FEATURE
室町ケミカル㈱
Tag:
チャレンジ精神で突き進め!
急成長遂げる医薬品、化学品メーカー
10年5月期売上高23%増の43億円見込む
医薬品、化学品メーカーの室町ケミカル㈱(村山哲朗社長)は「チャレンジと実現化の努力」を標榜し、急成長を遂げている。2010年5月期売上高は前期比23%増の43億円を見込む。
飛躍的に成長を遂げる要因として、新規事業の貢献はもちろん、若手社員を中心に社員一人ひとりに積極的にチャンスを与え、マンパワーで邁進することが挙げられる。 「私自身、チャレンジやワクワクすることが好きで仕事を続けている。チャレンジには失敗がつきものだが、失敗にめげず、さらに前へ、前へ進むためにも、次のヒット商品、幹になる事業を生み出す経験をより多くの社員に経験してもらいたい」と村山社長は力を込める。
次に、今後の展開に期待が寄せられる新規事業で樹脂コンパウンド事業の「開発部」と2010年5月期の売上高に大きく貢献した商事部門の「営業2課」を紹介する。
3月に完成した樹脂コンパウンドの新工場。今後は1カ月に2、3トンペースで生産していく |
3月に新工場を稼働し、期待高まる樹脂コンパウンド事業
昨年12月、同社にまた1つ新たな事業部が誕生した。プラスチック原料に機能性を持たせるため、さまざまな添加剤を練り混ぜて作ったプラスチックの混合物「機能性プラスチック樹脂コンパウンド」を開発・製造する「開発部」だ。
同部は、製造スタッフ1人、営業スタッフ1人、研究スタッフ2人と計4人で日々、奮闘している。メンバーは「できないという言葉の前に、体が自然に動き出す行動的なメンバーが集まった」と互いに爽やかな笑顔で語る。
機能性プラスチック樹脂コンパウンドは、プラスチック材料にユーザーニーズに合わせた機能(耐熱性・透湿性・経済性・軽量化等)を付加するもので、幅広い産業において必要不可欠な技術で、今後の需要が大きく見込まれる。
数年前から、トヨタ自動車九州㈱のサプライヤーとして、トヨタ車のフロントグリルやエンブレムなどに使用する自動車用樹脂めっき部品を生産してきた同社。同事業は、樹脂めっきのノウハウと90年以上にわたり、医薬品、化学品メーカーとして蓄積した独自の技術力でもって、さらなる技術革新への挑戦でもある。
3月には本社敷地内に樹脂コンパウンドの新工場が稼働した。今後は1カ月に2、3トンペースで生産していく。
事業立ち上げから約3カ月。開発部リーダーは印象深かった出来事として「お客さんがぽつりと言った問題点を数カ月にわたって解析を繰り返し、原因を究明した時に“一緒に仕事がしたい”という言葉を頂いた。お客様が望むことをお客様が望むタイミングで提案する重要さを改めて気付かされた」と振り返る。
すでに、雑貨・産業資材メーカーに販売実績を持ち、今後は医薬部外品メーカーなどへすそ野を広げていく計画だ。
インフルエンザ、風邪ウイルス対策商品に続く第2弾商品は、花粉症対策用マスク、スプレー。薬局などで販売する |
市場ニーズを的確につかみ、活躍する商事部門
日本全国で新型インフルエンザが猛威をふるった昨今、市場ニーズをいち早く的確につかみ、健闘したのが商事部門の「営業2課」だ。
昨年10月、酸化チタン光触媒事業の㈱ティオテクノ(森繁章社長)と、インフルエンザ、風邪ウイルスをカットする光触媒マスク「ティオガードマスク」を共同開発するほか、自社で、長時間の除菌効果があるという銀ナノコロイドを含有した「菌断スプレー」を開発した。同社が販路を持つ北海道や関東、中部、九州の薬局で販売するほか、ホームセンターなどからも予約が殺到し、ヒット商品となった。
3月には、㈱ティオテクノとの共同開発商品第2弾として、花粉症対策用マスク「花粉ガードマスク」、自社開発の花粉対策用携帯スプレー「花粉ナノシールド」を発売した。「花粉ガードマスク」は、マスク表面に光触媒加工を施し、表面に付着した花粉を酸化作用で殺菌する機能に加え、アレル物質の働きを抑制する特殊溶液を使用した。「花粉ナノシールド」は、1回あたりのスプレー噴射で約5nm(ナノミクロン)の銀ナノコロイドが噴霧し、アレルギー原因となるスギアレルゲン、ダニアレルゲンなどを低減する。
いずれも、本業で技術、実績を併せ持つ同社だからこそ成せる技だ。同部の緒方宏昭次長は、メンバーいわく「いつもどこからか、面白い商材を見つけてくる」と言われる目利きで、現在、数点の商材を検討中だという。緒方次長は「今後会社の重要な柱となる部門に育てたい」と語る。
次なる目標は株式公開
2005年からスタートした6カ年の中長期計画「10‐50計画」で、2010年度までに売上高を10億円から50億円に引き上げるという目標に向け、全社員一丸となって駆け抜けてきた。最終年度を迎える来年度、その実現はより明確となった。
次なる指針は、売上拡大路線から、利益面を重視し、人材教育を中心とした内部体制の強化に照準を置く。その先に見据えるのは株式公開だ。「“my company”から“our company”とすることで、次世代に夢を描けるステージを用意したい」と村山社長。同社のさらなる快進撃が始まろうとしている。
商事部門を担当する「営業2課」(写真左から)緒方宏昭次長、金子剛士さん、川野信行さん、横大路邦彦さん |
企業DATA
所在地 〒836-0895 大牟田市新勝立町1-38-5
TEL 0944-41-2131
創業 1917年1月
設立 1947年7月
資本金 6,000万円
事業内容 医薬品一般製造、健康食品の製造販売関連、イオン交換樹脂の処理関連など
年商 43億円(10年5月期見込み)
代表者 村山 哲朗
従業員 198人(社員164人、パート34人平成22年3月15日現在)
出先 (支店)東京 関連会社天洋社薬品㈱、室町ロジスティック㈱
URL http://www.muro-chem.co.jp/
採用情報
募集職種 営業職
応募資格 大卒以上(卒業後1年以内)
採用実績 09年度1人、10年度10人
採用予定 11年度10人
問合せ先 総務課
担当 井内・角
(ふくおか経済EX2010年)