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㈱キシヤ
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“九州のキシヤ”へエリア戦略、流通ネットワークを確立
創業102年、九州屈指の総合医療機器商社として活躍する㈱キシヤ。100周年を迎えた一昨年に新中期5カ年計画をスタートし、地域医療の発展に貢献すべく着実に成長を続けている。
(写真左上)新北九州営業所の完成予想図。(右上)在宅福祉サポートセンター
(下)階層別の研修でスキルアップを図る(写真は管理職研修)
営業所開設と既存拠点整備を加速
地場老舗の総合医療機器商社㈱キシヤ。一昨年の創業100周年を機に、次の100年に向けた「新中期経営計画チャレンジ500」をスタートし、順調な滑り出しを見せている。初年度の今期売上高は、大学病院からの大型備品の受注増などで、前期比約35億円増の440億円を見込み、依然好調を維持している。「社員一人ひとりが付加価値の高い情報を提供し、地域密着型の営業活動を推進した結果」と胸を張る楠田社長。2015年度までに単体で500億円の達成を目標に掲げ、引き続き成長基盤の確立、社員教育の体系化と継続的実践を図っていく。
九州全域を視野に入れた営業エリア拡大を図る同社では、昨年2月に大分営業所、同12月に鹿児島営業所を開設。さらに今年1月には、在宅福祉サポートセンターを物流センター(福岡市博多区榎田2丁目)内にリニューアル移転するなど、インフラ整備を加速している。楠田社長は「今春には北九州営業所を八幡東区東田1丁目に新築移転する。倉庫を広めにとり、第2の物流拠点として機能させていく」と意欲を見せる。流通ネットワークの確立に向け、新規開設のみならず既存拠点の整備にも注力し、地域医療の発展に貢献する。
独自の研修体系で人材教育、育成を強化
同社では2010年に人材開発課を設置。社員教育のカリキュラムを再編し階層別の研修体系を構築した。新入社員だけでなく、若手・中堅社員や監督者、管理職まで対象を広げ、業務に対する基礎的な内容から自己啓発、業務改善など課題別に研修を行っている。管理部人材開発課の土井元昭課長は「昨年の10月から4カ月かけて全社員対象のスキルアップ研修を実施した。メンタルヘルスやコンプライアンスなど、自社に当てはめることで原点回帰を促すのが狙い」と説明する。また、月2回イントラネットで発行している「人材開発通信」では、営業のトピックスとなるような情報を発信。社員の要望も随時取り入れており、社内でも好評という。
「当社の人材育成は現場教育が基本。日々の仕事を通して、上司や先輩から指導を受けながら、問題解決能力向上や各人が成長していくことが重要」と土井課長。新入社員については座学と実務を組み合わせた研修を行い、社会人としてのマナーやビジネススキルだけでなく、商品入力や配送などの実習によって、総合的な能力向上を目指す。新人研修とは別に営業部主催の「新人勉強会」も開かれており、製品知識や専門知識を学ぶ環境が整っている。
新卒採用に注力し戦力アップへ
福岡を中心に九州10拠点を展開、事業領域の拡大と組織の拡充で勢いを増す同社。次の一手を見据えた人材確保に注力し、戦力アップを図っている。新卒採用ではクロスメディア戦略を推進し、twitter(ツイッター)に加え、昨年9月にはFacebook(フェイスブック)内に内定者向けの自社ページを開設。「入社前の不安を少しでも取り除くことができれば」と情報提供や内定者同士の交流の場として活用している。この4月は18人を採用し、今後も自ら学ぶ姿勢を持った人材を幅広く募集していく方針だ。
真心を知識で包んで仕事に臨む—。顧客中心の姿勢で成長を続ける同社は“九州のキシヤ”として、その位置づけを確固たるものにしていくに違いない。
楠田 幸次郎 社長 |
企業DATA
所在地 〒812-0062 福岡市東区松島1-41-21
TEL 092-622-8000
FAX 092-623-1313
URL http://www.kishiya.co.jp
創業 1910年6月
設立 1968年6月
資本金 5000万円
事業内容 医療機器・病院設備・福祉及び介護用品販売 他
年商 440億円(12年5月期見込み)
代表者 末石藏八代表取締役会長、 楠田幸次郎代表取締役社長
従業員 374人
出先 (営業所)北九州、久留米、飯塚、佐賀、長崎、大村、佐世保、熊本、大分、鹿児島(在宅福祉サポートセンター、物流センター)福岡市博多区榎田2-1-5
関連会社 ㈱ティーエッチエル
採用情報
募集職種 営業、営業事務、物流管理、管理、管理事務
応募資格 2013年大学卒業見込み(全学部全学科)
採用実績 10年度13人 11年度18人 12年度18人
採用予定 13年度16人
問合せ先 TEL.092-622-8000
担当 人材開発課 義間良輔
(ふくおか経済EX2012年)