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㈲柴田熔接工作所
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日本初の自然冷媒を使用したユニットで冷凍空調業界をけん引
(写真上)自然冷媒であるCO2(炭酸ガス)を使用した新型ユニット(HVAC&R Japan 2014展示会 柴田熔接工作所ブース)
(写真下)中央4人のうち左から、MARTINO MANFRIN CAREL Japan㈱取締役兼CAREL USA社社長、LUIGI NALINI CAREL社社長、柴田勝紀 CAREL Japan㈱社長、LUIGI ROSSI LUCIANI CAREL社会長
特殊冷凍空調機器を製造する㈲柴田熔接工作所。欧州各国の企業と技術提携し、イタリアのキャレル社と合弁会社を設立。13年にはCO2(炭酸ガス)を冷媒とした日本初の技術を開発し、日本の冷凍空調業界に新たな風を吹き込む。
創業50周年、設立40周年迎え、省エネ制御機器販売会社を設立
1963年の創業、1973年の設立以来、「お客様に常に良いモノを届ける」という姿勢でモノづくりに取り組んできた㈲柴田熔接工作所。これまでに国内外を含めて多くの顧客と信頼関係を構築し、2013年に創業50周年、設立40周年の節目を迎えた。また、電子膨張弁やコントローラーなどを製造するイタリアのCAREL社と合弁で日本法人のCARELJapan㈱を設立し、日本市場にはない冷凍空調用制御器の販売に取り組んでいる。
数々の節目の記念と感謝の気持ちを表すため、13年5月に催したパーティーには海外からも含めて150社180人が出席。柴田社長は「厳しい環境規制のあるヨーロッパと比べ、10年は遅れていると言われる日本の省エネ業界の発展に貢献していく」という強い思いを伝えた。
2014年3月に参加したCAREL社のセールスパートナーミーティングでの展示会(イタリア、ミラノ) |
自然冷媒のCO2(炭酸ガス)使用ユニットを開発
13年8月には新製品の研究開発を目的とした「柴田熔接工作所 R&Dセンター」(福岡市博多区)を開設。ここでは日本初の自然冷媒であるCO2(炭酸ガス)を使用した新型ユニットを研究開発し、遠隔監視システムによって日々研究データを蓄積している。この新型ユニットはフロンガスに比べて地球温暖化への影響を軽減できるほか、20%の省エネが可能な装置で、今年1月の「ヒーバック&アールジャパン2014 冷凍・空調・暖房展」でお披露目し、来場者から大きな反響を得た。年内には大手量販店などへの導入を予定しており、今後一層の注目が集まる。
グローバルスタンダードな技術力で海外ネットワーク構築
また、CAREL社はもちろん、フランスやドイツの欧州企業と技術提携し、製氷機販売の日本総代理店であることから海外ネットワークも幅広い。2月に自然冷媒を推進するシェコ社(ベルギー)のイベント「ATMOsphere Asia confarence」でプレゼンテーションし、日本初の環境技術を世界に向けて発表した。3月にはCAREL社のセールスパートナーミーティング(ミラノ)へ参加。4月にCARELJapan㈱が主催した「ATMOsphere Asia NETWORK 会議(東京、新丸の内ビル)」では、経済産業省の製造産業局オゾン層保護等推進室長、環境省の地球環境局フロン等対策推進室長、マーク・シャセロットshecco japan㈱社長、CAREL社のMichael Englebright氏らが講演。情報交換会も催し、柴田社長は「CO2(炭酸ガス)を冷媒としたシステムへのCAREL社の技術サポート」についてアピールした。
世界的に環境経営が求められる時代に、日本は冷熱・空調業界で遅れをとっている。そんな中で、同社は多くの国際的な展示会や国際会議に参加し、グローバルスタンダードの技術力で世界に認められている。今後も、より環境に優しいシステムの開発と普及に取り組み、自然冷媒による環境システムで日本の冷凍空調業界をけん引していく。
柴田 勝紀 社長 福岡県福岡市出身。1965年8月31日生まれの48歳。国際航空専門学校卒。趣味はドライブ、陶芸 |
企業DATA
所在地 〒815-0032 福岡市南区塩原3-13-16
TEL 092-501-9798
FAX 092-575-1213
URL http://www.swc-jp.com
創業 1963年
設立 1973年3月
資本金 1500万円
事業内容 特殊冷凍空調機器の設計、製造、工事
関連会社 CARELJapan㈱
従業員 14人
(ふくおか経済EX2014年)