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九州産業大学
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北島 己佐吉
九州産業大学 学長
きたじま・みさよし/福岡県出身、1951年生まれの71歳。九州芸術工科大学(現九州大学)芸術工学部卒業後、日産自動車㈱に入社。同社デザイン本部企画デザイン部長、デザイン戦略室長を経て、2003年4月に九州産業大学芸術学部デザイン学科教授。21年4月から学長。趣味は釣り、ガーデニング
(写真)プロの世界vol.8「人形師 中村信喬展」(2022年9月17日〜11月27日) 九州産業大美術館にて開催
文理芸融合、産学連携の研究成果を披露
建学の理想「産学一如」を原点に、「実践力、熱意、豊かな人間性」を備えた人材を輩出し続ける九州産業大学。今や9学部21学科、短期大学部1学科、大学院5研究科を有する総合大学に発展し、これまで約13万人の多彩な人材を送り出してきた。
過去2年間のコロナ禍で教育・研究に対する環境や認識が大きく変化し、「ウィズコロナ社会」に対応した大学運営や教育研究の在り方などの仕組みづくりに注力。特に、対面とオンライン双方で受講できる「ハイフレックス型」授業が定着し、学生や教職員の教育研究活動も活気を帯び始めた。昨年からは「AI・データサイエンス」や「SDGs」、「グローバル化」をテーマとした学問が過熱化。「世の中の自然やテクノロジーなどが大きく変わる時代で、何事にもチャレンジできる学修の在り方を今後も追究していく。昨年8月にはIR推進室を設置し、学生の学修行動や知識・能力の獲得状況、大学に対する満足感などを調査。学生の力を丁寧に把握することで、教育の向上に努めたい」と北島己佐吉学長は意欲を見せる。
同大学では2030年までの中期計画「文理芸融合のグローバル総合大学へ」をスローガンに、学部の垣根を越えた横断的カリキュラムの拡充を推進。約340人の専任教員が多岐にわたる分野の研究に取り組んでいる。その象徴となるのが、今年11月3日・4日に開催する「KSU VISION DAY 文×理×芸=展」だ。新商品の開発や地域振興等の先進的なシーズを紹介する「研究シーズ発表会」を拡充したもので、7000倍の倍率でカラー画像が得られる世界初のカラー電子顕微鏡の開発に加えて、在宅用歩行訓練ロボットの開発や機能性表示食品の開発支援などの研究事例を紹介。また、商品開発やプロモーションなど企業や行政との連携で地域課題を解決する「KSUプロジェクト型教育」やボランティア活動を含めた、特色ある教育事例を展示する。さらに、大学と産業界が直結した産学連携によるマッチング事例を紹介することで、同大学の新たな魅力発掘のツールとして大きな期待を寄せている。
「期間中は全129もの教育研究成果を『見える化』する。これを機に企業担当者や学生、教職員の相互交流を積極的に行い、共同研究の推進や研究成果の事業化につなげたい。こうした独自の取り組みがブランド化し、九産大飛躍の新たな推進力になることを信じている」。北島学長の新たな「解」を作り出すチャレンジャーとしての一歩を踏み出すメッセージだ。
(写真右上)カラー電子顕微鏡「FL-SEM」および新規蛍光色素の開発
(右中央)食品開発研究会 6次化&フードロス低減
(左下)福岡トライアスロン2022「ペットボトルキャップアート」
(右下)水溶性新規蛍光色素の合成に関する研究
DATA
所在地/〒813-8503 福岡市東区松香台2-3-1
TEL/092-673-5050
開学/1960年4月
学部/国際文化学部、人間科学部、経済学部、商学部、地域共創学部、理工学部、生命科学部、建築都市工学部、芸術学部
短大/造形短期大学部
大学院/国際文化研究科、経済・ビジネス研究科、情報科学研究科、工学研究科、芸術研究科
学生数/1万580人(学部:1万138人、大学院:136人、造形短期大学部:306人)(2022年5月現在)
教員数/339人(2022年5月現在)
(ふくおか経済2022年11月号FACE)