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新栄住宅㈱
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経営革新遂げ、都市圏戦略を加速するマンション業界の雄
老舗デベロッパーとしてバブル崩壊もリーマンショックも生き抜いた新栄住宅㈱。
40周年を機に総合不動産業に転換し、経営基盤は厚みを増した。次代に向けた世代交代も果たし、実績と信用に新たな手法を加えて福岡都市圏での開発を加速する。
(写真上)「アンピール熊本城」のリビングからの景観予想図
(左下)長崎県大村市の「上駅地区第一種市街地再開発事業」の完成予想図。右側の建物が「アンピール大村ステーションツリー」
(右下)アイランドシティーのランドマークともなった「アイランドタワースカイクラブ」(08年8月完成)
県外で花開くアンピールブランド
長崎県大村市の中心市街地活性化の中核事業としてJR大村駅前で進む「上駅通り地区第一種市街地再開発事業」。地場大手マンションデベロッパー・新栄住宅㈱は、その再開発エリアに14階建ての分譲マンション「アンピール大村ステーションツリー」を建設している。再開発組合の要請を受けて進めているもので、市街地再開発にかかわるマンション開発は同社で初めて。福岡都市圏を中心に141棟9000戸を供給してきた実績と信用は県外にも聞こえ、白羽の矢が立ったといえよう。
一方、熊本市千葉城町でも注目のプロジェクトが動き出した。「アンピール熊本城」は都心に徒歩で行ける立地で、周囲には幼稚園から高校まで揃う文教地区に位置する。緑豊かな環境で眺望にも恵まれ、400年の歴史を持つ日本三名城と調和したデザインはその名に恥じない重厚な佇まいを見せてくれることだろう。
ミセスの視点で極めた先進性と洗練されたデザインで、信頼と安心のブランドを確立した同社。不滅のアンピールブランドが、県外でも花を開き始めた。
4本柱軸に総合不動産業に転換
バブル崩壊、リーマンショックを生き抜き、老舗デベロッパーとして福岡のマンション業界を常にリードしてきた同社だが、10年2月の創業40周年を機に4本柱を軸とした総合不動産業への転換を打ち出した。
その後、賃貸事業では熊本市中心街の店舗付立体駐車場やワンルームマンション、県内ではイオン大野城SC(旧大野城サティ)の大型立体駐車場などを次々に取得。昨夏には福岡市内の40室のファミリーマンション「サンセーヌ唐人町」を取得し、収益基盤を着実に積み上げている。
また、子会社の新栄総合管理㈱と連携した管理事業では、前期中に管理戸数が5000戸を超えた。大規模改修やリフォームなど新たな事業にも力を入れる方針で、経営基盤は厚みを増し、経営革新は着実に進んでいる。
250人の出席者を前に就任の挨拶を述べる木庭社長(右) |
福岡都市圏のマンション開発を加速
総合不動産業への転換を進める一方で、昨年6月には経営トップが交代。不滅のブランドは次世代へと引き継がれた。9月に開いた会長・社長就任披露パーティーには、髙島宗一郎福岡市長、谷正明福岡銀行頭取など地元政財界トップや取引先など約250人が出席。挨拶に立った木庭律明社長は、各事業の現状と課題、今後の方針に触れ、激変する経営環境下で経営を継承し、時代に対応して勝ち抜いていく決意を述べた。
その後、不動産流通事業では今年3月に初の不動産ビジネスセミナーを開催し、新たな展開を見せ始めた。一方、マンション開発では開発前に徹底した市場調査を実施し、子育て世代の生の声を住まいづくりに反映するなど新たな手法も披露した。
そのマンション開発では県外プロジェクトが続いていたが、今後は福岡都市圏での動きを加速する。JR東郷駅前の宗像市田熊地区では「アンピール東郷駅前」が始動。その後もJR柚須駅近くの粕屋町仲原地区、佐賀県鳥栖市のJR弥生が丘駅前と注目のプロジェクトが続く。
4本柱を軸に新たな顔を見せ始めた同社。来春に向けて4年ぶりとなる新卒採用にも乗り出す。福岡都市圏で加速するマンション開発の新たな展開に注目が集まる。
木庭 律明 社長 こば・のりあき/1969年10月14日生まれの42歳。福岡市出身。日本大学文理学部卒。95年5月同社に入社。主に開発畑を歩み、2001年4月取締役開発部長。04年10月副社長に昇格。11年6月社長に就任 |
企業DATA
所在地 〒810-0041 福岡市中央区大名2-11-25
TEL 092-762-7711
FAX 092-762-7710
URL http://www.empire-mansion.com
創業 1970年2月
設立 1970年2月
資本金 9,600万円
事業内容 マンション分譲・販売、不動産・住宅の流通・仲介、ビル事業・賃貸管理
年商 36億3,600万円(11年9月期)
代表者 代表取締役社長 木庭律明
従業員 41人
出先(賃貸事業物件)福岡市中央区、西区、南区、大野城市、筑紫野市、熊本市
関連会社 ㈱新栄地建、新栄総合管理㈱
(ふくおか経済EX2012年)