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新栄住宅㈱
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設立40周年で築き上げた安心と信頼のアンピールブランド
昨夏完成した「アイランドタワー スカイクラブ」。2008年度グッドデザイン賞を受賞し、福岡の新しいランドマークに相応しい称号を手にした |
分譲マンションで九州初のGマーク
福岡市の未来を担い、日々刻々と姿を変えるアイランドシティ。この未来都市の一角に、42階建ての超高層トリプルタワーマンションがひときわ高くそびえ立つ。地場大手マンションデベロッパー・新栄住宅㈱が建設した「アイランドタワー スカイクラブ」は、昨年夏に完成。昨秋には2008年度グッドデザイン賞を受賞し、分譲マンションでは九州初の栄誉を手にした。まさに福岡の新しいランドマークに相応しい称号といえよう。
総戸数409戸の分譲も7割超えたが、モデルルームには今日も見学者が訪れている。その一方では、入居を終えた住民たちが緑豊かな環境のなかでマンションライフを満喫している。
ソフト面でも先進のサービス
同社では、1月30日から入居者を対象に共用設備見学会を開催した。3日間で9回開いた見学会には、延べ60組以上で200人を超える入居者が参加。初日は報道陣も同行し、屋上へリポートやスカイガーデン内部、地下の免震装置などを視察した。
世界初の「3棟連結の免震制振構造」など、ハード面で話題を集めた同マンションだが、ソフト面にも目を見張るものがある。例えば、1階の防災センターには無数のモニターが並び、プライバシーを守りつつも、マンション内外の要所を監視。管理人の帰宅後も警備員が常勤し、24時間体制で安全を確保している。
また、地下には生ゴミ処理槽を設置し、周囲の環境に配慮した隠れた設備に驚かされる。話題の専用ドッグランの傍らにはペット専用の足洗い場を設置しており、住む人の視点から考えた細かい配慮がうれしい。他にもシアタールーム、フィットネスルーム、茶室や展望ラウンジなど、共用施設を取り上げれば切りがない。ソフト面でも卓越したサービスで、快適なマンションライフを約束している。
見学会の参加者は普段は簡単に入れないマンションの裏側を興味深そうに見入り、設備の充実ぶりに感嘆の声を上げていた。
防災センターで担当者の説明に聞き入る見学者たち |
40周年キャンペーンで在庫一掃
今年2月に設立40周年を迎えた同社。2月7日からは「アンピールマンション40周年“ありがとう”キャンペーン」を実施。400万円キャッシュバックという前例のない思い切った戦略を打ち出し、在庫物件を一掃。不動産不況のなかで、消費者の心を完全につかんだ。ただ、こうした展開も40年間で築き上げた安心と信頼がなければ成り立たなかっただろう。
同社は1月末現在で139棟、8,824戸を供給し、県内トップの供給実績を誇る。その95%が福岡経済圏で占められ、地元福岡に密着した事業展開で、安心と信頼のブランドをコツコツ築き上げた。
開発される物件は、ミセスの視点で極めた先進性と洗練されたデザインにより「アンピール」ブランドとしてステイタスを確立。デザインに限らず、ハード・ソフトの両面で常にマンション業界を一歩リードしてきた。キャンペーンの成功は、40年間で積み上げてきた実績の上に成り立っている。
地道な戦略でバブルを生き抜いた猛者
世界的な金融危機に伴う景気の悪化は、不動産業界にも大きな影を落としている。地元福岡でも不動産業者の経営破たんが続き、まるでかつてのバブル崩壊期を見るように淘汰が進んでいる。
同社は、そのバブル崩壊を生き抜いてきた数少ない存在でもある。バブル期の教訓を生かし、資金調達では愚直なほどに堅実な道を貫いてきた。すなわちコツコツと地道に自己資本を積み上げ、その信用を基に融資先の銀行から資金を調達。多くの業者がファンドによる資金調達で業績を飛躍的に伸ばすなかでも、この魅惑的な調達手法に木庭社長が首を縦に振ることはなかった。
また、投資目的の物件には一切目を向けず、あくまでも住む人の視点に立った住まいを供給してきた。地場企業が次々に首都圏市場を目指すなかでも、地場企業としての責任を果たすべく、アフターフォローを含めた住まいの供給を固守した。物件の大半が福岡都市圏に集中していることが、その姿勢を裏付けている。地道な道を歩んできたからこそ、今日があるのかも知れない。
次の展開見据え確実な布石
福岡都市圏を中心にマンション供給を続けてきた同社だが、消費の冷え込みから、この1年間は新規物件の供給を控える方針という。しかし、すでに次の展開に向けた布石は打っている。筑紫野市の天拝山駅近くには、マンション用地を取得。すぐ近くに大型SC「イオンモール筑紫野」が出店した利便性の高い立地で、「今後の市況と建設コストの状況を見ながら、着工時期を考えている」と言う。
また、熊本市千葉城町にも用地を確保し、県外では久しぶりの開発に乗り出す。このため昨秋には子会社のマンション管理会社の支店を開設。アフターフォローも含め、着々と準備を進めている。さらに、その先にはアイランドシティの2期計画も控えている。福岡の将来を担う未来都市で、また新たな展開を見せてくれるだろう。
住宅業界にも不況の波が押し寄せていることは否めない。しかし、その一方では住宅ローン減税や金利の下落など消費者に有利な条件が整いつつある。高騰を続けた建設コストも、原材料を含めて下落傾向を見せ始めている。「住宅購入には絶好のチャンスが訪れている」と同社長。同社の1〜3月の契約実績がそれを裏付けている。次のステップに向けた布石を打ちながらも、40年間住宅市況を見続けてきた確かな目で、攻勢に転じる時期をじっと見据えている。
木庭 兌 社長 1935年11月9日生まれの73歳。福岡県山門郡瀬高町出身、県立山門高校卒。東峰住宅産業から独立し、70年新栄住宅㈲を設立。80年から「アンピールマンション」の販売を開始。02年9月に早良区城西から現在地に本社を移転。県内供給実績トップを誇る企業に成長させた |
企業DATA
【所在地】〒810-0041福岡市中央区大名2-11-25
【TEL】092-762-7711
【FAX】092-762-7710
【創業】1970年2月
【設立】1970年2月
【資本金】4億8,000万円
【事業内容】マンション分譲・販売、マンション・ビル賃貸事業
【年商】92億4,194万円(08年9月期)
【代表者】木庭兌【従業員】72人
【出先】(賃貸アパート)筑紫野市、博多区、南区、北九州市
【関連会社】㈱新栄地建、新栄総合管理㈱、㈱ラティエル
【URL】http://www.empire-mansion.com
(ふくおか経済EX2009年)