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室町ケミカル㈱
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株式公開実現に向けた再チャレンジをスタート
(写真上)全社一丸となってチャレンジと実現化の努力を体現
(写真下)井戸水や水道水から高純度の純水を製造する自動純水装置「Muromac Pure」
2015年度からの中期経営計画では、17年の創業100周年を売上高100億円達成で迎える「チャレンジ100×100」プロジェクトを始動。同時に株式公開の実現に向けて、組織体制づくりにも着手。新たなステップに向けた一歩を踏み出している。
創業100周年に向け、新たな事業の柱を育成
明治時代に創業者である村山英之氏の父・有奏氏が目薬の製造・販売を始めたことをルーツとして、1917年に家庭薬の「大洋商店」を創立。2017年には創業100周年を迎える室町ケミカル㈱。創業の礎であり、中核である医薬品事業、ゼリー剤形を中心に製品企画に強みを持つ健康食品事業、イオン交換樹脂・分離膜を中心とした水処理(化学品)事業の3つの基盤事業を中心に成長してきた。しかし、「近年は売り上げ構造が変化しており、従来の柱である事業が永続する保証はないという意識を持って事業展開を進めている」と村山社長。その言葉通り、ペット向け機能性食品、機能性接着剤、AdBlueの3事業を育成事業と位置付け、新たな柱へと育てていく方針だ。加えて、新規事業として医薬品合成、中国での水処理、インキ・微分散の3分野へのチャレンジもスタートしており、「ひろがる、ケミカル」をスローガンとした新たな可能性の拡大に取り組んでいる。
「ウコンゼリー」をはじめとした自社ブランド商品 |
全社一丸となり株式公開への再チャレンジを決意
創業100周年に合わせた株式公開を目指し、子会社の経営統合やM&Aによる組織体制の強化を図ってきたが、その中で発生した債権処理や先行投資の負担が重なり、一旦は白紙に戻した。しかし、「株式公開の目的やスケジュールを理解し、1つのベクトルへ向かう」というテーマを掲げ、昨年10月にIPOキックオフ大会を開催。幹部社員だけでなく、全社員が一丸となって突き進むという、より一層強い決意のもとに、株式公開へ再チャレンジすることを決定した。
まずは中期経営計画「チャレンジ100×100」の中身を掘り下げ、各部門が何をすべきか明確にすることで17年度売上高100億円という大きな目標に挑む。そして企業の成長性が確かなものになったタイミングでの株式公開を見据えていく方針だ。
将来の幹部を育てる室町ケミカルビジネススクール |
チャレンジと実現化の努力を徹底
「会社を存続させることを目的にした株式公開や、世襲による事業承継はしない。そのためにも“人財”が不可欠」と思いを語る村山社長。その言葉が表わす通り、将来の幹部を育てる「室町ケミカルビジネススクール」や、若手社員が成長戦略を立案する「未来会議」の開催など、次世代を担う人材の育成に取り組むことで、しっかりと経営のバトンをつなぐ準備も進めている。
今年度は「ステップアップのための我慢の時間」とし、14年にM&Aした東進ケミカル㈱(埼玉)をはじめ、大牟田工場、つくば工場でも新たな事業に向けた設備投資を計画し、営業スタッフの増員による取引先の拡大、新たな拠点開設の検討など、大きく飛躍するための強固な地盤を整備する。「ここまで成長してきたのは、地道な活動と変化に対応したチャレンジの結果。だからこそ、中期経営計画においてもチャレンジと実現化の努力を徹底していきたい」と力を込める。創業以来、途絶えることなく紡がれてきた「チャレンジ精神」は、無限大の可能性とともに次の100年へ脈々と受け継がれていく。
村山 哲朗 社長 むらやま・てつろう/福岡市出身、1953年4月18日生まれの62歳。福岡大学薬学部卒業後、薬局勤務を経て、83年天洋社薬品工業㈱(現・室町ケミカル㈱)入社。開発部長、専務を経て97年4月から代表取締役社長。趣味はスキー、読書、ゴルフ。好きな言葉は“チャレンジ” |
企業DATA
所在地 〒836-0895 大牟田市新勝立町1-38-5
TEL 0944-41-2131
FAX 0944-41-2133
創業 1917年1月
設立 1947年7月
資本金 6,000万円
事業内容 イオン交換樹脂処理、健康食品製造販売、工業用薬品・医薬品製造販売、給排水処理装置製造設計など
年 商 47億3,000万円(2015年5月期)
従業員 267人
関連会社 天洋社薬品㈱、室町(上海)商貿有限公司、東進ケミカル㈱
URL http://www.muro-chem.co.jp
採用情報
募集職種 (大学卒)営業職、技術職
応募資格 営業職/大学卒、全学部全学科
技術職/機械・化学系
採用予定 6人
問合せ先 TEL.0944-41-2131
担当 総務課 角
(ふくおか経済EX2016年)