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TheFace2019

九州産業大学


榊 泰輔

九州産業大学 学長

さかき・たいすけ/福岡市出身。1960年11月5日生まれの58歳。九州大学理学部卒業後、現㈱安川電機に入社。95年5月、東京大学大学院工学博士号を取得し、2003年9月に九州産業大学工学部機械工学科教授。18年4月から学長に就任。専門はロボット工学。趣味は韓国語学習

創立60周年、新たな知と地をデザインする大学へ

建学の理想「産学一如」を原点に、「実践力と熱意、豊かな人間性」を備えた人材を輩出し続ける九州産業大学。今や10学部22学科、大学院5研究科の総合大学に発展し、これまで約12万人の多彩な人材を送り出してきた。
2016年度の芸術学部再編から始まった教育改革「第1ステージ」は、理工系3学部、文系5学部と3年かけて改組し新体制を確立。「文・理・芸の3領域が有機的につながった多様性ある環境が整い、本学の学びにおける強みとなった。この多様性が学生の感性や発想力、コミュニケーション力、クリエーティブ力を醸成する〝学びの土壌〟となっている」と榊泰輔学長は自信を見せる。入学志願者も3年連続で1万人を突破。今期1万4千人を超えるなど教育改革の成果が着実に上がっており、今後は3領域間の垣根を取り払った横串の教育プログラムを強力に推進していく考えだ。また、企業経営者や学術有識者などを加えて構成する「教育成果評価委員会」を設置し、各学部の教育改革の進捗状況や社会が要請する人材が輩出されているかなどを毎年検証。学生と教職員が共に改善に尽力することで、「教育の質」を高めている。
さらに、同大学では来年の創立60周年に向け、スポーツ複合施設「大楠アリーナ2020」を建設している。完成は来春の予定で、1階フロアにはスポーツ多目的室ほか、スポーツ健康科学に関する実験・実習室、研究室などを配置。2階は公式バスケットボールコート4面が設置可能なメインアリーナとコミュニケーション・ラウンジ、3階には約1千席の観客席やトレーニングルーム(約800㎡)、ランニングコースなどを設置。また、競技や授業・研究用の大学プールに一般スイミングプールも併設する。「アリーナは観客席を含めて約5千人の収容が可能となる。入学式や学位授与式などイベントの際、参加者全員を収容できるだけではなく、災害時には地域の方々の避難場所としての機能も持っている」と説明する。
創立60周年までを「第2の創成期」と位置付け、その後の100周年、さらにその先も地域に愛され信頼される存在であり続けるためのビジョン「新たな知と地をデザインする大学へ—もっと意外に。もっと自由に。—」を策定。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)に対応した教育に社会の期待が高まる中、「学生に何を学ばせ、どんな能力を修得させるのか。学部学科の特色に沿った形でデザインしていきたい」。榊学長の探究心は力強さを増し続ける。

(写真右上)創立60周年記念アリーナ「大楠アリーナ2020」(右下)「屋内プール」

DATA
所在地/〒813-8503 福岡市東区松香台2-3-1
TEL/092-673-5050
開学/1960年4月
学部/国際文化学部、人間科学部、経済学部、商学部、地域共創学部、理工学部、生命科学部、建築都市工学部、芸術学部、造形短期大学部 大学院/国際文化研究科、経済・ビジネス研究科、情報科学研究科、工学研究科、芸術研究科
学生数/1万750人(学部:1万338人、大学院:125人、造形短期大学部:287人)(2019年5月現在)
教員数/388人(19年5月現在)

https://www.kyusan-u.ac.jp/

(ふくおか経済2019年11月号FACE)