FEATURE

ふくおか経済EX 2015

㈱にしけい


50周年に向け、ホームセキュリティ強化などでグループ年商200億円目指す

(写真)本社指令センター

2018年の地場大手総合警備会社㈱にしけいは、3年後の50周年に向けた中期計画を検討しており、グループ年商は200億円を目指す。業界では十指に入る西日本地区最大の警備会社だが、今後、同社の強みである空港警備や、ホームセキュリティの強化を推進して、全国大手の九州地区での取り扱いをしのぐ「真の九州№1」の警備会社を目指している。

ホームセキュリティ強化を本格始動

総合警備業地場大手の㈱にしけいは、全国約9000社の警備会社の中で十指に入る西日本地区のリーディングカンパニー。2014年6月に就任した折田康徳社長は「全国展開している大手警備会社の九州の出先や関連会社なども含めると、“九州で一番”とは言えない」と捉えており、「他の警備会社や異業種との連携を深め、警備の品質、事業規模ともに真の九州ナンバーワンの地位を確固たるものにしたい」と語る。
その取り組みのひとつがホームセキュリティの強化だ。従来からファミリー層をターゲットにセキュリティサービスを提供していたが、高齢化の進行、独居老人の増加といった社会環境もあり、2014年10月から高齢者向けの見守りサービス「シルバーふくろうくん」をスタートした。
急病やけがなど異常があった場合に親族などにメールで通知する「メールみまもりタイプ」や同社が通知を受け、警備員が出動する「駆けつけタイプ」がある。機器をレンタルする場合は月額2000円からと気軽に利用できる。また、高齢者だけでなく一人暮らしの女性向けにも、福岡市のベンチャー企業と提携してセキュリティサービスを提供している。
さらに今後は、全国的に問題となっている空き家を対象とした管理サービスも検討するなど、「企業などを対象とするBtoBから個人の顧客も重視したBtoCの分野を開拓してさらなる成長を目指す」考えだ。

現金輸送にはレベルの高い警備隊員が携わる

既存分野の拡充・高品質化も

同時に既存の警備分野の拡充も目指す。
取り扱いを順調に伸ばしている空港保安警備分野は国内旅客の30%とトップシェアを占めており、同社の特色をなっている業務分野だが、今後も国内外の旅客数は増加し、空港保安警備のニーズは確実に増大する見通しであることから、さらなる警備品質の向上を図る。
機械警備、常駐警備を含む一般部門は売り上げ全体の6割ほどを占める同社の基幹分野で、2014年は福岡マラソンや福岡ソフトバンクホークス優勝祝賀パレードなど、大型イベントの警備も務めた。
また金融機関や商業施設を対象とした現金輸送・集金業務も、今後も効率化とともに業務の高品質化を図っていく。

空港保安業務では検査システムも高精度化されている

50周年に向け南九州の底上げも

1968年4月設立の同社は2018年に50周年を迎える。
折田社長は「2015年度を基点に3年間の中期経営計画を立て、グループ年商200億円を目指す」考えで、各分野の業務推進とともに、今後開拓の余地のある南九州地区の底上げを図り、バランスの取れた営業活動を展開していく。

折田 康徳 社長
福岡市出身。1953年4月20日生まれの61歳。福岡県立修猷館高校、早稲田大学法学部卒。79年警察庁入庁。10年8月九州管区警察局長、11年7月退職。同年11月九州電力㈱顧問。14年4月にしけい顧問を経て、同年6月社長に就任した。趣味はジョギング、読書など

 

企業DATA
所在地 〒812-8530 福岡市博多区店屋町5-10
TEL 092-281-8500
FAX 092-281-8552
設立 1968年4月
資本金 7,900万円
事業内容 空港保安・施設警備・機械警備・現金輸送 他
年商 168億659万円(2014年3月期)
代表者 折田康徳
従業員 3,800人
出先 25支社 1営業所
関連会社 ㈱にしけいセキュリティサービス、㈱にしけいメンテナンス、㈱にしけい保険サービス
URL http://www.nishikeinet.co.jp

採用情報
募集職種 総合職、技術職、警備職、空港保安検査員
応募資格 大学、短大、専門学校、高校(職種によって異なる)
採用実績 2014年267人、2015年281人
採用予定 2016年は未定
問合せ先 人事部直通092-281-8503
担当 人事部担当部長

(ふくおか経済EX2015年)