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正晃ホールディングス(株)
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新体制で次なる新中期経営計画スタートへ
中期経営計画での目標だったグループ年商1000億円突破も2期前倒しで達成した。試薬販売を核に、ライフサイエンスや理化学機器の販売、医療・研究のためのIT関連などを手がける学術研究・医療分野の総合試薬商社として、着実な歩みを続ける。今年7月からスタートする新中期経営計画には新たな布陣で臨む。
7月から新体制で新たな目標にチャレンジ
2018年に策定した中期経営計画が6月期で終了する。ここ数年来の新型コロナの影響から検査機器や診断薬などの需要増という特別要因はあったものの、既存業務である総合試薬販売が堅調だったことからグループ年商1000億円突破の大きな目標は3期目でクリアした。そして次なる目標に向けて着々と準備が進む。新たな中期経営計画がスタートする7月からは、グループ内の営業全般を統括する印正俊副社長が正晃ホールディングスと中核の正晃㈱の社長に昇格。印正哉社長は代表取締役会長兼CEOとして新体制を大所高所から見守る。「まずは中核会社である正晃の舵取りに力を注いでほしい。そして社是である『ヒューマンカンパニー』を忘れずに社員の幸せ、会社の幸せを第一義に考えてほしい」と期待する。
正俊副社長も「祖父、父が築き上げてきた正晃をしっかりと成長させていきたい。そのためにも基本ビジネスである学術・医療向けの試薬・診断薬販売のさらなる深化を図っていきたい」と決意を示す。
(写真)レンタルラボ |
高付加価値の新たなビジネスが具体化
正晃ホールディングスは、創業70余年の歴史を持つ日本最大の総合試薬ディーラー・正晃㈱(福岡市)を中核に、ライフサイエンスの専門総合商社・㈱バイオテック・ラボ(東京都)、試薬卸の㈱フロンティア・サイエンス(北海道石狩市)、竹内化学㈱(和歌山市)、医療・研究分野でIT関連事業を展開する正晃テック㈱(福岡市)、不動産管理の正晃エステート㈱(福岡市)の6社が連なる。
2016年の持株会社制に本格移行後は学術研究・医療分野の総合試薬販売をベースに、新たなビジネス創出に向けた動きが加速する。例えば検査部門に特化した病院向けのSPD(院内物流管理システム)では、診断薬や試薬、消耗品の発注管理から在庫管理までを一元的に管理することで物流業務とコスト管理業務の効率化に貢献する。
レンタルラボ事業では先行する首都圏での動きも好調で、この4月には九州大学伊都キャンパスそばの「いと Lab+」の研究開発棟内にレンタルラボを開設した。関連するラボや研究室の設計・設備移設サービスにも注目が集まる。大学病院や研究施設などには、精密理化学機器や冷凍サンプルなど細心の注意が必要な物品が数多く、各種試薬や理化学機器を取り扱うプロの視点と蓄積したノウハウを活かして着実に実績を積み重ねている。
このほかITソリューション事業部では数多くの経験とニーズの蓄積をもとに専門性の高いソフトを提供する。特に病理検査業務支援や心エコーレポーティングなどの各種業務支援システムは、国内においても高いシェアを誇り、医療・研究分野のIT化に貢献する。
ビジネスやサービスの多様化が進む中、新しい動きを迅速・的確にキャッチし、各セクションでの情報共有化は重要だ。マネジメント企画開発室を中心に管理、営業、業務などの垣根を越えて社内体制の強化を図っており、正晃グループ全体の関連性を深化させ、全社員一丸となって次なる目標にチャレンジする。
印 正哉 社長(左) いん・まさや/福岡市出身。1954年2月23日生まれの69歳。福岡大学商学部卒。76年正晃化学薬品㈱に入社。85年常務、88年専務、91年社長(現任)。2015年に正晃HD㈱社長 印 正俊 副社長(右) いん・まさとし/福岡市出身。1982年9月9日生まれの41歳。福岡大学商学部卒。2006年に正晃入社。15年執行役員、16年取締役執行役員、18年常務、20年4月に副社長 |
【DATA】
正晃ホールディングス㈱
所在地/〒813-0062 福岡市東区松島3-34-33
TEL/092-621-8199㈹
FAX/092-611-4415
設立/2015年4月
資本金/1,000万円
正晃㈱
所在地/〒813-0062 福岡市東区松島3-34-33
創業/1950年9月
設立/1955年3月
資本金/5,000万円
事業内容/基礎研究試薬、体外診断用医薬品、化学工業薬品、理化学機器、医療用機器等の販売、コンピュータおよび関連ソフトウェアの開発・販売
年商/725億円(2022年3月期)
従業員/約508人
URL/https://www.seikonet.co.jp
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(ふくおか経済EX2023年)