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タカラ薬局グループ
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独自の出店スタイルに大型門前型展開も加え、さらなる進化へ
(写真)「タカラ薬局 橋本店」の特徴的な外観
“二人三脚”で長期的に医師を支援
「医師と患者、そしてその地域のニーズすべてを把握することが重要」—そう話すのは、医院の開業をプロデュースし、そこに薬局を出店するという独自の出店スタイルで、現在福岡県内に調剤薬局57店を展開しているタカラ薬局グループの小川明久社長。エリアに的を絞ったドミナント戦略によって、薬局間の連携強化や設備拡充に取り組み、メディカル版“サプライチェーンマネジメント”の確立に突き進んでいる。
その独自の出店スタイルの代名詞となっているのが、グループ会社の㈱タカラメディカルが手掛ける複合型医療施設「メディカルシティ」である。その地域に不足している診療科目を調査し、立地や医師の選定とともに、地権者との交渉も含めた医院開業までの段取りを全面的にサポートしていく。もちろん薬局である同社が医師からコンサル料を受け取ることはなく、コンサル業務による利益は発生しない。医院に来た患者が調剤薬局を利用することで初めて利益が生まれるのだ。つまり、医院の発展がなくして薬局の発展もない。これは“二人三脚”の関係で医師を長期的な支援を続けていく同社ならではのものであり、医師や地域から支持を集める所以と言えるだろう。
「タカラ薬局 荒江店」の店内 |
三好不動産と提携し、医療機関開業サポートを強化
09年12月には、不動産業の㈱三好不動産と業務提携し、医療機関の新規開業を支援するサービスを開始した。これはまず、数々のコンサルティング業務を手掛ける㈱タカラメディカルが保有しているデータベースを生かし、既存の医療施設や周辺住民の年齢構成といった情報を提供する。㈱三好不動産は、その情報から医院開業に最適な物件を探し出し、開業希望の医師に紹介するというものだ。両社の強みを生かし、開業に最も適した物件を選定することにより、開業希望の医師を大きくサポートしていく。2月にはクリニック開業のための不動産情報サイト「医療不動産.com」を開設、物件情報や開業成功の事例のほか、医院開業のポイントなどの様々な情報を公開している。すでに両社にはメディカルモールを共同開発した実績もあり、このタッグに今後も大きな期待が寄せられる。
社会的意義の高い仕事として誇りを
ドミナント戦略の中で店舗展開を進める同社。店舗の出店には人材面の確保や強化が必要となってくる。薬学部の教育課程延長により、今年から2年間は実質的な新卒採用はできないが、「企業が発展していくうえで、踊り場的な部分は不可欠。内部体制を整備し、基盤を充実させていく」とし、この機会をさらなる飛躍のための準備期間として生かす方針だ。
また、薬に関しては国で価格が定められているため、同業他店舗と価格面で差別化することはできない。そのため、小川社長の「最も重点を置くポイントは“人”以外にありえない」という言葉通り、人材育成へ大きな力を注ぐ。「“医薬分業”の大義を見つめなおし、調剤薬局の重要性を再認識することが大切。社会的意義の高い仕事であるという誇りを持って取り組んでもらいたい」と熱い想いを込める。この想いが社員に浸透していることが大きな成長力の秘訣なのかもしれない。
クリニック開業のための不動産情報サイト 「医療不動産.com」 |
門前型店舗展開でますます大きくなる存在感
今後の事業計画の中で特徴的なものに、09年から着手している基幹系システム構築と門前型店舗展開が挙げられる。「基幹系システム」構築は、同社の目指すメディカル版“サプライチェーンマネジメント”に必須のインフラであり、処方する薬すべてにロット番号と使用期限を明記し、データ化して一元管理ができるものだ。また、医師から卸、メーカー、薬局までの川上から川下までの流れの足並みを揃え、連携を強化することで在庫管理を徹底し、余剰在庫の圧縮にも努める。一方では、各地域に大量の在庫を抱える中核店舗を配置し、自社物流システムをつくりあげていく。これにより、流通の効率化はもちろん、各エリアの既存店に在庫不足があった場合でもすぐに届けることが可能な“超・ショートリードタイム”のサービスが実現できるのだ。
これまで独自の出店スタイルを貫き、門前型店舗について積極的な展開は控えていた同社。今後の門前型店舗展開に関しては、「同業他店舗と同じ土俵に立ち、接客などのサービスを見つめ直すことも重要。福岡ナンバーワンの調剤薬局企業を目指すうえで、さらなる進化を遂げるためのもの」と位置付ける。メディカルシティに加えて、視野を広げた幅のある展開によって次のステージへと進んでいく。現在は「メディカルシティ博多駅前」のオープンを控えるほか、大宰府、志免などその他の郊外エリアでも開発を進行中。「選ばれる薬局」として地域とともに成長する同社の存在感はますます大きくなっていく。
小川 明久 社長 おがわ・あきひさ/1966年12月10日生まれの43歳。福岡県直方市出身。福岡県立直方高校卒。85年㈱富田薬品に入社。外資系製薬メーカー勤務を経て、94年に㈱タカラ薬局に入社。96年に同社社長就任。趣味は写真、ペット(犬)と遊ぶこと |
企業DATA
所在地 (本社)福岡市東区御島崎2-2-41 (サポートセンター)福岡市博多区博多駅前3-25-24 八百治ビル6F
TEL (本社)092-433-5425 (サポートセンター)092-436-2900
FAX (サポートセンター)092-436-2901
設立 1986年2月
資本金 5200万円
事業内容 薬局、薬店の経営
年商 39億6465万円
代表者 ㈱タカラ薬局 小川明久
従業員 181人
関連会社 ㈱タカラメディカル、㈱幸陽堂薬品
URL http://www.takarapharmacy.co.jp/
採用情報
募集職種 薬剤師
応募資格 薬剤師有資格者、薬科大学卒業予定者
問合せ先 TEL.092-433-5425
担当 岡村、水上
(ふくおか経済EX2010年)