FEATURE

ふくおか経済EX 2009

愛和学園 愛和外語学院


実践的な語学教育で日中交流の架け橋

近隣小学校との交流は10年以上になる

福岡の日本語学校の草分け

外国人学生が日本の大学や専門学校に進学するためには、授業を理解できる日本語能力が必要で、入試合格の上に日本留学試験が課せられている。同校は1991年の設立以来、20年近く留学生に日本語教育を実践。卒業総数は1,271人を数え、福岡の日本語学校の草分けとして多くの留学生の夢を果たしてきた。
ここでは中国を中心とした約350人の留学生が学ぶが、入学を希望する学生は後を絶たない。阿部理事長は「今は定員348人が満杯状態で、今秋の新入生を受け入れるために定員の増員を申請している」と話す。増員数は94人。日本語教育振興協会認定校として培ってきた実績と信用が認められてこそ、実現可能な数といえよう。

コミュニケーション重視のユニークな教育方針

その教育理念は「国際相互理解の認識のもとに、外国語を分かりやすく効率的に学ぶ」というもの。すなわち、言葉の原点のコミュニケーションを重視し、地域交流や学外見学などを積極的に実践。生きた日本語の習得の上、日本文化に対する知識を深めるための課外授業も積極的に取り入れている。
例えば、近隣小学校とは相互の授業参観や合同行事などで交流を深めて10年以上になる。そのユニークな教育方針は、地域社会からも温かく受け入れられている。

日中双方から厚い信頼

福岡を中心に全国の有名私立・国公立大学に優秀な留学生を毎年輩出。推薦枠を持つ指定校は地元中心に7校を数え、信頼の厚さを物語る。
一方、中国でも絶大な信頼関係を確立している。もともと設立に当たっては、中国側の関係者からのバックアップもあった。こうした背景から大連市と瀋陽(しんよう)市に事務所を設置し、毎年中国から多くの留学生を受け入れている。07年10月には瀋陽市から福岡県の企業誘致代表として委任を受けたが、長年の実績や信頼関係なしにはあり得なかっただろう。
学校運営の一方で、不動産の㈱愛和地所を経営する同理事長。実業家の視点から「今後は企業との関わりを深め、ビジネスに必要な専門的な日本語習得を目指したい」と話す。日中交流の架け橋として、その夢は語学教育に止まらず、大学卒業後の進路まで含めた未来に広がっている。

阿部 浩二 理事長
1954年11月5日生まれの54歳。福岡市出身。87年11月に㈱愛和地所を設立し、社長就任。91年10月に大学進学を目指す外国人のための日本語学校の愛和学園 愛和外語学院を設立し、理事長に就任した。趣味はクルージング

 

企業DATA
【所在地】〒812-0054福岡市東区馬出1-15-37愛和ビル
【TEL】092-632-6748
【FAX】092-632-8540
【設立】1991年10月
【事業内容】日本で大学進学を目指す留学生のための日本語学校
【学生数】定員数348人(認定)
【卒業生数】1,271人
【代表者】理事長阿部浩二校長石崎文彬(九州大学名誉教授)
【教員数】専任教師10人、非常勤教師31人、事務局及び生活指導6人
【出先】(瀋陽事務所)瀋陽市瀋河市府大路262号甲(大連事務所)大連市中山区人民路23号
【関連会社】㈱愛和地所
【指定校推薦枠】立命館大学、中村学園大学、立命館アジア太平洋大学、梅光学院大学、 福岡女学院大学、九州情報大学、九州国際大学
【URL】http://www.aiwa.ne.jp

(ふくおか経済EX2009年)