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リンパ球バンク
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藤井 真則
リンパ球バンク㈱ 社長
ふじい・まさのり/大阪府出身。1960年11月9日生まれの49歳。大阪大学理学部(分子遺伝学・細胞生理学専攻)卒業後、三菱商事㈱に入社。バイオ医薬品部門で2000社以上の米国バイオベンチャーに接触、新薬やワクチンなどを医薬品メーカーへライセンス提供する業務などを経験。薬でがんは治らないことを痛感、04年に同社退社後、07年からリンパ球バンク㈱社長。趣味は読書
標準治療から免疫重視へ、世界を先取りするANK療法
外科手術や放射線療法、化学療法といった「がん三大療法」とは異なる第4の治療法として年々注目が集まる免疫細胞療法。中でも他と一線を画し、がん細胞を殺す能力が最も高いナチュラルキラー(NK)細胞の本格培養に世界で初めて成功し、正確にがん細胞だけを狙い撃つ「ANK自己リンパ球免疫療法(以下、ANK療法)」の普及に努めているのがリンパ球バンク㈱の藤井真則社長だ。
ANK療法は数リットル以上の血液からリンパ球を分離採取し、その中のNK細胞を2〜4週間かけて培養。活性化と増殖の同時実現は同社独自の特長で、培養されたANK細胞を点滴で体内に戻し、①全身に散ったがん細胞を直接殺す②体内に眠るNK細胞を強く刺激し、活性化。そのため、他の療法に見られない高熱を伴うという。1クール4百万円程度の費用だが、「三大療法では進行がんは治らない、遠隔転移すればお手上げ状態」と年々注目度が高まっている。
来年1月に設立10周年を迎える同社。設立に至っては故原田光博㈱千鳥饅頭総本舗会長の功績が大きいという。「末期がんで余命半年と宣告された会長はANK療法を受け、17年間お元気にご活躍された。会長が自ら実体験したANK療法の普及を目的に福岡の財界へ出資を呼び掛け、この地で創業している」。原田会長の志を受け継ぎ、「免疫はがん治療の主役」であることの重要性を力説する藤井社長。ANK療法普及のため、11月7日午前10時に福岡市内で講演会を開催するなど、新たな医療支援体制の構築に余念がない。
ANKはAmplified Natural Killerの略。Amplifiedには「活性を高める」「増殖させる」の2つの意味が込められている
DATA
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設立/2001年1月
資本金/2億9,850万円
事業内容/ANK自己リンパ球免疫療法総合支援サービス
http://www.lymphocyte-bank.co.jp
(ふくおか経済2010年11月号FACE)