FEATURE

ふくおか経済EX 2012

㈱ウエスト


「Quality of Life」の実現に向け、
新たな中期計画は攻めの経営へ

うどん115店、焼肉55店を展開し、外食産業をリードする㈱ウエスト。新業態のうどん居酒屋や生そば導入店も好調で、今期は攻めの経営へと舵を切る。

(写真上)リニューアルした「焼肉ウエスト 則松店」の外観
(左下)座敷を個室へと変更、仕切りは取り外しができ、宴会にも対応
(右下)新店舗「焼肉ウエスト 立田の杜店」には、初めてタッチパネルを導入

うどん12店、焼肉10店をリニューアル

2012年2月期で2010年からの「ウエスト3カ年事業計画」が完了し、売り上げ387億円を達成。新たな中期計画では「攻めの経営」を掲げ、6月までにうどん12店、焼肉10店をリニューアルオープンする。対象となるのはうどん店が宇佐、田川、千代町、木屋瀬、那の川、早良、大津、宇美、二日市、第二空港、麦野、富合。焼肉店が立田の杜、飯塚、前原、甘木、戸畑、上津、佐賀大和、今宿、久留米、佐賀となっている。
うどん店に関しては小上がり席の増席や、テーブル席の増席でピーク時のウエイティング解消を図る。小上がり席はファミリー層の多い店舗を中心に増席、テーブル席に関しては、可動式にすることで1、2人での来店客に対応していく。「席数は2割ほど増加し、テーブルが動かせることで状況に応じた対応ができるようになる」という。また、焼肉店については座敷を個室へと変更、部屋の仕切りは取り外し可能で宴会にも対応する。また、テーブル席を全席掘りごたつ化、テーブルを大型にして卓数を減らすことで、席数を減らすことなくゆとりのある空間を確保した。さらにサラダバーの広さを2倍にし、デザートにケーキなどを追加して女性や子どものニーズもつかんでいる。

約2倍の広さとなったサラダバー、ゆとりある空間も好評を得ている

店長の若返りで新風を吹き込む

中期計画の大きな目玉として挙げられるのが人事異動だ。現在55店ある焼肉店で、42人の異動を実施、新店長6人が誕生した。「店長の大きな仕事のうちに“お店のムードをつくる”ことがある。店長自身が明るいと店も明るいムードとなる。そしてスタッフに愛情を持って接し、笑顔の溢れる活気ある店づくりをしてもらいたい」と若山社長は説明する。
また、これまでは地域内の限られた範囲で異動していたが、今回は地域を超えた広範囲での異動となる。その理由について「慣れとは恐ろしいもので、長く同じ店舗や地域にいると見えるものが見えなくなる」とし、「新しい目で異動先を見て、改善できる部分は積極的に改善してもらいたい」と期待を込める。店長の若返りと、広範囲での異動によって新たな風を吹き込んでいく方針だ。

「うどんウエスト」の可動式テーブル席、状況に応じて配置を変える

売上高130億円目指し、新規出店も計画

昨年は東日本大震災、ユッケによる食中毒、牛肉のセシウム汚染問題と続き、外食業にとっては逆風の吹いた年だった。しかし「そんな環境の中、社員の努力もあり満足のいく成績が残せた」と若山社長。今期からを「成長の3カ年」と位置付け、売上高130億円を目指し、新規出店計画も進めている。
そしてなによりも、「すべての目的の一番上にくるのは、“Quality of Life”。その実現は収入だけでなく、日々の仕事の中に生きがい(楽しみ)を見出すことが必要になる。仕事を面白く出来るのは自分自身」とエールを送る。厳しさを増す飲食業界の中、「Quality of Life」の実現に向けた新たな3年計画へ乗り出していく。

若山 和夫 社長
わかやま・かずお/千葉県銚子市出身、1948年5月16日生まれの63歳、YMCAホテル専門学校卒

 

企業DATA
所在地 〒812-0887 福岡市博多区三筑1丁目5-8
TEL 092-582-3911
FAX 092-574-0699
URL http://www.shop-west.jp/
設立 1966年3月
資本金 3億790万円
事業内容 飲食店(「焼肉ウエスト」、「うどん屋ウエスト」等)の経営
年商 125億円(2012年2月期)
代表者 若山和夫
従業員 2000人(パート、アルバイト含む)
関連会社 ㈱西文、㈲河津ウエスト、㈲稲垣ウエスト

(ふくおか経済EX2012年)