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九州電力㈱
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太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギー開発で環境問題に対応
(写真)メガソーラー大牟田発電所完成イメージ図
九州電力㈱は、地球環境問題への対応、国産エネルギー活用の観点から、風力・太陽光・水力・地熱などの「再生可能エネルギー」の積極的な開発、導入拡大を進めている。
従来から取り組んでいる水力、地熱発電に加え、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電なども積極的に推進していく考えで、2017年度までに設備量で、再生可能エネルギー全体では431万kW、そのうち太陽光及び風力については、それぞれ100万kWの導入を目標に取り組む。
メガソーラー大牟田発電所の建設に着手
太陽光発電に関しては、大牟田市新港町の「港発電所」跡地に、九州最大となる同社初のメガソーラー(大規模太陽光発電システム)建設に着手した。
「メガソーラー大牟田発電所」の敷地面積は、福岡市のヤフージャパンドームとほぼ同じ広さの約8万㎡。今年1月15日に本建設工事の安全祈願を行い、同日から土地の整備工事を開始した。太陽電池本体については4月から順次設置し、10月から試運転、11月の営業運転開始を目指している。
全自動無人運転で、出力は3000kW、年間の発電電力量は約320万kWhで、約2,200戸の家庭が昼間に使う電気をまかなうことができ、年間で約1,200トンのCO2排出抑制効果を見込んでいる。
メガソーラー大牟田発電所は、同社初のメガソーラー開発地点であり、建設や運用等を細かに確認しながら進めていく必要があることなどから、メガソーラー設置が可能な同社遊休地のうち、同社本店(福岡市)から近い港発電所跡地を第1地点として選定した。
また、メガソーラー大牟田発電所以降のメガソーラー開発計画については、同社遊休地での開発を念頭に、開発規模や時期などについて検討を進めているところである。
長島風力発電所 |
鹿児島県長島町で風力発電稼働中
風力発電に関しても、グループ会社の㈱九電工と共同で事業会社・長島ウインドヒル㈱を設立、08年10月に「長島風力発電所」の営業運転を開始した。「長島風力発電所」は、定格出力2,400kW、タワーの高さ70m、風車直径92mの国内最大級の国産風車21基を備えた総出力50,400kWの九州では最大規模の風力発電所である。年間の発電電力量は一般家庭約3万世帯分にあたる約1億kWhであり、年間約4万トンのCO2排出量削減を見込んでいる。
熊本県の苓北火力発電所で木質バイオマス混焼を実施
熊本県天草市の苓北発電所では、同社初となる木質バイオマス混焼を実施する。これは国の補助事業である「平成21年度林地残材バイオマス石炭混焼発電実証事業」の採択を受けたもので、石炭を燃料とする苓北火力発電所(総出力140万kW)で、未利用森林資源である国内林地残材等(立木を丸太にする際に出る枝葉や梢端部分、森林外へ搬出されない間伐材等、通常林地に放置される残材)を利用した木質バイオマス混焼事業だ。
2010年度に木質バイオマス混焼用の設備を新設し、同年度末からチップ化された林地残材等を発電所で受け入れ、既存の石炭払出コンベアに払出し、石炭と共に微粉炭機で粉砕しボイラで混焼する方式。木質バイオマスの混焼量は、最大で年間1万5000トン(石炭との重量比1%程度)で、2014年度まで実測データを取得して国に報告する。その間、設備に対する適用性評価および木質バイオマス燃料調達における経済性や輸送面を含む調達安定性等も検証する。
木質バイオマス混焼概念図 |
企業DATA
所在地 〒810-8720 福岡市中央区渡辺通2-1-82
TEL 092-761-3031
創業 1951年5月
設立 1951年5月
資本金 2,373億円
事業内容 電気事業
年商 1兆5,241億円(09年3月期連結)
代表者 眞部利應
従業員 12,465人
出先 (支社)東京 (支店)北九州、福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島
関連会社 ㈱九電工、西日本プラント工業㈱、九州通信ネットワーク㈱ 他
URL http://www.kyuden.co.jp/
(ふくおか経済EX2010年)