㈱キシヤ

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九州全域に流通網を確立、プロの視点から地域医療に貢献

100余年の歴史を持つ九州屈指の総合医療機器商社㈱キシヤ。昨年沖縄を除く九州全域に営業拠点を確立し、次のステージへ新たな一歩を踏み出した。

2期目を迎えた中期計画が着実に進行中

医療機器販売を中心に在宅福祉分野、病院内物流管理システム（SPD）の構築など、地場老舗の総合医療機器商社として成長を続けている㈱キシヤ。2期目を迎えた中期経営計画「Challenge500」も堅調に推移しており、13年5月期売上高は前期比約30億円増の480億円を見込み、依然好調を維持。今年2月からは介護福祉用品のレンタル事業にも参入し、その守備範囲を拡大した。2015年度までの売上目標は500億円だが、前倒しの達成も見えてきており、成長基盤の確立を進めながら医療機器のプロフェッショナル集団として地域医療に貢献していく構えだ。
昨年4月、八幡東区東田1丁目に北九州営業所を新築移転し、第2の物流拠点としてその規模を大幅に拡張。12月には宮崎営業所を開設し、沖縄を除く九州全県の拠点体制を確立した。「今後は各営業拠点を軸に、エリアの顧客満足度向上を追求していく」と語る楠田社長。今年は4月に宮崎県都城市に12カ所目となる事業所を開設、春から夏にかけて大分、佐賀両営業所の移転拡充を計画しており、これまで構築してきた販売ネットワークを生かし、さらなる物流機能の高度化を図っていく。

2月に開催した医療業界合同セミナー

第1回採用説明会には250人の学生が参加

多様な人材の能力を生かす制度構築、社員育成を推進

同社では2010年に人材開発課を設置。社員教育のカリキュラムを再編し階層別の研修体系を構築した。新入社員だけでなく、若手・中堅社員や監督者、管理職まで対象を広げ、業務に対する基礎的な内容から自己啓発、業務改善など課題別に研修を行っている。
多様な人材の能力を生かそうという観点から「ダイバーシティ」の考え方のもと、長期的視点での制度構築、社員育成に取り組んでいるのも大きな特徴だ。同社の女性の割合は約20%。営業・物流事務職のほか営業職でも活躍しており、係長など監督職の社員も出てきている。「将来的に労働力人口が減少する中で、優秀な女性の人材活用が不可欠」という考えで、今後の管理職登用を想定した事前のキャリアアップ研修などを強化していく方針だ。また、知的障がい者の雇用にも力を入れており、現在7人が物流センターに勤務。保護者や特別支援学校との連携を密にしながら、フォロー体制を整えている。「仕事の生産性が高く、増員も計画中」とし、昨年は外部からの視察を受けるなど、先進事例として注目が集まっている。「今後は、介護休暇などの制度充実とともに、外国人採用なども視野に入れ、より幅広く成長を促進したい」と先を見据える。

新卒向けの合同医療業界セミナーを開催

新卒採用ではクロスメディア戦略を推進し、twitter（ツイッター）、Facebook（フェイスブック）内に内定者向けの自社ページを開設。「入社前の不安を少しでも取り除くことができれば」と情報提供や内定者同士の交流の場として活用している。
一方で、医療業界への理解を深めるべく、就活生を対象にしたセミナーを3社合同で開催。若手社員によるパネルディスカッションや人事担当者による公開模擬面接などを実施し、業界の認知度向上に一役買った。
真心を知識で包んで仕事に臨む―。名実ともに“九州のキシヤ”として、一人ひとりの豊富な知識と行動力を武器に、顧客から信頼される企業を目指す。

楠田 幸次郎 社長

〈企業DATA〉
所在地　〒812-0062 福岡市東区松島1-41-21
ＴＥＬ　092-622-8000
ＦＡＸ　092-623-1313
ＵＲＬ　http://www.kishiya.co.jp
創業　1910年6月
設立　1968年6月
資本金　5000万円
事業内容　医療機器・病院設備・福祉及び介護用品販売　他
年商　480億円（13年5月期見込み）
代表者　末石藏八代表取締役会長、楠田幸次郎代表取締役社長
従業員　406人
拠点　（営業所）北九州、久留米、飯塚、佐賀、長崎、大村、佐世保、熊本、大分、鹿児島、宮崎（在宅福祉サポートセンター、物流センター）福岡市博多区榎田2-1-5
関連会社　㈱ティーエッチエル

〈採用情報〉
募集職種　営業、営業事務
応募資格　2014年大学卒業見込み（全学部全学科）
採用実績　11年度18人　12年度17人　13年度23人
採用予定　14年度11人
問合せ先　TEL.092-622-8000
担　　当　人材開発課　土井元昭

（ふくおか経済EX2013年）