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㈱シダー
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介護の世界にリハビリを!
リハビリ特化型施設で全国旋風
全国66カ所に広がるデイサービスセンター 介護付有料老人ホーム、その他介護サービス
ジャスダック上場で、全国66カ所にデイサービスセンター、介護付有料老人ホームを中心に展開する㈱シダー(山崎嘉忠社長)。
長年、医療機関でリハビリに携わってきた山崎社長は、入院中にリハビリを受けても、退院後に体が弱って入院を繰り返す多くの人々を目の当たりにした。その問題をどうにかしたいという思いが、シダー設立の礎となった。「リハビリは習慣化することが大切。自宅近くに仲間と楽しく過ごせる場所があれば継続できる。その環境を実現するのが当社の役割」と言い切る。
次に同社が展開するデイサービスセンター「あおぞらの里」、介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ」から1施設ずつをピックアップし、スタッフの声を紹介する。
「ひと言に心を込める」
認知症対応型施設で心身サポート
昨年、リニューアルした「あおぞらの里 徳力デイサービスセンター」(北九州市小倉南区南方1丁目)は、定員120人のデイサービスと定員24人の認知症デイサービスを併設した大型の認知症対応型施設だ。
入口を開けると、クラシックミュージックが心地よく流れるモダン調の空間が訪問者を迎える。「利用者を高齢者という特別な形でくくらず、サービスの質や心遣いは一般のサービス業と変わらないものを提供したい」という同社ならではの、こだわりが表れている。
1階の認知症デイサービスで管理者を務める前田美希さんは入社8年目のスタッフだ。入社当初は思い描いていたイメージと現実のギャップで悩んだという。「介護は相手にじっくりと向き合ってケアすることだと思っていたが、業務に追われて一人ひとりと接する時間が少ない現実に苦しんだ」と振り返る。
前田さんの悩みを払拭したのは、先輩社員の一声だった。「時間をかけることではなく、心が込もっているかが重要。たった一言でも心を込めれば必ず伝わる」。それ以来、一つの行動、言葉に心を込めることを徹底している。「利用者やご家族の精神的負担を軽減できた時は最高にやりがいを感じる」と、とびきりの笑顔で語る。
2階に上がると、オレンジやピンクなど柔らかな暖色を基調としたフロアが広がる。レクリエーションスペースを備えたラウンジ、ゆっくりと談話ができる掘りごたつ式の和室、同社施設の特徴であるシアタールーム、カラオケルーム、リハビリスペースを備えた要介護認定者、要支援認定者向けのデイサービスセンターだ。
2003年からセンター長を務める高辻勝弘さんは「業務に追われると慌ただしく時が過ぎるが、一日の中で、限られた一部の時間を過ごして頂く場所と考えれば視点が変わる」と強いまなざしで語る。スタッフと常々掛け合う言葉は「約束は必ず守る、相手の表情や声色すべてを見逃さないようにする」ということ。現場を大切に、そして利用者一人ひとりをまっすぐに見つめるからこそ生まれる信条だ。
認知症デイサービスセンター管理者の前田美希さん(左)、徳力デイサービスセンター長の高辻勝弘さん(右) |
「目線を合わせて向き合う」
入居者の人生に寄り添い、支援
閑静な住宅街の中で、白と赤の爽やかな佇まいを見せるのは、介護付有料老人ホームの「ラ・ナシカおとがな」(大野城市乙金1丁目)。2008年に開設した同所は、シアタールーム、カラオケルーム、リハビリスペースを併設する全29居室の施設だ。
「こんにちは、今日は暖かいですねぇ」。入居者、訪問者に語りかけるスタッフの笑顔と明るい声が印象的だ。全スタッフに共通するのは、向き合う人々と「目線」を合わせること。車いすに乗る人には腰を低く下げ、ゆっくりと歩く人には穏やかに語りかけるなど、ごくごく自然な対話が繰り広げられる。
スタッフの中で、ひと際大きな笑顔を見せるのは、施設長の金子貴美代さんだ。「住み慣れた場所や長年の生活習慣から、新たな環境に身を置くことで入居者の方はしばらく戸惑いや不安を抱えている。それぞれのペースを最優先して、無理強いは絶対にしないが、声をかけなければならないタイミングは絶対に見逃さない。手前味噌だが、スタッフのタイミングの見計らいは絶妙だ」と目を輝かせる。
入居型施設は、その人自身の“住まい”となる場所。入居者が自分らしい生活、人生を送るために自分たちはどうあるべきか、スタッフ一人ひとりが自問自答を繰り返しながら、日々奮闘する。
“自分の家族だったらどうするか”
慢性的な人手不足が問題視される業界内において、着実に成長を遂げ続けるのは、理学療法士など専門職員を配置したリハビリ特化型のサービスを提供することに加え、全スタッフが、目の前にいる一人ひとりに真摯に向き合う実直さにある。
「特別なことをするのではなく、“自分の家族だったらどうするか”という視点で考え、行動する施設を目指す」と山崎社長。揺るぎのない精神で、シダーの快進撃は続く。
ラ・ナシカおとがなスタッフ(上段左から迫田祐子さん、平井勉さん、稲吉真奈美さん、小原さゆ子さん、下段左から小室和美さん、矢頭和博さん、金子貴美代施設長、荒牧清美さん) |
企業DATA
所在地 〒802-0026 北九州市小倉北区大畠1-7-19
TEL 093-513-7855
設立 1981 年4月
資本金 4億3228万円
事業内容 通所介護施設(DSC)運営、訪問看護、訪問ヘルパー、ケアプラン作成、グループホーム(GH)運営、有料老人ホーム運営、小規模多機能施設運営
年商 70億7500万円(09年3月期)
代表者 山崎嘉忠
従業員 1566人(2010年3月16日時点)
出先 デイサービス施設 計23、有料老人ホーム 計21、訪問看護ステーション 計5、ヘルパーステーション 計4、ケアプランセンター 計10、グループホーム 計2、小規模多機能 計1合計66事業所
URL http://www.cedar-web.com
(ふくおか経済EX2010年)