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㈱タカラ薬局
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“街の健康サポート薬局”展開、ドミナント出店こその新地域密着策も
「タウンホスピタル構想」のもと“街の健康サポート薬局”として70店を展開するタカラ薬局。大転換と言われる診療報酬改定があった中、薬剤師のスキルアップ推奨やスマホアプリを使った処方箋受取サービスも強化。福岡都市圏に絞った出店だからこそ可能な新しい地域密着施策も始まった。
70店目の福大病院前が象徴店に
“医療のある街づくり”をテーマに地域の医療を支える「タウンホスピタル構想」のもと、福岡都市圏にエリアをしぼったドミナント出店戦略で、“街の健康サポート薬局”として店舗展開するタカラ薬局グループ。昨年10月には70店舗目として福岡大学病院に隣接する「福大病院前店」をオープン。薬剤師と事務員の合計8人体制で在庫数も2500品目以上を備蓄する大型店舗だが、加えて薬局には思えない独特の外観と病院隣接という立地で、同社のシンボル的店舗になっている。
今年秋頃には西鉄平尾駅近くにも新店舗を開設予定で、脳外科や内科(無呼吸)クリニックなどが集まる複合型医療施設「メディカルシティ」になる計画だ。
「福岡市ふれあいサロン」配布用資料 |
診療報酬改定にも着実に対応
小川明久社長が「業界全体が大転換を迎えることになる」と語る今年4月、診療報酬改定が実施された。
地域包括ケアシステムの推進が叫ばれる中、「かかりつけ薬局」を評価する動きが見られた。同社ではこれを受けて自社の薬剤師に対して認定薬剤師の資格取得を推奨。「既に取得済みの薬剤師も多いが、全員が取得するよう改めて啓発していく」(岡村由紀子常務取締役薬事本部長)という。
同改定内では特定医療機関からの処方箋の非集中も示された。そこでは同社独自開発の「スマホde処方せん」が奏功しそうだ。「スマホde処方せん」は無料アプリでスマホからタカラ薬局へ処方箋情報を送り、利用者は自身の都合にあった時間に近くの同社店舗で処方箋を受け取ることができるシステム。元々はゆっくり時間がとれないビジネスマン等に向けたものだったが、その利便性は、広く一般人にとっても、特定以外の薬局で薬が受け取れるとして、同社ではこれまで以上に「スマホde処方せん」の登録・利用を訴えていく考えだ。
「今後は薬の受け取り方が変わってくる」と岡村常務も指摘。それに併せて、店舗の長時間営業や24時間化も推進していく計画で、現在の福大筑紫病院前店(筑紫野市)、徳洲会病院前店や春日原北店(いずれも春日市)らに加えて、各エリアの核となる場所で長時間営業店舗の増加を検討していくという。
「スマホde処方せん」オリジナルポスター |
地域コミュニティで新ニーズ探る
一方で、全く新しい試みも本格化している。岡村常務自ら1年以上にわたってボランティアなど様々な形で地域(校区)のコミュニティに参画。そこで、お年寄りの家にある薬の仕分けや整頓といった、生活に身近なニーズを発見することができた。こういったコミュニティへの参画を昨年夏頃から同社薬剤師たちにも促している。これらの活動が派生し、今年春からは福岡市西区において、申込みがあったコミュニティに同社薬剤師が直接出向く「健康サポート出張講座」もスタート。将来的には福岡エリア全体に広げたい考えで、岡村常務も「まずは町内に溶け込んで、小さな問題に一つひとつ取り組んでいきたい」と力を込める。福岡都市圏に集中展開する同社だからこそ可能な地域密着戦略が始まった。
岡村 由紀子 常務取締役薬事本部長 おかむら・ゆきこ/北九州市出身。1969年7月11日生まれ。第一薬科大学卒。趣味は、わんこのトリミング、ドライブ |
企業DATA
所在地 〒812-0011 福岡市博多区博多駅前3-25-21 博多駅前ビジネスセンター3F
TEL 092-436-2900
FAX 092-436-2901
創立 1980年5月
資本金 7,200万円(グループ合計)
代表者 小川明久
事業内容 薬局、薬店の経営
年商 90億円(グループ業績)
従業員 298人
関連会社 ㈱タカラメディカル ㈱幸陽堂薬品
URL http://www.takarapharmacy.co.jp
採用情報
募集職種 薬剤師
応募資格 薬剤師免許取得者、薬科大学卒業予定者
問合せ先 TEL.092-436-2900
担当 末次・岡村
(ふくおか経済EX2016年)