FEATURE

ふくおか経済EX 2020

㈱QTnet


ICTが持つ可能性を追求しさらに新たな領域に挑戦

福岡市天神1丁目の本社を中心に、九州に根差した通信事業を展開する㈱QTnetは、個人向けの『BBIQ』『QTモバイル』や自治体・企業向けの『QT PRO』など既存事業の伸長で14期連続の増収を見込んでいる。昨年は新規事業開発部署『YOKA(よか)プロ部』を新設し、M&Aなどで次々と新たな領域にウイングを広げている。

BBIQやQTモバイルが成長けん引

変化の激しい情報通信業界にあって成長を続けるQTnet。その成長をけん引する光ブロードバンドサービス『BBIQ(ビビック)』は、「J.D. パワー固定ブロードバンド顧客満足度調査」で、14年から3年連続全国1位、エリア別調査となった17年以降も4年連続九州エリア1位を受賞。マンション向け一括受電サービス『BBIQ電力』と合わせて好調だ。女優の川口春奈さんを起用したCMでおなじみのモバイルサービス『QTモバイル』は昨年、直営店を佐賀県に出店したことで九州全県をカバー。サポート面での安心感や安価な料金を強みに契約数を伸ばしている。
創業以来の自治体・法人向けサービス『QT PRO(キューティープロ)』では、セキュリティ分野をはじめ、顧客のICTに関する課題を解決するソリューションを拡充し、堅調に推移する。また、昨年には同じ九電グループでデータセンター事業を展開の㈱キューデンインフォコムを合併し、3カ所目となる最新鋭の都市型データセンターを開設。全国の法人顧客のメイン・バックアップサイト拠点を目指し、同社ソリューションの新たな核に据える方針だ。

eスポーツ事業など新領域開拓

一方、技術革新が続く情報通信業界にあって新領域への挑戦を続けている。昨年、新規事業開発部署『YOKA(よか)プロ部』を新設するとともにシステム開発の㈱ネットワーク応用技術研究所(NAL)とウェブ制作の㈱コアラ〔4/1より㈱QTmedia〕(共に福岡市)をグループ会社化。また、九州工業大学とAIや認証・決済技術などを活用した無人店舗の実証実験を開始した。
さらに、今年1月には福岡を拠点とする国内有数のプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」を運営する㈱戦国をグループ会社化し、既存の通信事業と融和性の高いeスポーツ事業に本格参入。今夏にも福岡市内にeスポーツ施設の開設を計画しており、eスポーツ普及に貢献する。今後も積極的に新規事業開発に取り組み、既存サービスとのシナジー効果による新たな価値の創造を図る。

(写真左上)8店舗目の直営店「QTモバイル 佐賀店」
(左中央)新規事業 無人店舗(con-tech)
(下)プロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」

「九州で一番ワクワクする会社」へ

こうした成長を支えるのは“改善・改革し続ける風土”にほかならない。いち早く“働き方改革”に取り組み、16年から、九州では先駆的な全社員対象のテレワーク勤務制度を導入。また、カジュアルスタイルや休日制度の充実などに加え、昨年はコアタイムなしの完全フレックスタイム制を導入した。引き続き子育て支援や女性が働きやすい環境の充実を図るとともに、社員の働きがいの向上で「九州で一番ワクワクする会社」を目指している。
また同社では、CSRの一環として日本の伝統文化である将棋の楽しさを伝えるべく、九州在住の小中学生を対象に「こども将棋大会」を毎年開催してきたが、昨年は福岡市中央区谷に常設の「QTnet 将棋センター」をオープン。こうした地域活動に注力することで、九州に根差した通信事業者としての矜持を社員1人ひとりに育み、今後も、総力を結集して情報通信のフィールドで“感動品質”を届けるべく、その可能性を追求し、新たな領域にも果敢に挑戦していく。

岩﨑 和人 社長
いわさき・かずと/福岡県出身(宮崎県生まれ)。1954年12月生まれ。九州大学大学院工学研究科情報工学専攻課程修了。81年九州電力㈱入社。90~94年の現QTnetへの出向を含め主に情報通信部門を歩み、14年執行役員情報通信本部長を経て、16年6月から現職。趣味の将棋は五段、囲碁は六段の腕前で、18年6月まで公益財団法人日本棋院の理事を務めた

 

採用情報
募集職種/①営業・管理系 ②技術系
応募資格/大学・大学院卒、専門・短大・高専卒、高校卒 営業・管理系:全学部全学科(理系も歓迎)技術系:情報・通信、電子工学、電気など
採用実績/20年度 新卒26人(大学・大学院卒21人、高卒5人)
インターンシップ/夏・冬予定
年間休日/135日(2019年度実績)
問合せ先/TEL. 092−981−0905
担当/ヒューマンリソースストラテジー部 人事労務グループ 採用担当

(ふくおか経済EX2020年)