FEATURE

ふくおか経済EX 2015

㈱タカラ薬局


業界激変見据え、店舗づくり・人材育成で独自スタイル確立

エリアを絞ったドミナント戦略で店舗展開するタカラ薬局。都心部の「メディカルシティ」や、「在宅支援薬局」等に加え、今秋には従来にない“斬新”店舗や新制服で自社ブランドを訴求。同時にこれらは業界の将来を見据えたハードづくりでもある。人材育成とあわせて「タカラ薬局」の独自スタイルを作り上げる。

博多駅前にも「メディカルシティ」

地域の医療を支える「タウンホスピタル構想」のもと、福岡市内を中心にエリアを絞ったドミナント出店戦略で調剤薬局を展開するタカラ薬局グループ。地域に不足する診療科目を補う複合型医療施設「メディカルシティ」などが知られている。この4月1日にも、本社が入居する博多駅前ビジネスセンタービル1階にあった内科と同社調剤薬局に、皮膚科が併設されて複合化。新たな「メディカルシティ」が誕生した。これまで市内各地に立地していたが、博多駅前の目抜き通りという場所での路面店は初めてだ。
また、5月には早良区原のデイケアを併設したペインクリニックそばに在宅支援薬局「原中央店」がオープン予定。「在宅支援薬局」は同社が一昨年末から展開を本格化させているもので、今回は中央区舞鶴、東区香椎につぐ3店舗目。一方、東区箱崎1丁目の箱崎南店が今春4月に移転。医療併設マンション1階に入居する。同社の薬局事業運営を統括する岡村由紀子常務は「将来はいつでも麻薬処方箋を応需可能な在宅支援薬局をつくりたい」と語る。

この4月で「メディカルシティ」となったタカラ薬局の博多駅前店

福大病院前に“斬新”店舗、白衣も一新

新店舗オープンが相次ぐ中、昨秋の「徳洲会病院前店」に次ぐ大型門前薬局も新たに計画されている。福岡大学病院に隣接する「福大病院前店」は、新館前の通りに面して地下鉄福大前駅出口の目の前。今年10月の開業予定だ。完成パースにあるように一見すると薬局には見えない斬新なデザインは、採光の角度等を細かく考慮したもので、他にも内装、インテリアともにスタイリッシュなものになる。並行して機能面により一層の充実も計画しており、薬剤師4人、事務員6人程度を配置し、在庫品目数も2,500種類と規模が大きくなる。運営は細かな来局患者対応を取りながらも待ち時間短縮のために調剤の効率・スピード化も重視していく。夜間営業も検討しており、岡村常務は「長時間営業をする旗艦店のひとつにしたい」と意気込む。また、その頃までには『白衣プロジェクト』も完結する見通しだ。同社薬剤師全員の制服が機能性・デザイン性に優れた統一の白衣に一新されるもので、これも初めての試み。斬新な新店舗とあわせて「タカラ薬局」のブランドイメージを訴求していく。

長時間営業、専門特化で “改定後”に対応

これら一連の動きは今後の調剤薬局を取り巻く環境にいち早く対応するためだ。調剤報酬改定を来年に控え、岡村常務は「これからは薬の受け取り方が変わってくる」と指摘。リフィル処方箋に耐えうるハードづくり(薬局づくり)を喫緊の課題としている。その対応策が前述の長時間営業や24時間化であり、出店立地も含めて今後の重要な戦略要因となる。
加えて、在宅や専門性に特化した診療科への対応も積極化し、同時にそのための人材育成にも力を入れる。
最近では「徳洲会病院前店」内の健康機能食品売り場「栄養ラボ春日」の運営にあわせて、自社薬剤師に栄養関連の研修も実施。また今後は処方箋への検査値記載といった動きもあり、「より病態を読み込んだ服薬指導」を視野に入れた教育もさらに徹底させる考えだ。
近い将来の業界の激変にそなえ、店づくり、人材育成の両面で独自スタイルを組み上げていく。

岡村 由紀子 常務取締役薬事本部長
おかむら・ゆきこ/北九州市出身。1969年7月11日生まれ。第一薬科大学卒。趣味は、わんこのトリミング、ドライブ

 

企業DATA
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-25-21 博多駅前ビジネスセンター3F
TEL 092-436-2900
FAX 092-436-2901
創立 1980年5月
資本金 7,200万円(グループ合計)
代表者 小川明久
事業内容 薬局、薬店の経営
年商 90億円(グループ業績)
従業員 295人
関連会社 ㈱タカラメディカル ㈱幸陽堂薬品
URL http://www.takarapharmacy.co.jp

採用情報
募集職種 薬剤師
応募資格 薬剤師免許取得者、薬科大学卒業予定者
問合せ先 TEL.092-436-2900
担当 末次・岡村

(ふくおか経済EX2015年)