㈱カンサイ

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新領域への挑戦で“設備の総合商社”へ邁進

2002年3月に“住宅・ビル設備の総合商社”への飛躍を掲げて社名変更し、新領域に挑戦し続ける電設資材卸売の九州最大手、㈱カンサイ。来年の設立60周年に向け、九州一円のきめ細かな営業所ネットワークとグループ7社の総合力、そして人材育成に磨きをかけ、“設備の総合商社”へ邁進する。

（写真）毎年7月下旬に取引先の電気工事店や120社超のメーカーと三位一体で開催する大型展示商談会『共創展・カンサイフェア』。31回目の昨年は来場者1万9000人、売上高23億円超と過去最高を更新

韓国・現代ＬＥＤ社と代理店契約、ＬＥＤ照明の提案営業さらに推進

1998年度から10期連続増収を達成した同社も、2008年のリーマン・ショックを発端とする建設不況で減収を余儀なくされたが、11年度（12年3月期）は2期連続の増収となり再び売上高200億円台を突破する見通しだ。業界環境が改善せぬ現況で、増収を牽引するのが省エネ商品、とりわけＬＥＤ照明器具の販売だ。大震災以降の節電・省電意識の高まりを背景に、ここ数年忍田勉社長自ら先頭に立って取り組んだ川上である施主への営業強化や、初期投資を抑えられる独自のレンタル方式による提案営業が奏功し、全国区企業からの大型受注も相次いでいる。
さらに、今年4月から日本市場に参入する韓国・現代百貨店の照明事業子会社、現代ＬＥＤ社と西日本地区の総代理店契約を締結。ＬＥＤ照明市場は従来メーカー以外の新規参入が多く低価格化が進む中、ウォン安や低コスト生産を背景に価格を国内企業の同等製品に比べて3〜5割程度抑えるという同社製品の取り扱いで、忍田社長は「ニーズに応じた最適な提案営業をさらに推進していく」。また、自社での販売と並行して、輸入元として販売店網を構築し、同業他社などへも販売していく。

九州一円に営業所ネットワーク

景況は依然不透明なものの、電材業界は将来を見渡せば、太陽光発電システムや燃料電池、スマートグリッドなど、その領域はますます広がろうとしている。そうした新領域でも提案営業を進めようとする同社にあって、その原動力の1つが九州一円の営業所ネットワークだ。
忍田社長が95年に就任以降、売上高を100億円近く伸ばせたのは、販売会社の原点という「細かいことを着実にやる」ために、地域に密着した営業所を展開してきたからにほかならない。特に創業以来の大改革をスタートした05年度以降は、熊本北、長崎、唐津、八女、大分、田川、佐世保に順次開設。昨年4月には、鹿児島に初の地域販社となる㈱カンサイ南九州社を設立し、九州一円のネットワークを完成させた。今後も営業網の空白エリアへの拠点開設で、同業では例のない、さらにきめ細かな営業網を構築する方針だ。

60周年へグループ力と人材力強化

“設備の総合商社”への飛躍を掲げ、「関西電業㈱」から社名変更し早10年。グループ会社も今や7社となり、『カンサイグループ』として、主力の電材に限らず住宅設備機器や工事まで手がけるワンストップ体制が浸透しつつある。忍田社長は、これまで以上に総合力を結集すべく、グループ社長会を定期開催し、情報交換、共有化で連携を深めている。
また、来年設立60周年を迎えるにあたり、「会社が永続的に成長していくためには、やはり人材育成しかない」と断言。10年から開始した3カ年の幹部教育「カンサイビジネススクール」をはじめ、長期的な視点で人材育成に取り組み、次代を担う組織体制を整えていく考えだ。

忍田 勉 社長 おしだ・つとむ／1948年9月16日生まれの63歳。奈良県大和郡山市で生まれるも1歳時に福岡市に。県立修猷館高校卒—明治学院大学法律学部卒。74年関西電業㈱（現㈱カンサイ）入社。95年2代目社長に就任。趣味はゴルフ（ＨＣ20）

企業DATA
所在地　〒812-0007 福岡市博多区東比恵3-32-15
ＴＥＬ　092-481-9100
ＦＡＸ　092-474-8365
ＵＲＬ　http://www.kansai-dengyo.co.jp
創業　1948年4月
設立　1954年3月
資本金　9600万円
事業内容　電設資材・住宅設備機器の卸売
年商　199億2700万円（11年3月期）
従業員　200人
出先　（営業所・事業部）九州全域32カ所、東京1カ所
関連会社　三葉電機工業㈱　㈱ロッコウアトム　㈱日進商会　九州昭和㈱　㈱カンサイしんこう　㈱カンサイ南九州社

採用情報
募集職種　営業(ルートセールス)・技術営業
応募資格　全学部・全学科
採用実績　11年度15人（大卒15人）　12年度16人（大卒15人、短大1人）
採用予定　13年度15〜20人（大学・短大・専門学校卒）
問合せ先　TEL 092-481-9100
担当　本社総務部　田村

（ふくおか経済EX2012年）