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㈱RisingSun
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投資用太陽光販売好調で業績大きく伸長
メガソーラー、低圧分譲などの太陽光発電所の企画・販売で急成長してきたRisingSunは昨年度、「生産性向上設備投資促進税制」を使ったビジネススキームでさらに業績を伸長した。今年度も引き続き制度を活用しつつ、新たな不動産事業への展開を進めていく。
太陽光販売前年比2倍の30億円を突破
RisingSunの強みは、メガソーラー、50kW未満の低圧分譲(現在は新規申請不可)など、その時々で太陽光発電所の流行商品を、他社に先んじて販売してきたところにある。そして、条件をみたすことで全額損金(100%即時償却)可能な「生産性向上設備投資促進税制」を活用した投資用太陽光発電所の販売を2015年度手がけたことで、さらに事業規模を拡大することになった。
同ビジネスモデルは、市場動向が変化しやすい同業界の中で、事業の見直しや資金繰りの関係から計画が凍結していた未稼働発電所の権利を買い取ることで、36円(税抜)、32円(同)といった比較的利回りの良い案件を造成開発からシステムまでをゼロベースで再設計して、再販するスキーム。
「即時償却が可能となるのは、2016年3月末までに電力会社に連結した案件のみ。そのため、企業の決算期が迫った2〜3月にかけて駆け込み需要が生まれ、当社が用意していた案件も完売した」と語るのは同社の野畑龍彦社長。2015年度期は、前年比倍となる30億円以上の販売実績を積み上げ、グループ全体の売り上げは68億円(2016年3月期)に伸長した。
16年度から太陽光ファンドプロジェクト始動
今年度も事業の柱は同税制を活用した太陽光発電所の販売となる。特別償却の割合は50%、税額控除は4%に下がるが、他の節税商品にない優位性から「償却率が50%でも魅力的な商品。企業や投資家のニーズが下火になることはないだろう」と語る野畑社長。昨年度と同規模の発電所を仕入れて施工し、積極的に販売していく考えだ。
並行して注力するのが、太陽光発電ファンドの組成。同社ではファンド全体のプロパティーマネジメントを担当し、施工などのEPCはグループ会社の㈱朝日工業、私募に関しては、これまでに同ファンドを65MW以上取り扱ってきた㈱ミナトマネジメント(東京都、倉本達人社長)に委託する形で計画を進めている。
野畑社長は「プロジェクトが始動すれば、グループ全体の売上高は今年度80億円、次年度90億円と、成長スピードはさらに加速していく」と力を込める。
今年5月に創業50周年を迎えるグループ会社の朝日工業(佐賀県武雄市) |
新たな不動産投資の形準備着々
設立5年目で発電所の販売実績を250区画以上に積み上げてきた同社は、今年5月に創業50周年を迎える朝日工業が2011年に設立した関連会社。朝日工業では年内をめどに現在の本社近くに新たな社屋を建設して事務所移転を予定するなど、老舗工務店として地元に根を張った経営を心がけている。
将来的には、東証マザーズへの上場を見据えた準備も着々と進めており、RisingSunをはじめとするグループ全体でのシナジー効果を生み出すべく新たな体制の構築にも注力している。
そして、次なる事業の柱となるのが、太陽光発電所で開拓した顧客に向けた、新たな不動産投資案件の提案だ。「現在スキームを練っている段階だが、資産運用面で太陽光発電所に負けないメリットを見込んでいる。すでに品川(東京都)に不動産投資向けのオフィスを開設した。事業をスタートさせるため、今期中に準備を進め、来期に花を咲かせたい」と、さらなる飛躍を誓った。
野畑 龍彦 社長 のばた・たつひこ/佐賀県武雄市出身。1966年3月15日生まれの50歳。熊本工業大学卒。1988年関連会社の㈱朝日工業入社、2001年同社社長就任 |
企業DATA
所在地 福岡オフィス 〒818-0035 筑紫野市美しが丘北3-14-10
東京オフィス 〒108-0075 東京都港区港南1-6-33 品川東急ビル
TEL 092-403-2200(福岡オフィス)03-5715-6127(東京オフィス)
設立 2011年7月
資本金 1,000万円
事業内容 太陽光発電システム卸業、太陽光発電事業、産業用太陽光発電所販売、不動産売買・賃貸・管理業務
年商 68億円(グループ連結、2016年3月期)
従業員 60人(グループ連結)
関連会社 ㈱朝日工業、㈱朝日石油、いえものがたり㈱、㈱大一建設
URL risingsun-hd.com
(ふくおか経済EX2016年)