FEATURE

ふくおか経済EX 2013

桜十字グループ


6月、医療と福祉が融合した地域密着型の複合施設が開業

急性期病院の後方支援病院としてはもちろん、高齢者の方がより安心して医療を受けられる環境を―。これを実現する複合医療施設が渡辺通りに間もなく開業する。テーマは「医療と介護の連携」。地域医療の先進事例としてその期待は高まる一方だ。

家族と地域、安心と「つながる」を支援

熊本市に本部を置く桜十字グループ(西川朋希代表)の医療法人福岡桜十字が、運営する友愛病院(福岡市博多区住吉1丁目)の移転先として、天神南の渡辺通沿いに建設中の複合医療施設「桜十字メディカルスクエア」が、いよいよ6月に開業する。
13階建ての同施設は友愛病院から名称変更する「桜十字福岡病院」を中核とする医療フロアと、介護老人保健施設、デイケア、リハビリ、それに医療機関併設型としては珍しい住宅型有料老人ホーム「ホスピタルメント福岡天神」(11~13階、運営・㈱桜十字)からなる介護フロアで構成。急速に高齢化が進む中、まさにこれから求められる「医療と介護の連携」を同一ハードで実現させたモデル施設として、地域住民の期待はもちろん、介護事業者や医療関係者にとっても、先進事例としての動向に大きな注目が集めている。
「生活の安心・安全を支える医療サポートからお客さまの毎日に彩りを添えるイベントまで、家族と地域、安心と『つながる』をテーマに、ご自身らしく暮らしていただける家を目指す」と抱負を語る福岡桜十字の今村博孝理事長(兼友愛病院院長)。天神地区という好立地ゆえ、何よりアクセスが良好なことによる家族の物理的、心理的な“近さ”は、大きなメリットだ。

スタイリッシュで落ち着いた雰囲気が特徴の人間ドッグの待合室(左)と専用ラウンジ 

快適で安心なドック・健診環境を整備

その一方で、施設のもう一つの役割りとして位置付けているのが、検診などの予防医療事業である。その象徴とも言えるのが、2階にある人間ドック・健診エリアだ。ここでは最新設備による高精度な診断と検査結果の即時性を追求。さらに放射線診断学を専門とする今村院長を担当チーフとする経験豊富な医療スタッフによる万全の検診・フォロー態勢によって、安心してドックを受けることができる。
また待合室などの内装は、受診者が心身ともにリラックスできるよう、空間全体がスタイリッシュデザインによる落ち着いた雰囲気となっているほか、吹き抜けの3階から1階エントランスを見下ろしながら食事ができるドック利用者の専用ラウンジを設けることで、快適、かつゆったりとした時間を過ごせるよう工夫されている。

カフェの設置で施設をもっと身近な存在に

1階のエントランスホールの一角には、近年のカフェ・ブームの仕掛け人として知られる山本宇一氏がプロデュースするカフェが開業する。その狙いとしてあるのは、療養環境の向上という点はもちろん、「街中のカフェとして誰もが気軽に訪れるスペースを確保することで、施設をより身近な存在にしたい」という同グループの強い想いだ。開放的なエントランスに馴染む洗練されたカフェは、病院らしい重々しい雰囲気は感じられず、ビジネスマンが一人でもふらっと立ち寄れそうな癒しの空間が広がる。ここでは健康に配慮したフードメニューの提供のほか、エントランスと一体となったイベントなどを定期的に開催していくことも計画しており、幅広い層に向けた来館者アップへのアプローチとして大きな期待を寄せている。
真に地域に根差した施設として、そして福岡のこれからの地域医療をリードする新たなモデルケースとして、多方面から注目を集める桜十字メディカルスクエア。完成はもう間もなくだ。

〈企業DATA〉
医療法人福岡桜十字
所在地 〒812-0018 福岡市博多区住吉1-1-5
TEL 092-271-3300
FAX 092-271-0101
URL http://www.yuai-hp.or.jp/
創業 1973年4月
設立 1982年12月
理事長 今村博孝
事業 友愛病院(内科、循環器内科、消化器内科、神経内科、放射線科、リハビリテーション科)のほか、介護老人保健施設友愛苑、友愛苑通所リハビリテーション、友愛訪問看護ステーション、友愛病院ケアプランサービス、友愛ヘルパーステーションなどの運営
従業員 370人

ホスピタルメント福岡天神(準備室・問い合わせ先)
TEL 092-283-8805
URL http://www.hospitalment-tenjin.jp/

(ふくおか経済EX2013年)