㈱関家具

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無垢一枚板テーブル工場開設し世界に進出

2010年に自社工場を構えオール大川産の高付加価値家具を製造するなど近年ではメーカーとしても活躍。主力の家具卸業では、国内外に販売ネットワークを拡大しており、今期は売上高100億円をいよいよ突破する見込みだ。

世界にひとつだけの家具を展示する無垢一枚板専門店“アトリエもくば” （福岡市中央区今泉1丁目）

福岡都心部に無垢一枚板の専門店

家具の産地大川で家具卸会社として創業した同社は2013年5月で創業45周年を迎える。関社長が大学卒業後、単身で創業し、今では東京、大阪ショールームのほか、本社から連なる敷地1万2600㎡に広大な展示場を持ち、大川を代表する家具メーカーに発展。昨年末には、海外進出も果たしている。
海外進出のきっかけは、昨年9月に上海で開催された中国国際家具展示会。イタリアや中国で生産していた国内向けのファブリックソファを展示すると、世界各国から引き合いが相次ぎ、今年12月にアメリカやタイ、台湾に輸出を開始した。現在も商談は多く、世界中の販売チャネルの開拓に意欲を燃やしている。
海外進出第2弾として、オール大川産高付加価値家具の販売を開始した。ファブリックソファで開拓したネットワークを生かし、世界中の富裕者層に自社工場で製造したこだわりの家具を販売する計画だ。今年1月に大川市三丸の廃業した婚礼セットメーカー工場を譲り受け、無垢一枚板テーブル生産工場として稼働した。従業員全員の雇用も守り、地元大川への貢献を忘れていない。
昨年、福岡の都心部・今泉エリアに、自社生産の無垢一枚板テーブルショールーム「アトリエもくば」もオープン。この無垢一枚板は、世界中から厳選した木材を仕入れ、大川家具の伝統技術を継承する自社工場で生産している。一つひとつ異なる形や木目を持つ“世界に一つだけの家具”に対する需要は多く「3カ月先まで受注が入っている」盛況ぶりだ。これまで店舗は県南に集中していたが、同ショールームを構えたことで「福岡都心部でも大川の伝統技術、当社のこだわりに触れてもらうことができる」と微笑む。

関社長自ら材木の買い付けにアフリカへ

大川から世界に羽ばたく家具メーカーへ

ショールームは広いフロアにさまざまな家具を展示するのが主流だが「カタログを見て材質やデザイン、色をオーダーし、省スペースで家具を購入できる店舗づくりを進めたい」と構想する関社長。そのカタログ制作やネット販売に力を入れるため、本社そばに２階建ての家具展示場兼撮影スタジオを開設する。これまで展示場で撮影していたが、スタジオを設けることで「今後は来店者に迷惑を掛けることなく、質の高い製品撮影が可能になる」と説明する。
また、10階建ての家具ショールーム「ペガサスビル」では、さらなる売り場の拡張を図り、同ビルと接続する2階建て展示場を建設中。仕入れから製造、流通、販売まで家具のトータルビジネスを進めるため積極的に設備投資を実行している。「やりたい仕事を思いっきりやりなさい。責任は私が取る」と従業員をバックアップし、若い活力で勢いを増す同社は、今後も大川から世界に羽ばたく家具メーカーへと発展していく。

2011年9月に新設した本社ビル	2011年9月に新設した本社ビル

関　文彦（せき・ふみひこ）社長 大川市出身、1942年4月17日生まれの70歳。福岡大学卒業後、同社を創業。日刊工業新聞社優秀経営者顕彰、地域社会貢献者賞を受賞。趣味は世界秘境旅行。社員への常用句「楽しくなけりゃ仕事じゃない、やりたいことを任す、文句は言わない、責任はすべて社長がとるから思いっきりやりなさい」

〈企業DATA〉
所在地　〒831-0033 大川市幡保201-1
ＴＥＬ　0944-88-3515
ＦＡＸ　0944-88-3351
ＵＲＬ　http://www.sekikagu.co.jp
創業　1968（昭和43）年4月
設立　1982年11月
資本金　1億4,000万円
事業内容　家具・インテリア・住関連商品企画販売
従業員　約214人
売上高　91億円（2011年5月期）
拠点　ショールーム:東京都3店舗、大阪市1店舗、大川市2店舗、大牟田市1店舗、新店舗「アトリエ木馬」（福岡市中央区今泉1-2-30天神プレイスEAST1階）
営業所　東京、大阪
関連会社　㈱関家具カーゴ、㈱大川デザインミュージアム、㈱関家具工房木馬

（ふくおか経済EX2013年）