介など、協働への一歩を後押ししている。

2月に福岡市内で開催された協働フォーラム

自分サイズの支援をつなぐ

最近、プロボノという言葉をよく耳にするが、福岡県は「ふくおか かつぎて けいかく」という愛称で、独自の取り組みを開始した。
プロボノとは仕事上の経験や技術を活かしてNPOを支援する新しいボランティアのかたち。社員の積極性や創造性を高める効果などから、一部の企業では社員研修に位置付けるなど、首都圏の若手社員を中心に広がりを見せている。
この流れをつかんだ福岡県は、現在進めている70歳現役社会づくりの取り組みや、理工系大学の学生数が全国トップクラスといった本県の特性を生かして、NPOを支援する人財を学生から高齢者までに広げた。本年1月には専用のホームページを設置し、広く県民の参加を呼び掛けている。

企業成長に貢献する事業型NPO

新サービスの創出や新たな業界への進出など、企業が事業拡大のためのビジネスパートナーとして注目しているのは、社会的課題解決の活動にビジネス手法を取り入れる事業型NPO。県は一般社団法人SINKaとの協働により、「事業型NPO育成事業」として、より自立的かつ継続的に活動を維持できるよう、セミナーや専門家の指導によるマネジメント向上や事業計画のブラッシュアップをサポートしている。12年5月には金融機関や企業向けのビジネスプラン発表会と融資や協働につなげる面談会を開催し、マッチングの機会を設ける。
今後、社会的サービスを先駆的に提供する事業型NPOは、地域社会だけでなく企業成長にも大きく貢献していくだろう。

 

企業DATA
所在地 〒812-0046 福岡市博多区吉塚本町13-50 福岡県吉塚合同庁舎5階
TEL 092-631-4411
FAX 092-631-4413
URL http://www.nvc.pref.fukuoka.lg.jp/

(ふくおか経済EX2012年)