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福岡倉庫㈱
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「社会の役に立つ」を理念に65周年
新たな物流サービスの具現化進む
地場大手物流の福岡倉庫は今年で創業65周年。創業者の「社会の役に立つ」という遺志を今に受け継ぐ。箱崎ふ頭の大型施設は規模を拡大し、新しい物流サービスを具現化。社員サポートも充実し、「働きやすく競争力ある会社」を実践する。
オープン当初の規模を大幅に拡大させた福岡市東区箱崎ふ頭4丁目の「箱崎ふ頭ロジスティクスセンター」
昨年度、「交通事故ゼロ」「労災事故ゼロ」を達成
「社会の役に立つ」ということを理念に、創業者・富永シヅ氏によって立ち上げられ、今年で65周年を迎える地場大手物流企業の福岡倉庫㈱(福岡市東区多の津2丁目)。
現在は倉庫業、貨物運送、引越し事業などを展開し、国内各地に拠点を設置している。加えて、海外引越事業のために中国・北京や上海、ベトナム・ハノイなど海外にも現地法人を構えている。
その同社が2012年度、「交通事故ゼロ」「労災事故ゼロ」という長年掲げてきた目標を実現させた。
物流業者として安全に対する取り組みは日頃から力を入れてきたものであるが、「ゼロ」ということに関して言えば、この10年間では初めての達成となった。
毎年の年末には安全運転ドライバーを表彰するなどして社員への安全意識の浸透をおしまない同社だが、富永太郎社長は「顧客からの物流品質の向上の要請や社会的な飲酒運転撲滅の機運の高まり、それらに加えて社員それぞれの意識変革、これらが相乗効果をもつことによって達成できた」と分析する。また、これら「交通事故ゼロ」「労災事故ゼロ」は、あくまでひとつの実例であり、「顧客に対するサービス全般の改善というものが、引き続き同様になされていく」と語る。
物量増加で大型施設「箱崎ふ頭ロジスティクスセンター」を規模拡大
福岡倉庫は2008年3月、福岡市東区箱崎ふ頭に大型物流施設「箱崎ふ頭ロジスティクスセンター」をオープン。トラックの乗り付け箇所や建物全体の内部機能も当時で最新のものだったが、中でもそれまでの同社にはなかった4階建て・延べ床面積約1万3500㎡という大型の規模が最大の特徴だった。
それから5年が経過して取り扱う物量も順調に増加した結果、現在ではその規模が約2万500㎡に拡大している。
同センターにおいては、精密機械メーカーの共同物流を実行しており、顧客の物流コストの低減ならびにCO2の削減にも寄与している。
富永社長は「当初の想定通り、倉庫の規模的な制約で従来提案できなかった新しい物流サービスを具現化している。今後もBCPの対応や環境負荷の低減を踏まえた物流サービスの開発を検討していきたい」としている。また、5年後の同社創立70周年の時に新たな大型倉庫の建設も見据えながら、中期計画を設定していく考えだ。
社員の働き方を多様な制度でサポート、一時抑制の新卒採用も復活
社内では、65歳までの雇用確保や産休・育休制度の実施、育児のための短時間勤務制度の導入など社員の多様な働き方をサポートしている同社。ここ数年は一時的に退職する社員数が減少したために、新卒採用を抑制していた。しかしながら、ここにきて、採用活動も従来の状態に戻している。
一方、東京、大阪といった大都市圏においてはアルバイトの確保が厳しくなっていたり、協力会社のトラック運転手が集まりにくいといった現象が顕著になってきているという。その中で、富永社長は「社員とともに、働きやすく、競争力のある会社を模索していきたい」と意気込みを見せた。
富永 太郎(とみなが・たろう)社長 福岡市出身。1972年9月23日生まれの40歳。学習院大学卒。趣味はゴルフ、ヨット |
〈企業DATA〉
所在地 〒813-0034 福岡市東区多の津2-9-8
TEL 092-611-6151
FAX 092-621-2373
URL http://www.fukuokasoko.com
創業 1948年10月
設立 1948年10月
資本金 1億円
事業内容 倉庫、貨物運送、引越
年商 97億円(12年12月期単体)
代表者 富永太郎
従業員 240人
出先 (倉庫)福岡7(陸運)国内7(梱包輸送)国内7、海外3
関連会社 富永エンタープライズ㈱、㈱福岡運輸ホールディングス、福岡運輸㈱、福岡運輸システムネット㈱、横浜海運㈱、㈱沖縄エンタープライズ、札幌定温運輸㈱、北海定温運輸㈱
〈採用情報〉
募集職種 総合職(現場管理職)
応募資格 H26年度卒業見込み(大卒)
採用予定 10人
問合せ先 TEL.092‐611‐6151
担当 本社総務人事課まで
(ふくおか経済EX2013年)