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㈱西日本シティ銀行
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『九州No.1バンク』実現に向けたセカンドステージへ
(写真)西日本シティ銀行本店
2008年度にスタートした3カ年の中期経営計画「New Stage 2008」を、目指す銀行像『国内トップレベルのサービスを地元で提供し、お客さまとともに栄える九州No.1バンク』実現に向けたファーストステージと位置付け、諸改革・施策に取り組んできた㈱西日本シティ銀行。04年の合併時からの最大の課題の1つだった公的資金も昨年7月に完済し、いよいよ巡航高度に達するための環境が整った。
11年度からの新中期経営計画でも、継続して「お客さま第一主義」と「収益重視」を戦略の基本に、競合地銀や、メガバンク・外資系金融機関などとの差別化をさらに進める方針だ。一流の金融サービスを提供し、地域と共に繁栄していく——。『九州No.1バンク』実現へ向け、今そのセカンドステージに入った。
九州初となる地銀の証券子会社設立
現在でも地銀上位行にランクされる同行だが、地場企業や個人が、今までメガバンクに頼るしかなかった高度で複雑な金融サービスを、地元でも対応できるように行内、グループ体制整備を進めている。個人向けでは、多様化する資産運用に対応するべく、昨年5月に東海東京フィナンシャル・ホールディングス㈱との共同出資で、九州初となる地銀の証券子会社、西日本シティTT証券㈱の営業を開始した。同7月には、資産運用に関する専門知識を持つマネーアドバイザーの配置店を大幅に拡大。土曜日・日曜日もローンの相談・申し込みを受ける専門拠点を設け、顧客との接点の拡大も図っている。
また、法人向けでは、従来からの「医療・福祉」「農業・環境」に加え「流通」「運輸・サービス」などの業種専担分野を拡充し、専門のコーポレートアドバイザリーグループを創設。また業種間の情報共有を行い金融機能、M&A、不動産、年金などの横串をさすためフィナンシャルアドバイザリーグループも立ち上げ、「ABL(動産担保融資)」「金利デリバティブ」などの新商品を開発。今後も、さまざまな手法でのソリューションの提案も行っていく方針だ。
海外への地場企業のビジネス拡大を支援
金融サービスのレベルアップとともに「地域との共栄」を掲げる同行は、地域へのビジネス機会や最新情報の提供を推進。特に“アジアの玄関口”として経済成長を期す福岡にあって、地場企業の国際ビジネス拡大を支援する取り組みを強化している。
昨年5月には、国際業務部門を再編し、「国際部」を新設。この国際部では、国際情勢の変化を先取りしたクロスボーダー決済や為替リスクヘッジ商品など、最先端の商品・サービスを提供している。また、海外ネットワークを活かし、国内や海外における各種商談会の開催や、海外ビジネスに役立つ多様な情報の提供を通じ、地元企業の国際ビジネス拡大をサポートしている。
特に、地元企業のニーズが高い中国向けで相次ぎ先進的なサービスを始めている。昨年6月には、インターネット外為サービス「NCB外為スーパーダイレクト」の提供を開始し、中国向け米ドル建て送金は最速当日中の着金も可能となった。8月には、九州の地方銀行で初めて、日本・中国間の人民元建て貿易決済業務を開始した。今後も、金融決済機能の多様化・高度化を通じて、地元企業の中国ビジネスにおける競争力の向上をさらに支援していく。
また、中国でのビジネスマッチングの機会も提供している。昨年9月、製造業を対象とした「日中ものづくり商談会@上海2010」を、上海に拠点をおく地方銀行などと共同で開催。同商談会では、中国での原材料調達先や委託加工先の拡大ニーズを持つ製造業者に中国現地企業との商談の機会を提供。出展企業数は334社、来場企業数は3,200社、商談件数は8,500件にのぼり、同行が係わった製造業向けの商談会としては過去最大規模となった。今年9月にも同商談会を開催する予定だ。
商談会開催や産学連携協力で地場産業、学術を振興
もちろん、海外ばかりでなく国内においても様々な商談会を開催し、地場企業の販路拡大や地場産業の振興に努めている。昨年7月には、九州・山口の地場産品を発掘する「東急ハンズ商談会」を開催。今年3月の新博多駅ビル「JR博多シティ」内への出店を前に、「東急ハンズ博多店」と取引先74社との商談の機会を提供した。
同10月には、北九州市と締結した「産業振興分野に関する連携協定」において掲げる「販路開拓による連携」の取り組みの一環として「北九州まるごと大商談会」を開催。北九州市、北九州商工会議所の後援のもと、同地区の量販店6 社と取引先80社が参加し、商談件数は109件にものぼり、同行の商談会の中でも大規模なものとなった。
また昨年は、8月に環境・IT・金型などに強みを持つ国立大学法人九州工業大学と、10月に食・健康・流通などに強みを持つ中村学園大学・中村学園大学短期大学部と「産学連携協力に関する協定書」を締結。今後も産学連携協力を促進し、技術・研究開発を支援するネットワークの構築、技術・人材交流や人材育成の促進、共同セミナーや講演会などを通じて、各大学の知識を地域社会につなぐ橋渡しをしていく方針だ。
このほか、新店舗への「エコ機能」導入から、太陽光発電システムを設置する人のためのローンや、環境配慮型企業の私募債発行コストを優遇する「環境私募債」の取り扱いなどまで、環境への取り組みも強化する同行。「地域の繁栄と自行の繁栄は不可分」という認識のもと、地域とともに歩むためのこうした大小の取り組みが、同行を『九州No.1バンク』へと導くだろう。
久保田 勇夫 頭取 |
企業DATA
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-1-1
TEL 092-476-1111
設立 1944年12月
資本金 857億4500万円
事業内容 普通銀行業
総資産 7兆983億円
代表者 久保田勇夫
従業員 4,049人
出先 (店舗)福岡 佐賀 長崎 大分 熊本 宮崎 鹿児島 山口 広島 岡山 愛媛 大阪 東京 計208店
関連会社 ㈱NCBリサーチ&コンサルティング九州カード㈱ 西日本信用保証㈱ ㈱長崎銀行 他
URL http://www.ncbank.co.jp
※数字はすべて10年9月末時点
採用情報
募集職種 一般銀行業務(総合職・地域総合職・地域特定職)
応募資格 総合職・地域総合職は四大卒以上、地域特定職は短大・専門卒以上
採用実績 10年度132人(大卒125人、短大 卒6人、専門・専修学校卒1人)、11年度95人(大卒90人、短大卒4人、専門・専修学校卒1人)
問合せ先 TEL 092-461-1774
担当 人事部 人事グループ
(ふくおか経済EX2011年)