FEATURE

ふくおか経済EX 2009

㈱西日本シティ銀行


国内トップレベルのサービスを提供し地域と共栄する
九州No.1銀行へ

08年度から3カ年の中期経営計画「New Stage 2008」をスタートさせた㈱西日本シティ銀行。06年6月に就任した久保田勇夫頭取の下、効率化や財務体質改善といった“合併にまつわる課題”をほぼ克服した同年10月以降、“積極経営”に転換。営業力の強化に努めて着実な成果を挙げつつある中、先行き不透明感が高まる金融・経済環境や「ゆうちょ銀行」の誕生で激化が予想される競争環境を踏まえ、新たな銀行像の実現に向け、全役職員が一丸となって従来と異なる新たなステージへの第一歩を踏み出した。

高度なソリューション力に基づく最先端の金融サービス

この中計では、中長期的な目標として目指す銀行像を“国内トップレベルのサービスを地元で提供し、お客さまとともに栄える九州No.1バンク”と定めている。現在でも地銀上位行にランクされる同行だが、さらにレベルアップを図り、東京・海外と同レベルのトップクオリティのサービス提供による地域への貢献を通じた成長を目指し、この中計をその実現に向けたファースト・ステージと位置付ける。
その国内トップレベルのサービスで、まず挙げられるのが「高度なソリューション力に基づく最先端の金融サービス」の提供だ。これまでの事業承継ファンドによるEBO(従業員による事業買収)支援や開発型ノンリコースローンなどの取り組みに加え、08年度は、今後の成長が見込まれる医療・環境・農業分野において、福祉施設建設のための大型シンジケートローン組成、「排出権特定金外信託」の取扱い、福岡県農業信用基金協会保証の「NCB農業応援資金」発売等、これまでにない高度な金融サービスの提供に努めている。

西日本シティ銀行本店

海外ビジネスの支援機能を強化

また“アジアの玄関口”として経済成長を期す福岡にあって、地元企業の海外ビジネス拡大などを支援する「国際化対応」にも余念がない。08年5月の本部組織改正で、営業企画部内の国際営業室を「国際営業部」に昇格。従来のソウル、上海、香港といった拠点やアジア各国の貿易投資の専門機関とのネットワークに加え、07年の韓国・新韓銀行に続いてタイやベトナムの現地トップクラスの金融機関と次々に業務提携を結び、著しい為替変動に対処できる仕組みや現地情報の提供など、サポート機能をさらに強化している。
加えて、グループ会社のNCBリサーチ&コンサルティング(現NCB経営情報サービスにシンクタンク機能を付加し、社名変更予定)による地域シンクタンク機能の強化や、広報文化部内に新設した「地域貢献室」を通じて、従来の歴史・文化活動のさらなる強化で、地域社会の活性化に寄与していく方針だ。
そうしたレベルアップとともに、地域との一体的な成長を目指す同行にとって、その施策展開の基本的な考え方、進むべき方向は“顧客第一主義”と“収益重視”と明快だ。その方向性は中期経営計画の施策の1つである「収益力強化に向けた4つの改革」にも色濃く反映している。

 “顧客第一主義”と“収益重視”を基本に各種施策展開

まず意識・行動改革では、「顧客を第一に考える意識と行動の徹底」を掲げ、一般行員のみならず、効果的な役員営業や支店長の行動改革などで、顧客接点の倍増を目指す。加えて、サービス改革においては、その顧客接点の革新を標榜。営業店の「営業」「貸付」「預金」の3部門を、「フロント(営業)」「サービス(預金窓口/事務)」に再編し、分業化・専門化を推進して営業スキルの高度化を図る。また顧客資産運用サポートを専門とする「資産運用アドバイザー」を各店舗に配置し、その人員を09年度をめどに08年4月比約6倍の約300人体制に増員。説明態勢やCS対応等を統括する「お客さまサービス部長」も主要店舗に配置した。
さらに、オペレーション改革では、顧客接点拡大に向けて、機械化・本部集中化・システム化を進め、営業店の内部プロセスのスリム化にも着手。責任・権限を適切な職位に移行し、顧客の要望にスピーディーに 対応するほか、内部プロセスのスリム化により創出した人員を、主に「フロント(営業)」に再配置し、さらなる顧客接点の拡大に充てる。また、人事改革では、本部企画部門や営業部門への女性行員の積極的な登用や、「地域総合職」の新設など女性行員が活躍できる新たなキャリアプラン体系の構築で、社会進出の著しい女性顧客に向けた商品・サービスも強化する。もちろん女性に限らず、年次・性別にとらわれない能力・適性に応じた人材配置・登用の徹底や、国内トップレベルの競争力を持ったスペシャリストの育成と外部からの積極登用をさらに推し進めていく方針だ。
一方で、11年度をめどに次期基幹系システムを構築するシステム戦略をはじめ、法令等遵守態勢の強化やリスクマネジメント戦略といった4つの改革を下支えする基本インフラも強化。また、銀行系カード会社としては地銀最大の九州カード㈱や、NCBリサーチ&コンサルティングをはじめ、強みであるグループ総合力のさらなる向上を目指す。
国内トップレベルのサービス提供と、顧客との親密なリレーションや地域社会との濃密なコミュニケーションの展開により、目指す銀行像に近づき、地元の銀行としての存在感を高めるに違いない。

久保田 勇夫 頭取

 

企業DATA
【所在地】〒812-0011福岡市博多区博多駅前3-1-1
【TEL】092-476-1111
【設立】1944年12月
【資本金】857億4500万円
【事業内容】普通銀行業
【総資産】6兆7,439億円
【代表者】久保田勇夫
【従業員】4,132人
【出先】(店舗)福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島、山口、広島、岡山、愛媛、大阪、東京 計209店
【関連会社】㈱NCB経営情報サービス、九州カード㈱、西日本信用保証㈱、㈱長崎銀行他
【URL】http://www.ncbank.co.jp

採用情報
●募集職種:一般銀行業務(総合職・地域総合職・地域特定職)
●応募資格:総合職・地域総合職は四大卒以上、地域特定職は短大・専門卒以上
●採用実績:08年度165人(大卒136人、短大卒24人、専門・専修学校卒5人) 09年度157人(大卒139人、短大卒16人、専門・専修学校卒2人)
●問い合わせ先:TEL092-461-1774
●担当:人事部人事グループ

(ふくおか経済EX2009年)