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TheFace2021

九州産業大学


北島 己佐吉

九州産業大学 学長

きたじま・みさよし/福岡県出身、1951年生まれ。九州芸術工科大学(現九州大学)芸術工学部卒業後、日産自動車㈱に入社。同社デザイン本部企画デザイン部長、デザイン戦略室長を経て、2003年4月に九州産業大学芸術学部デザイン学科教授。21年4月から学長に就任。趣味は釣り、ガーデニング

文理芸融合のグローバル総合大学へ

建学の理想「産学一如」を原点に、「実践力、熱意、豊かな人間性」を備えた人材を輩出し続ける九州産業大学。今や9学部21学科、短期大学部1学科、大学院5研究科を有する総合大学に発展し、これまで約13万人の多彩な人材を送り出してきた。今年4月、第15代学長に就任した北島己佐吉学長は「約2年間にわたるコロナ禍の影響で教育・研究に対する環境や認識が大きく変わり、良い意味で学生・教職員ともに既存の価値観を見直す機会となった。今後は〝ポストコロナ〟に向けた新たな大学運営、研究教育の両面で新たな仕組みづくりを積極的に取り組んでいく」と意欲を見せる。
2016年度から3年かけて実施した「文・理・芸」学部再編と教育改革が結実し、19年度志願者数が23年ぶりに2万人を突破。就職率も99%を超えるなど高水準を維持してきたが、20年度志願者数はコロナ禍の影響で約1万9400人に減少。「本学は九州で唯一、文系・理工系・芸術系の学部を備えた総合大学。30年までの中期計画『文理芸融合のグローバル総合大学へ』を掲げ、地域と学際をテーマにした活力ある共創協働をさらに強化する。多様な知の領域を発掘し、新たな地域創造ブランドを確立すれば志願者数2万人回復は可能」と北島学長は強調する。
特に、北島学長が注視するのは高校教育から大学教育に向けて〝学力の3要素〟を確実に育成・評価する「高大接続プログラム」の拡充。そして、リモートと対面のハイブリッド型教育領域の拡大だ。「高大接続強化の利点は学生の知識や技能、主体性を総合的に評価することで向学心の高い受験生の入学を促進すると同時に学部学科のミスマッチを未然に防止し、結果的に除籍退学率の低下につながる点。また、同じ授業を対面とオンラインの双方で受講できる授業形態『ハイフレックス型』もハイブリッド授業の在り方として定着しつつある。今後は危機管理対策本部で策定した感染リスクレベルに応じて、授業や教育・研究活動、課外活動などを見極めていく」という。
今年4月、学部・研究科運営を中心に意見交換を行い、課題やアンメットニーズ(潜在的要求や需要)の抽出改善を図る目的で新設した「VUPMTG(Value Up Meeting)」の活動も活発化。「教育・研究課題の重要性は当然ながら、教職員間の意思疎通を図り、効果的な成果を引き出すための新たな仕組みづくりを検証していきたい。次の創立100周年に向け、〝新たな知と地をデザインする大学〟を目指す」。北島学長の挑戦がここから始まる。

(写真上)創立60周年記念事業で建設した「大楠アリーナ2020」
(写真右中央)機能性表示食品「金姜柑」の開発を支援
(写真右下)筑邦銀行との包括連携協定締結(左)、遠賀信用金庫との包括連携協定締結
(写真左下)大楠アリーナ2020に博多祇園山笠「飾り山笠」を展示(一般公開は11月30日まで)

DATA
所在地/〒813-8503 福岡市東区松香台2-3-1
TEL/092-673-5050
開学/1960年4月
学部/国際文化学部、人間科学部、経済学部、商学部、地域共創学部、理工学部、生命科学部、建築都市工学部、芸術学部短大/造形短期大学部
大学院/国際文化研究科、経済・ビジネス研究科、情報科学研究科、工学研究科、芸術研究科
学生数/1万461人(学部:1万38人、大学院:126人、造形短期大学部:297人)(2021年5月現在)
教員数/391人(2021年5月現在)

https://www.kyusan-u.ac.jp/

 

(ふくおか経済2021年11月号FACE)