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照栄建設(株)
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3カ年計画スタート100年企業目指して組織力強化へ
地場ゼネコンとして福岡のまちづくりを支える照栄建設㈱。2021年に50期を迎えるのを前に、業績拡大に向けた営業強化とその先を見据えた人材育成に力を注ぐ。人材不足や定着率に悩む建設業者が多い中、社風を生かした採用と教育体制でその課題をクリアし、次代を担う人材の活躍の場を創出する。
創立50周年に向けて営業強化
1972年の創立以来、赤字なしの堅実経営で強固な経営基盤を築いてきた。小さな事務所に社員6人で創業した同社は今や地場ゼネコントップクラスの売上高、施工実績を誇るまでに成長。「時流に乗るべし」という社訓のもと、建設業界を取り巻く周囲の状況に素早く対応しながら、半世紀の間で着実に規模を拡大していった。
創立50周年を見据えた3カ年計画が今期からスタート。公共工事や自社マンション建設など進行し、安定した業績の維持が見通せるものの、さらなる業績拡大に向けて営業強化に励んでいる。また、経営方針のひとつとして掲げる体質・財務の強化を実現すべく、自己資本比率引き上げと無借金経営の継続にも取り組む。
人が集まる会社づくりを
建設現場の多くは人の手による作業に支えられている。同社では人材育成を最重要課題とし、「人が集まる会社」を目指した環境整備に力を注いでいる。
採用においては冨永社長が会社説明を担当し、経営理念や企業風土に共感する人材を採用することで入社時からベクトルをそろえてミスマッチを防いでいる。施工管理職のみを募集しているが、建物が完成するまでの一連の過程を知り、進行状況や安全を管理して現場を回していく力を全員が身につけることで、その他の業務でも現場の状況を理解した提案や対応が可能になる。
入社後は施工管理職を経て営業、積算、設計など専門職階へ。キャリア形成に必要な資格取得を推奨し、一級建築士受験は全面的にサポートする。リーダー教育の対象は課長クラスから主任クラスまで拡大。各部署単位でのスムーズな承継が実現するよう、将来を見据えた教育の体制を整えている。また、多角的な視点から適正な評価ができるよう設計した評価制度も始動している。
採用、育成、評価の3点を軸に体制を強化したことで、その成果は数字としても表われている。離職率は1%以下、平均勤続年数は20年以上と定着率が高い。平均年齢も39.8歳で、社員の半数近くが30代以下。1人あたりの完工高は1億円を超えている。「選手層が厚い常勝軍団にはファンも増えるように、会社の組織も活躍できる人材の層が厚くなくてはならない」と冨永社長。活躍のための環境づくりと教育の機会の創出が会社、経営者の仕事と考え、若手社員との対話にも時間をかける。
(写真左)施工管理職のみを採用し、全員が現場を理解する力を身につける (右)充実した研修で成長をサポート |
チーム力を高めて100年企業へ
各個人が成長し、最大限に能力を発揮するためにはチームワークも欠かせない。意欲や能力に合わせた人員配置でプロジェクトに挑んでいく。「役員クラスも物件の内容を知っている立場として引き渡しに出向く。全員の顔が見えることも信頼につながっていくのでは」といい、物件の規模を問わずに、冨永社長自身も地鎮祭や引き渡しに足を運んで顧客とじかに向き合う。「人が集まる会社になることで顧客からも選ばれる会社にしたい」と表情は明るい。
創立50周年をひとつの節目に目標を掲げる同社だが、「100年企業として生き残るための体力と今後の承継を考えた体制構築をしている」と見つめるのはさらにその先。半世紀かけて培ってきた信頼と、成長し続ける人間力で未来を拓いていく。
冨永 一幹 社長 とみなが・かずもと/春日市出身。1969年6月14日生まれの50歳。福岡大学大学院人文科学研究科教育臨床心理学専攻修士課程修了。2005年4月社長室長として照栄建設㈱に入社。07年7月取締役社長室長、16年4月から総務部長を兼任。17年7月から現職。趣味は読書(歴史小説)、プラモデル作り |
採用情報
募集職種/施工管理職
応募資格/
高校、高専、専門学校、短大、大学、 大学院卒
採用実績/2020年度5人
採用予定/5人程度
問合せ先/TEL.092-566-1249
(ふくおか経済EX2020年)