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九州産業大
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北島 己佐吉
九州産業大学 学長
きたじま・みさよし/福岡県出身、1951年生まれの72歳。九州芸術工科大学(現九州大学)芸術工学部卒業後、日産自動車㈱に入社。同社デザイン本部企画デザイン部長、デザイン戦略室長を経て、2003年4月に九州産業大学芸術学部デザイン学科教授。2021年4月から学長。趣味は釣り、ガーデニング
(写真)ミントデザインズ大百科“Mintpedia”(2023年9月16日~11月5日)九州産業大学美術館にて開催
「文理芸融合」の研究成果に自信
建学の理想「産学一如」を原点に、「実践力、熱意、豊かな人間性」を備えた人材を輩出し続ける九州産業大学。同大学では2030年度までの中期計画「文理芸融合のグローバル総合大学へ」をスローガンに掲げ、「教育」「研究」「国際化」「産学連携」「社会・地域貢献」「ダイバーシティ」「ブランディング」「経営基盤」の8項目を設定。各分野で具体的な取り組みと実現を目指している。その象徴が、今年度からスタンフォード大学SPICE(米国カリフォルニア州)と共同で世界的課題の解決を図るグローバル人材育成を目指す連携教育プログラム「Stanford
e-KyuSan-U」の導入だ。同大学SPICEとの連携教育プログラムの実施は九州の大学では初めてで、国際社会を舞台とした人材育成を強化している。
また、7月には九州産業大学生命科学部が企業と共同開発した世界初の高倍率カラー電子顕微鏡「FST‐1000」を製品化。礒部信一郎教授を中心に開発した国産初の免疫染色用蛍光色素「Fluolid(フルオリッド)」と組み合わせると7千倍の高倍率でカラー画像を得ることが可能となった。今後、先端医療診断の領域で活用されることで、細胞単位でのがん診断による超早期発見への期待など、大きな話題となった。
11月には企業と連携したプロジェクトや研究シーズ成果を発表する「KSU VISION DAY 2023 文×理×芸=展」を2年連続で開催。出展予定90テーマに基づき、産学連携事例など同大学の新たな魅力発掘・発信に確かな手応えを感じている。「昨年は企業関係者や教職員の相互交流を通じて本学の研究成果が実を結び、5プロジェクトに対して事業化に向けた相談が寄せらせた。今後もその機運を高めていきたい」と北島学長は意欲を見せる。また、同イベント開催に合わせて「大楠アリーナ2020」館内にスポーツ活動の歴史や学生アスリートの競技実績などを展示する「ヘリテージコーナー」を設置。学生のスポーツマインドのさらなる向上に期待を寄せている。
さらに、リカレント・リスキング教育として、文部科学省のリカレント教育推進事業に採択された「次世代観光マネジメントリーダー育成プログラム」や「令和5年度ポストコロナ時代における観光人材育成事業(観光庁)」に採択された「観光地経営人材育成プログラム」の実施など、九州の地域特性を活かしたカリキュラムで「観光」に特化した学修機会を提供している。
「文理芸融合」をキーワードに理想形を追究し続ける北島学長の挑戦。社会をデザインするための試金石がここにある。
(写真左中央)KSU VISION DAY 2022 文×理×芸=展の様子
(右上)スタンフォード大学SPICEとの連携教育プログラム「Stanford e-KyuSan-U」の開講式
(右中央)分子レベルの解析分野で運用可能な世界初のカラー電子顕微鏡を開発
(右下)大楠アリーナ2020に設置するヘリテージコーナー(イメージ)
DATA
所在地/〒813-8503 福岡市東区松香台2-3-1
TEL/ 092-673-5050
開学/1960年4月
学部/国際文化学部、人間科学部、経済学部、商学部、地域共創学部、理工学部、生命科学部、建築都市工学部、芸術学部
短大/造形短期大学部 大学院/国際文化研究科、経済・ビジネス研究科、情報科学研究科、工学研究科、芸術研究科
学生数/1万632人(学部:1万194人、大学院:145人、造形短期大学部:293人)(2023年5月現在) 教員数/384人(2023年5月現在)
(ふくおか経済2023年11月号FACE)