FEATURE

ふくおか経済EX 2012

㈱ホークスタウン


エグゼクティブフロアのリニューアル等ホテルのハード面整備が本格スタート

ヒルトン福岡シーホーク、ホークスタウンモールを管理・運営し、隣接する福岡ヤフージャパンドームを加えた3施設で「三位一体」の連携を進める㈱ホークスタウン。現在進行中のホテルのハード整備に加え、さらなる集客策を打ち出していく。

(写真左)福岡Yahoo!JAPANドーム(左)とヒルトン福岡シーホーク(右)
(右上)リニューアル後のスイート室内イメージ
(右下)HKT48劇場

高層階にハイグレードホテル“開業”

ホークスタウンの施設「ヒルトン福岡シーホーク」では、高層階のリニューアルを進めている。
“アーバンリゾートホテル”のヒルトン福岡シーホークの中に、ハイグレードホテルをもうひとつ作るというイメージで30〜33階のエグゼクティブフロアを改装。33階に専用のフロントやラウンジを設け、濃い紫をベースとしたカーペットにシックなベージュを組み合わせたコンテンポラリーデザインを採り入れるなど、内装も大幅に変更する。4月1日から宿泊予約を受け付け、ゴールデンウィーク前に稼働する予定だ。
また今年1月には、5階のリラクゼーションスペース、「ソトコトクラブ」内にフィットネスセンターをオープンした。
プールサイドの宴会用スペースを改装したもので、アメリカの大手フィットネス機器メーカーPRECOR(プリコー)の最新トレーニング機器約20機種を備えている。ホテル宿泊客は24時間無料(プール利用別)、ソトコトクラブ会員と一般客も午前10時から午後9時までプール利用を含み有料で利用できる。
同ホテルは2010年6月に、運営委託をJALホテルズからヒルトン・ワールドワイドに移管しており、以来、社員の研修などソフト面の変革を進めてきたが、ハード面の整備もさらに進めていく方針で、今後は4階アトリウムやそれに連動している飲食施設のリニューアルにも、プランを練りながら取り組む考えだ。
延床面積13万8千㎡、客室数1052室(改装後は1053室予定)と、県内最大のキャパシティを誇る同ホテルは、コンベンションや大規模なカンパニー・ミーティングでの利用も多く、宴会部門は前年以上の伸びを見せている。
井川英治社長は「企業関係の動きが一時期に比べ活発になってきているようだ。ホテルによって違いもあるようだが、昨年の九州新幹線全線開通、JR博多シティの開業効果もあると思う。われわれの場合、天神や博多駅周辺に比べると地の利はないが、都心部では望めない海沿いのビューやアーバンリゾートとしてのカラー、また福岡最大のキャパシティを持つ1階宴会場の『アルゴス』など、不利な面を十分に補える強みを持っている」と要因を分析する。
今後は婚礼部門にも力を入れたい考えだ。婚礼市場の縮小で競争は厳しいが、福岡の場合は、転入が多く人口が増えていることもあり、井川社長は「潜在需要はまだまだあると思う。今後もハード整備も含めて対策を打ち出していきたい」と意欲を見せる。

ドーム含めた3施設の連携をさらに強化

ホテルに隣接する複合商業施設「ホークスタウンモール」は、昨年11月、フットサルコートをアイドルグループ「HKT48」の常設劇場に変更。「チケットの申し込みはインターネットだけで、さらに抽選に当たらないと取得できないほど」の人気を博しているという。また長期的にはテナントの新陳代謝も図りたい考えだ。
ホークスタウンとしては、ホテル、モールに福岡Yahoo! JAPANドームも含めた「三位一体」の取り組みを、ソフトバンクホークスと連携して進めている。井川社長は「全体的に見ると、会議や学会だけでなくイベントや野球にけん引される要素も大きい」と見ており、ホークスが日本一になり、ホークスタウンへの来場者も増えた去年に引き続き、今年もホークスの健闘に大きな期待を寄せている。

井川 英治 社長
1954年1月27日生まれの58歳、愛媛県四国中央市出身、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、77年ジョン・スワイヤー&サンズ Japan Ltd入社、79年㈱大井不動産入社、92年同社社長(現会長)、99年㈱船井財産コンサルタンツ福岡取締役(現任)、06年㈱オー・エイチ・アイ社長(現任)、09年8月㈱ホークスタウン社長

 

企業DATA
所在地 〒810-8660 福岡市中央区地行浜2-2-3
TEL 092-844-8111
FAX 092-844-8709
URL http://www. hawkstown.com/
創業・設立 1989年7月
資本金 8,000万円
事業内容 ホテルおよび商業施設の管理・運営
従業員 900人
出先 東京都新宿区西新宿、大阪市北区梅田

(ふくおか経済EX2012年)