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TheFace2009

サンレー


佐久間 庸和

㈱サンレー 社長

さくま・つねかず/北九州市出身。1963年5月10日生まれの46歳。早稲田大学政経学部卒。趣味は読書、ガーデニング。東急エージェンシーを経て、89年に冠婚葬祭大手サンレー入社。01年サンレー社長に就任。昨年4月より北陸大学未来創造学部客員教授就任。京都大学こころの未来研究センター共同研究員。一条真也のペンネームで宗教論、経営論など50冊以上を上梓。ベストセラー多数。最近の著書は「世界をつくった八大聖人」(PHP新書)、「人間関係を良くする17の魔法」(致知出版社)、「最短で一流のビジネスマンになる!ドラッカー思考」(フォレスト出版)など。“人間尊重”が自身の経営、作家、客員教授活動の源という
(写真)北九州市の松柏園ホテル、この夏にオープンした新披露宴会場「ザ・ジュエルボックス」にて。文字通り宝石箱のような内装で、新郎新婦だけでなく家族にも感謝の意を示そうという意味が込められている。テーブルに並ぶのはこの秋発表した著書

冠婚葬祭業には最高のホスピタリティがある

経営の傍ら、作家・一条真也としても活躍する佐久間社長。今年は新作が多く、この秋にはビジネス書や読書法など6冊のリリースが集中した。
その中でも、サンレー社員たちのエピソードを集めた『むすびびと』(三五館)と『最期のセレモニー』(PHP研究所)が特に人気を集めている。それぞれ、結婚式と葬儀の際に同社員と利用客との間で実際にあった感動的な実話を紹介したものだ。
佐久間社長は常々、「著作活動はすべて社業に通ずる」と語る。著書で各研究内容や冠婚葬祭業について発信することは、サンレーを知ってもらう上での“究極の営業”になるという。実際に『むすび—』と『最期—』には多くの人が共鳴し、同社への引き合いも多い。佐久間社長は「商品説明だけの営業はもういらない。人々が求めているのはストーリー。当社営業スタッフにも、我々が経験した感動実話の語り部になってほしい」と、期待を込める。
社業では、新たに「隣人祭り」に力を入れている。「隣人祭り」は、高齢者の孤独死を機にフランスで生まれた近隣者同士の新しい交流の形。昨年、日本に伝わったばかりだが、同社グループは既に40回以上開催した。地域住民の交流は深まり、互いの人間関係はより充実する。これは、同社がパイオニアとして培ってきた相互扶助(互助会)の精神にもつながっている。
「冠婚葬祭業には、人を感動させ人間関係も良くする最高のホスピタリティがある」。佐久間社長の自信は揺るがない。

DATA
所在地/〒802-0022 北九州市小倉北区上富野3-2-8
TEL/093-551-3030
創業/1966年11月
設立/1974年2月
資本金/8億950万円
事業内容/冠婚葬祭業全般(「松柏園ホテル」、結婚式場「マリエールオークパイン」、葬祭会館「紫雲閣」、「サンレーグランドホテル」など)
グループ従業員/約1500人
売上高/約189億円
出先/(結婚式場)福岡3、北陸2、大分2、宮崎、沖縄 (葬祭場)北九州圏19、北陸9、大分5、宮崎4、沖縄7
関連会社/ハートピア、日生殖産、サンセレモニー・カー

http://www.sun-ray.co.jp

(ふくおか経済2009年11月号FACE)